レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第2節 vセルタ

初戦は快勝。負傷者を抱えながらなかなかのスタートを切っている。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャ

DF:カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:ベイル、モラタ、アセンシオ

65分:アセンシオ→ルーカス・バスケス、67分:モドリッチハメス・ロドリゲス、77分:モラタ→マリアーノ

モドリッチが復帰し、さっそく先発。それ以外は前節から変更なし。

■セルタの先発メンバー

GK:セルヒオ・アルバレス

DF:ウーゴ・マージョ、ロンカグリア、カブラル、ジョニー

MF:パブロ・エルナンデス、ラドヤ;オレジャナ、ヴァス、ボンゴンダ

FW:グイデッティ

72分:グイデッティ→イアゴ・アスパス、76分:ヴァス→シェイク、85分:ラドヤ→ピオネ・シスト

ノリートがシティに移籍している。昨シーズンのような内容を続けられるか。

■問題だらけ

前節はアウェイにもかかわらず、良い内容で3点を挙げ勝利したマドリー。そのメンバーに中盤の大黒柱モドリッチが加わったのだから、ベルナベウで安定した試合運びができると考えてしまう。しかし、簡単な足し算にならないのが面白くもあり怖くもあるところ。

マドリーはボールを前に運ぶのに苦労し、前節とは打って変わって我慢の試合になったのだった。

その要因はいくつかある。

まず、前節よりも前線と中盤より後ろの距離が遠かった。モラタに入ってもフォローが少ないので、単独で動かざるを得なかったし、受け方は格段に進歩しているものの、その後の動きは改善の余地があり、マイボールを作れず奪われてしまうことが多かった。

また、そこに至る組み立ての段階にも問題があった。

モドリッチが入ったことで、彼単独での打開が期待できるようになったが、その分彼に任せてしまっているようなことも見受けられた。うまく連動してプレーしていた前節と比べると、それぞれの動きがちぐはぐで、個々のプレーは良くてもそれを攻撃の質に繋げることができていなかった。

そのため、出てくるパスも乱れがちとなり、前線が苦労するという悪循環に。

セルタが序盤から積極的にプレスをかけていたことの影響もあった。

低い位置で奪われるようなことはほとんどなかったものの、困った時にモドリッチに預けることが増え、結果としてかわしても、その先が続かず、孤立した前線が囲まれて奪われることの繰り返しとなった。

攻撃の質が悪ければ、良い守備もできないもの。

前線で奪われたところにプレスに行っても、単独行動なのでセルタは難なくこれを回避。中盤のプレーヤーが出て行った時はそのスペースを使われてサイドから速い攻撃を受けることになってしまった。

攻撃が悪いのを我慢して、さっさと下がってセルタの攻撃を受ける判断をしていれば、もう少しましな前半になったかもしれない。焦りもあったのか、勝算なく中盤のプレーヤーがポジションを離れてしまって、返って難しい展開を作ってしまった。

カゼミロがしっかり低い位置にいて、その前でクロースとモドリッチが攻撃を作るという役割分担も曖昧で、ボールに近いプレーヤーがとりあえず寄せていくだけでは連動した動きが取れない。

流動的というより、場当たり的な動きが多く、しっかりした守備やそこからの落ち着いた攻撃をすることができていなかった。

■後半は改善

こうした問題点は、後半に入ってかなり改善。

特に中盤のプレーで、守備時はしっかり戻ることが徹底されるようになり、前半のようなあたふたしたプレーが減った。そのため、攻撃も徐々にアタッキングサードに入っていけるように。

交代によらず内容を改めることができたのはジダンの手腕と言える。ハーフタイムを挟んできっちり修正してこられるのは素晴らしい。試合を見て、それを的確に改善できるのだから、キャリアはまだ浅いとはいえさすが。

先制点はマドリー。60分、セルタのGKセルヒオ・アルバレスのキックがミスになったところをモドリッチが奪う。

GKと1対1になったアセンシオのシュートは弾かれるも、モラタが詰めており左足で決めた。

アセンシオは決めていれば2戦連続というところだった。シュートに思い切りがなかったのが残念。ただこの場面では、きちんと詰めていたモラタを褒めたい。前線で孤軍奮闘していたプレーが報われるゴールだった。

セルヒオ・アルバレスのキック精度は前半から明らかにセルタにとって問題になっていた。それでも継続してバックパスを使っていたが、失点に直結することに。

前半を乗り越えて後半、良い流れを掴んで先制したマドリー。このまま行きたい展開だったが、67分にオレジャナに同点ゴールを許す。

セルタのパスに対し後手後手の対応となり、エリア手前でオレジャナを完全にフリーに。前半の悪い守備が復活してしまった。カシージャのポジションが随分と前だったことも災いし、手の届かない高さに美しい軌道のミドルシュートを決められた。

同点後、マドリーはモドリッチを下げハメスを投入。復帰直後のモドリッチは60分前後と決めていたのかもしれない。

2点目が遠い両チームはそれぞれ交代で状況を変えようとする。マドリーはモラタを下げマリアーノを入れる。マリアーノはこれがトップチームデビュー。

前半よりはシュートチャンスを得ていたが、ベイルのヘディングなど、これはというところでなかなか決まらない。こういう時は、まだ時間はあると思いつつずるずる行ってしまいがち。報われない試合になるかと思われた。

だが、改善した守備への切り替えが終盤に功を奏する。

81分、最終ラインで奪ったボールをルーカス・バスケスが持ち上がり、右サイドのハメスへ。ハメスは一度ボールを失うも、そのまま寄せてパスをカット。これをルーカス・バスケスが拾い、右45度の位置へ。中へのパスコースは切られていたので、後方から上がってきたクロースへのグラウンダーのパスを選択。これをクロースがエリア手前の位置からダイレクトでシュート。外から巻く回転のかかったグラウンダーのシュートがポストに当たって決まるビリヤードのようなゴールで勝ち越しに成功した。

ふかさず、この速さと精度のボールをダイレクトで蹴れるクロースのキックには脱帽。また、ハメスが相手に引っかかったところでプレーを緩めなかったことは評価したい。

あそこで諦めては何も生まれない。途中交代でフレッシュだったことも生かし、良いプレーをしてくれた。

セルタはその後粘りを見せ、カウンターの打ち合いになったが、さすがに2点目は許さず。突き放しもできなかったが、最後の数分はしっかり凌いで、勝利を挙げた。

■とにかく連勝

前節から見れば、ベルナベウでこんな内容になるとは、としか言いようのない試合。前半の入り方は今後良く考えていきたい。

ただ、後半に立て直せたこと、こんな試合でも勝ち点3を得たことは、リーガを考えれば非常に重要。

いかに勝ち点を重ねるかというより、いかに取りこぼさないかというような状況になる近年のリーガにおいて、ホームで引き分けは痛く、アノエタでの勝ち点3を帳消しにしてしまうもの。

今は結果を出せたことを第一に考えるべきだと思う。

次節はオサスナと対戦。

代表戦明けの日程で、これもまたコンディションの面から難しくなることが予想される。我慢しながらチャンスを掴んでいってもらいたい。