外出していたため、録画観戦となったセルタ戦。ポイントを絞って簡単に振り返っておく。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
FW:イグアイン
46分:カカ→ディマリア、72分:エジル→カジェホン、85分:イグアイン→ベンゼマ
左サイドバックはエッシェン。右はチェルシーでもかなり経験があるが、左は少ないのではないだろうか。
代表でいいプレーを見せたカカが先発。
■セルタの先発メンバー
GK:セルヒオ・アルバレス
DF:マジョ、カブラル、トゥニェス、ラーゴ
MF:ブストス、オウビーニャ、アレックス・ロペス
FW:アウグスト・フェルナンデス、アスパス、クローン・デリ
53分:ブストス→ベルメホ、59分:アスパス→パク・チュヨン、78分:アウグスト・フェルナンデス→デ・ルーカス
ユーロで名を上げたクローン・デリがいる。
クラブは13位と中位につけて序盤をのりきった。
負傷者が復帰するまでの左サイドバックとして、ディマリアという選択肢はあっただろう。もともとベンフィカでは左サイドの選手であったし、もちろんサイドでのプレーに問題はない。また、2列目で起用されても、守備に運動量を惜しまないところは、サイドバックにも適したポイント。
しかし、今節はエッシェンを先発起用し、2列目にカカを入れた。
代表で良かったカカを入れたいという意図と、ディマリアは最終ラインとしても2列目としても使えるようにしておきたいという意図ではないかと考えている。
モドリッチとシャビ・アロンソの併用に重ね、カカ、エジルも先発させたのは、セルタに対してベルナベウでボールを持てるだろうという判断がベースにある。その上で、打開できないなら、ディマリアをカカかエッシェンのどちらかと替える選択肢を持っておければ、展開にあわせてカードを切ることが出来る。
カカとロナウドが先発すると、ロナウドが左に張り付くことは少なくなり、2列目のポジションは非常に流動的になる。
中央でのパス回しに絡む人数も増えるが、距離感が近いとやはり崩すのは難しい。この試合ではイグアインのラッキーゴールで先制したが、中央に偏って手詰まりになるという状況は、以前のマドリーではしばしばあったことだ。
そこで、ディマリアが幅を持たせられれば、改善する可能性はある。右なら中へ絞るプレーが出るが、利き足と同じサイドなら、タッチラインに沿ってプレーが増えるだろう。
守備の技術が劣るのは仕方ないが、運動量と攻撃能力でカバーする方針なら、ボールを持てる相手、中盤の選手の組み合わせの時に起用して回すことは考えられるだろう。
さて、エッシェンのプレーだが、悪くなかった。
特にボールを奪う点では、さすがのプレーもちらほら。ポジショニングも大きな問題になることはほとんどなかった。
サイドバックとして追い越す動きもあったが、本職ではないし、利き足のサイドではないので、その後のプレーの選択肢が少ないのは仕方ない。戻して中央で攻める形が多かったが、それはこの際許容すべき点だ。
シャビ・アロンソとモドリッチの併用は、ここまで多くは見られていない。リーガでは追いかける立場でもあるし、なかなか実験もしていられないというのが本音だろう。そんな中で、モドリッチが徐々にやり方を学んでいっていることは、今後に向けての好材料だ。
組み立てのボールがよく彼を経由するようになっているし、そこから前線に飛び出すプレーが見られるようになっている。
これはシャビ・アロンソにはない長所で、前線の厚みを増してくれる。かといって後方での守備や組み立てに参加することをサボらないのが良い。出て行ったきりでは今のマドリーの底ではプレーしづらいが、戻ってきてくれるという最低限の条件をきちんと満たしてくれており、今後なじめば、もっとパスが経由することになるだろうし、それによって彼のリズムが作られていくことになるだろう。
ボールを「持たされる」状態、意識から「持っている」状態、意識に変わる必要があることは以前から書いているが、モドリッチがそのためのピースとして、長い交渉の末契約に至ったことは明らか。
ここまでは、時間がかかっているとはいえ、その意図通りに来ていると考えていいのではないだろうか。
■今週の試合予定
ミッドウィークにはCL。今節はドルトムントとアウェイで対戦する。
連勝したとはいえまだまだ気が抜けない。アウェイで勝ち点を得て、難しいグループの中でも精神的に落ち着きたいところ。
週末のリーガは、こちらもアウェイでマジョルカと対戦する。