レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

FIFAウイルスがマドリーの左サイドを襲う

週末に各国リーグ戦はなく、W杯予選など代表戦が行われている時期だが、マドリーの左サイドは次々とFIFAウイルスの犠牲となっている。

12日には、ポルトガル代表のロシア戦に出場したコエントランが足の付け根を痛め、20分で交代。1か月程度は戦力として計算できなくなった。

そして、今朝はマルセロがブラジル代表の練習中に右足の第五中足骨を骨折。地元の病院で診察を受けた後代表を離脱し、マドリーの医療チームが治療を行うことになったと公式サイトで伝えられている。マルセロは3か月程度の離脱と伝えられており、復帰は2013年を迎えた後ということになりそうだ。

これにより、マドリーのトップチームで左サイドバックアルベロアだけとなった。右サイドバックも彼が一手に担っていただけに、最終ラインの遣り繰りは余りにも厳しい状況。

昨シーズンの目玉選手だという事情もあり、序盤よく起用されていたコエントランをベンチに押しやったのは、マルセロの中盤に加わってパスを回せ、ロナウドが絞りがちの左サイドで幅を持たせられる攻撃面での能力によるもの。

特に中に入っていくロナウドと、サイドをえぐるマルセロの関係性は、マドリーの攻撃を支えていたといって良いものだ。

直線的なプレーだったコエントランは昨シーズンロナウドとどうもリズムがあっていないし、アルベロアでは左サイドで効果的に絡むことは期待しづらい。

確かに守備面では改善するだろうが、その不足を補って余りあったマルセロの攻撃面での貢献がなくなってしまうのは痛い。

オフにマイコンなど、獲得の可能性のあった右サイドバックと契約せず、アルベロア一枚でシーズンに入ってしまったことが悔やまれる。

セルヒオ・ラモスがセントラルとしてプレーすることが固まっていて、本職がアルベロアしかいなかった状態で手を打たなかったことは、モウリーニョとフロントの失敗だ。

今となっては結果論でしかないが、モドリッチの移籍に長い時間が取られたことの悪影響が、こういった形でクラブに影を落とすことになった。

今後に向けては、セルヒオ・ラモスのセントラル起用は維持し、エッシェンを右で使い、アルベロアを左に回すのが第一案とも伝えられている。

現時点では、トップの戦力を上手く使って凌いでいくしかないだろう。

こういった場面でカンテラーノスに出番を回したい気持ちもあるが、非常事態に上げられる選手には(特にマドリーでは)救世主的活躍が求められがちだ。また、ほとんど呼ばれていない選手をトップチームに上げたところで、そうした期待とプレッシャーに耐えられるプレーが出来るかどうか心もとない。

カンテラーノスには落ち着いてプレーできる状況を与えてあげることが

重要で、それはこうした急場しのぎとは正反対のものだ。大きなプレッシャーをかけてしまい、潰れてしまうような場面を押し付けるべきではないだろう。