寒いソリアでのヌマンシア戦。それでも半袖の選手が多い。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
FW:ラウール、イグアイン
65分:ロッベン→ファン・デル・ファールト、76分:イグアイン→フンテラール、83分:ラウール→ハビ・ガルシア
4試合連続で同じ先発メンバー。これは’01~’02シーズン以来のことらしい。
■ヌマンシアの先発メンバー
GK:ファン・パブロ
DF:ファンラ、セルヒオ・オルテガ、ボリス、シスマ
MF:ナゴレ、ディマス;デル・ピノ、バルケロ
FW:ブリト、ゴイリア
54分:ブリト→アランダ、63分:デル・ピノ→ケロ、80分:ディマス→マリオ
ヌマンシアは17位と降格圏ぎりぎり。
■悲しいほどノーチャンス
前半のマドリーのプレーはあまりにも悪かった。形としてはいつも通り、スナイデルが中に入る傾向が強い4-4-2なのだが、それがどうこうという前に、パスがずれて、タッチもドタバタしてしまうようでは形にならない。
ヌマンシアは全員が自陣に引いて、中央のスペースを消していた。ここでスナイデルと2トップが受けようとするのだけれど、ガゴやラスからのパスが通る気がしない。ラウールとイグアインのトップではロングボールに期待もできないので、ここのパスが雑だと苦しすぎる。なかなか入らないので、ラウールは随分下がってボールを受けに来ていた。
サイド攻撃はロッベンが主に位置する右を中心にしたいけれど、中央がダメで、ハーフラインを少し越えたあたりのロッベンに渡しても、という感じ。相手陣深くならまだしも、低い位置で1対2、1対3がすぐ作られる状況ではさすがに無理があった。セルヒオ・ラモスが上がるタイミングもない。
左へ振ってもエインセだけでは、効果も薄い。
ヌマンシアはマドリーの縦パスを効果的にカットして攻撃していた。
高めの位置でボールを奪えているのは明らかにヌマンシアの方で、マドリーはファールで止める場面が序盤から多かった。フリーキックを跳ね返してもつなげず、またヌマンシアの攻めという悪循環に。
前半のマドリーのシュートは3本のみ。コーナーからエインセがヘディングシュートした場面くらいしかゴールになりそうな場面はなかった。
デル・ピノのヘッドがポストに当たることもあり、ヌマンシアに少し運があれば先制されておかしくなかった。前半のマドリーはプレーの精度も欠いて、ヌマンシアのペース。
良いところなしだった前半だったけれど、47分にロッベンがひらひらとドリブル、相手をひきつけてイグアインへ。イグアインのシュートのこぼれ球をラウールが押し込んで先制。ロッベンにスペースがある状態でボールが渡った、この試合初めてといっていい場面で先制に成功。
ラウールはこのゴールでディ・ステファノのクラブ最多得点記録、307に並んだ。歴史的瞬間を目撃!
55分にはロッベンが右サイドから中へ切れ込む形でゴール。最近これが入る、5試合で4ゴール。
2点差がついて、カウンターで良くなったマドリーだけれど、65分にロッベンを下げてファン・デル・ファールト。今日はとことん精彩を欠いているスナイデルと替えるのではなく、ロッベンを下げるあたり、この試合より先を見ての交代だろう。
これでロッベン中心のカウンターはなくなった。攻めざるを得ないヌマンシアは、バルケロが前半より好きにやれるようになって、マドリーは守る形。
ロッベンがいない状態でどうするか、という問題について、スナイデルとファン・デル・ファールトを併用してみたわけだけれど、ポゼッションを重視して繋ぐことがdきないこの試合では併用の効果は半減といった印象。
フンテラールは残り15分ほどで出場。と思ったらガゴが2枚目のイエローを受けて退場してしまい、完全に逃げ切り態勢に。ゴール前の場面はなくなった。何たる不運。
中盤のスペースを埋めにピボーテの位置まで下がっていたラウールに替えてハビ・ガルシアを入れ修正。
これで逃げ切り6連勝とした。
■がんばれスナイデル!
前半は今シーズン最悪といっていい出来だった。
後半も続いていたらどうなっていたかわからないが、今はロッベンが何とか出来てしまうのが救い。得点もできることを見せているし、マドリーに来て以来最高の状態といっていいだろう。
スナイデルは苦難の時期が続いている。パスが良くなかったこともあるけれど、中央で存在感を発揮できなかった。調子が落ちているのは明らかなので、ファン・デル・ファールトやグティを先発させても良いかもしれない。離婚問題で精神的に辛くなっているのでは、という話もあるので、そのあたりを解決してからでも。
走り回って攻撃を作る姿を取り戻してほしい。
次節はホームでラシンと対戦。
退場して出場停止になるガゴのところを、どう変えてくるかがみどころ。