珍しく少し早めの試合開始となった第2節。明るいうちのキックオフ。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
DF:サルガド、ぺぺ、メッツェルダー、マルセロ
MF:ディアラ;グティ、VDV
69分:VDV,VN→デラレ、ラウール、83分:イグアイン→ドレンテ
試合後のシュスターのコメントにもあるように(後述)、代表戦のあとであることを考慮したメンバー。そしてCLのことも考えてのことに違いない。
ということで、ラウール、エインセは控え。
■ヌマンシアの先発メンバー
GK:ファン・パブロ
DF:ファンラ、パラシオス、ボリス、シスマ
MF:ナゴレ、バルケロ;マリオ、モレーノ、ベルビス
FW:ブリト
60分:マリオ→デル・ピノ、66分:バルケロ→アルバロ・アントン、81分:ベルビス→ケロ
全員がスペイン人のヌマンシア。昇格組らしい試合運びができるチームだということは以前も書いた。セットプレーに注意。
■ドタバタ前半
6分、バルケロのコーナーをモレーノがぴったり合わせヌマンシアが早速先制。外から入ってきたモレーノを誰も確認していなかったお粗末な守備で一点を献上してしまった。
ヌマンシアは最終ラインと中盤の2ラインを近くして、がっちり守っていた。中央は窮屈。簡単にはこじ開けられないので、やはりサイドに期待したいが、ロッベンとマルセロがかみ合わない。お互いをほとんど有効に使うことがないので、サイドも混雑気味。
遅攻では苦しいが、カウンター気味の攻めで何とかしたのが同点の場面。18分にVNのパスを受けたグティがシュート。相手ディフェンダーにあたってゴール。これまでシュートが1本という攻撃だったが、運も味方して同点に。
これがマドリーのリーグ通算5000得点目。
同点として一からやり直したいところだったが、21分、バルケロに素晴らしいミドルシュートを決められ1-2。
25分VNからのスルーパスを受けたイグアインがきっちり決めて再び同点。中央に狭いスペースしかなくても何とか出来てしまうな、という場面。
さらに33分、またもVNからのパス。VDVが左サイドの難しい角度から決めて勝ち越し。
4-2と、6つもゴールが生まれて前半が終了。
前線からのプレスがかからないのが大きな問題。簡単にボールが出るので中盤、アタッキングサードへと楽にボールを運ばれる。ディアラも攻撃に参加するようになった中盤も守備ができない。
となると最終ラインで何とかしなければならない場面が増えるのは当然。ファールで止めざるを得なくなって、危険なセットプレーの守備をしなければならない、という悪い流れになってしまう。
もう一つはボールの奪われ方。押し込んでおけば、少し守備を頑張ればヌマンシアも精いっぱいのクリアができるだけで簡単にボールが拾えるのに、中盤でのパスミスが多かった。速攻を受けて危険な場面は結構あった。
要するに下手にボールを取られ、しかも追えない、という二重の問題が。ラウールが引っ張ってくれれば変わるか。
■サイドはどうする
後半開始時点では両チーム交代なし。
後半もサイドが活きない。マルセロが上がってもロッベンは使わないし、マルセロもロッベンに預けたっきりが多い。ロッベンに対しては2人3人ついていくのだから、うまくやれば簡単に突破できると思うのだけれど、それぞれがやりたいようにやっているだけ、という感じ。ブラジル人同士でパス交換していた相手はもういないのだから、お互い話し合った方が良いかもしれない。
57分、ゴール前のフリーキックをモレーノが直接決めて4-3に。またもセットプレーで失点。
VDVからデラレに替えたのは中盤の守備の改善、VNをラウールにしたのは前線の運動量とプレスを良くするためだろう。
ラウールを途中から使うつもりだったかどうかはわからない。2点差のままだったら温存しただろうか。
とにかく、これで少し守備が良くなった。
83分のイグアインの交代は、ロッベンだろうと思った。が、ロッベンは90分間プレー。90分しっかりプレーできるぞ、という自信をつけさせる面もあっただろう。一度膝を押さえる怖いシーンがあったが、怪我の心配をし続けてもいられない。
先発でも結果を残せたイグアインは良かった。
終盤のヌマンシアの攻撃をしのいで4-3で勝利。
前線の守備が良くなれば、全体としてもっとまともな試合ができるはず。その点でラウールを見習うべき選手は多い。中盤のグティとVDVの組み合わせもこれから、といったところ。
シーズン序盤ということもあってかぴりっとしない試合だったけれど、いつまでもそうはいっていられない。今週からもうCLが始まる。ボリソフを相手に勝ち点3を取れないと、ゼニト、ユベントスと厳しい試合をしなければならなくなる。
■シュスターのコメントより
シュスターもセットプレーの守備に不安を抱えているようだ。1点目の取られ方は酷すぎた。クロスに対してマークがうまくいっていないようで、これは早く直さないと致命傷になり得る。
シュスターは代表戦後であることを考慮したメンバーであることを認めている。代表戦の後でありCLの前であるという状況を考えれば、このメンバーで勝てたからOKということだろう。内容に関しては今回は問わないということのようだ。
最後に試合のコントロールについても言及。勝っている状況で試合のコントロールができないと、またドタバタした試合になりかねない。また格下のチームとの試合なだけに、その点は注意が必要だろう。
CLグループリーグ第一戦は日本時間の木曜未明。きっちり勝ってほしい。