代表戦明けでCLを控えるという難しいタイミングでカナリア諸島へ移動。厳しい日程ながら、主力を休ませつつしぶとく勝ち点3を挙げることができた。
■マドリーの先発メンバー
GK:ケイラー・ナバス
DF:ナチョ、バラン、バジェホ、テオ
FW:アセンシオ、ベンゼマ
29分:ナチョ→アクラフ、61分:モドリッチ→コバチッチ、カゼミロ→マルコス・ジョレンテ
バジェホ、テオが先発。アセンシオがトップに入って、4-4-2の形。
■ラスパルマスの先発メンバー
GK:チチソラ
DF:ミシェウ、ガルベス、シモ・ナバーロ、アギーレガライ
MF:カステジャーノ、アクイラーニ;ハリロビッチ、ビセンテ・ゴメス、モモ
FW:カジェリ
46分:ビセンテ・ゴメス→エスポジト、ミシェウ→ハイロ、85分:モモ→エセキエル
降格圏に沈んでいるラスパルマス。あと10試合を切って厳しい状態になってきている。
■何もなくても
最近バランスのいい4-4-2だが、ローテーション。主力組で先発した面々も疲労があったことだろう。
プレスはするもののその後の攻撃の連動を欠き、ちぐはぐな感が否めないラスパルマスに対し、これといった形を見出すことができなかった。
普段は数枚剥がすことができる左サイドが特に落差が大きく、テオが苦戦。個人で打開するプレーができず、それを見透かされて攻撃を寸断されてしまっていた。
ただ、代表戦明けはえてしてこういうものなので、内容の悪さは受け入れるしかない。
その状況で勝ち点3を取れた結果の方を評価すべきだ。
2つのPKは確かに恵まれていたと言えるが、動きに乏しい試合展開でも、先制して
流れを掴んだからこそとも考えられる。
前半戦にこういう試合をことごとく落としてきて、今の順位と勝ち点差があるのだから、しぶとく勝てるようになったことを前進と捉えたい。
■ベイル、コバチッチ
先制点の場面は、一発のプレー。
降りてきたアセンシオが縦パスをモドリッチに落として、アセンシオの空けたスペースにベイルが出ていく定跡通りの動きにモドリッチの精密なパスが通った。
サイドからこういう形でゴールを取れるのが、今のところバスケスとの違いになっているから、ベイルはサイド起用ではゴールに直結するプレーをしてほしい。
こういう仕事をする一方で、守備を疎かにすると使いづらくなるのだが、その点ベイルはチームの方針に割と忠実だ。
扱いやすいが、ロナウドのような異質さは保てず、単なる駒になってしまうともいえ、さじ加減が難しい。
攻守にどれだけ力を割くか、ベイルなりのバランスを見つけて、バスケスやアセンシオとの差別化を図れれば、まだチャンスはあるかもしれない。
途中出場のメンバーの中では、コバチッチが別格の安定感。
技術が高く、中盤ならどこでもこなせるので、組み合わせさえ整えておけば彼を中心に布陣を変えやすくもなる。
ナチョのような役割を中盤で担ってくれていると言うべきだろうか。
彼が計算できれば、今後も中盤のやり繰りがしやすくなりそうだ。
■イタリアへ
リーガで最も遠いアウェイの戦いをうまく切り抜け、ミッドウィークはイタリアに移動し、CLユベントス戦。
ローテーションで休ませたメリットを生かし、アウェイでも序盤からペースを掴んでいければ、アウェイゴールを奪うチャンスは作れるだろう。
4-4-2でバランスを保ちつつサイドから良い形が多くできることを期待。