マドリーは、サニタス医療サービスに関わるヘスス・オルモ、ミケル・アランベリ両医師との契約を合意に基づき解除したと公式に発表した。
メディカルスタッフの契約解除は本来大きな話題ではないが、ヘスス・オルモ氏は以前からいわくつきの人物であった。
アンチェロッティ末期頃から負傷者が続いたことやその後の回復プランについて、オルモ氏の本来業務の能力に対してプレーヤーが疑問視していたというのは、何度か報じられてきていた。その一方で、もともとペレス会長とのコネがあっての契約であったとも言われる同氏のメディカルスタッフ内の立場は高まっていたようで、ちぐはぐな状況になってきていた。
プレーヤーの信頼を得られないメディカルスタッフをそのままにしておくほど愚かではなく、このたび契約が解除されることになったわけだが、本来業務にかかる不信感だけではなく、彼がロッカールームの話をリークしているのではないか、という疑念もあったことから、こうした形でしっかり発表する運びになったのだろうと推測される。
アンチェロッティ末期、ベニテス期と、現場がうまくいかずにばたついていた中で、プレーヤーと監督の関係やプレーヤー同士の関係がネガティブな形で報じられることがしばしばあったのは確か。その情報源がメディカルスタッフのリークであるというのは、考えたくないことではある。だが、ペレス会長との関係はあるけれども、クラブやチームに対する忠誠(契約関係であるとはいえ、その点が重要であることは言うまでもないだろう)がいかほどかわからない人物が、現場であまり信頼を得られていないとなれば、いろいろと邪推したくもなるもの。
今回の発表は、当時からのそうしたモヤモヤした状況を、暗に認めたようにも思える。
いずれにせよ、これで現場がより落ち着くのであれば、それに越したことはない。きちんと信頼を得られる後任と契約してもらいたいものだ。