レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第6節 vオサスナ

大幅なローテーションを実施し、結果を出した。チームによる素晴らしい成果だ。

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 ■マドリーの先発メンバー

GK:アレオラ

DF:オドリオソラ、ミリタン、セルヒオ・ラモス、ナチョ

MF:カゼミロ;バルベルデ、クロース

FW:ルーカス・バスケス、ヨビッチ、ビニシウス

 

71分:ビニシウス→ロドリゴ、82分:バルベルデハメス・ロドリゲス

 

アレオラは先発でデビュー。主力級はセルヒオ・ラモス、カゼミロ、クロースのみという布陣。

 

オサスナの先発メンバー

GK:ルベン・マルティネス

DF:リージョ、ロンカグリア、ラウール・ナバス、エストゥピニャン

MF:モンカジョーラ、メリダ;イバニェス、ルベン・ガルシア

FW:ブランドン、カルドナ

 

65分:ブランドン→ビジャール、カルドナ→アビラ、71分:イバニェス→ロベルト・トーレス

 

ここまで1勝4分。3節にはバルセロナと引き分けている。

 

■中盤の考え方

大幅なローテーションを行ったマドリー。局面での繋ぎは、どうしても違和感が残っていた。

特に、バルベルデが入った中盤の関与は難しく、役割がはっきりしないまま時間が経過してしまった。

ここがハメスであれば、ハメスを前において後ろをクロースとカゼミロが支えるという分担がわかりやすい。それがバルベルデになったことで、誰がどの程度繋ぎに加わるのか、前に出ていくのかの選択があいまいになっていた。

 

それぞれができることを考えれば、カゼミロを後ろに残し、バルベルデが運んでクロースが2列目で攻撃の最終的な局面を操作するのが妥当。

ただ、実際はそううまくはいかない。カゼミロはドブレピボーテとなると守備の役割分担がうまういかなくなるし、バルベルデが出ていった時にクロースで支え切れるかという問題も残る。

 

カゼミロの控えがいないという問題も考えると、バルベルデピボーテの位置を1枚で任さられるようにできるのが理想で、その点ではこの試合の内容ははっきりしなかった。

今後の中盤のバリエーションで、カゼミロやクロースを休ませうる形を見つけなければならないだろう。

 

■ミリタン、ビニシウス 

ミリタンが入った最終ラインは、パスがずれることが多く、同じくミスが散見されたオサスナにお付き合いすることがしばしばあったが、守備では個人能力で万全な対応。

ミリタンは広いスペースをよくカバーしてくれた。競り合いでも負けることはほぼなく、倒れないでマイボールを作れていた。

 

サイドバックが上がる形がほぼすべてのマドリーにおいて、両サイドに広がる広いスペースをカバーできる身体能力は必須だ。難しい局面もあったが、相手との接点で負けなずにボールを回収できていたので、前回出場時よりもいい印象であった。

 

 守備は機能しつつも、これといったチャンスが作れない中で、36分、ビニシウスのミドルシュートが決まりマドリーが先制。

ドリブルが引っかかっていたビニシウスだが、それでも速さを警戒する相手が距離を取ったところで良い判断。思い切ったプレーが相手に当たってコースが変わる幸運を引き寄せた。

 

こうした位置で、シュートの選択肢があるメリットは非常に大きい。単発に終わらず、今後もゴールに向かう意識を持ち続けてほしい。

 

■ヨビッチ、ロドリゴ

 後半は前半よりもミスが減り、締まった内容に。

オサスナの組み立てが不安定なところをつく守備の判断が良く、高い位置で取りきれていた。この中盤の3人だとこうして守備から考えるパターンがやりやすいかもしれない。前述の通りミリタンが良く、ラモスとのコンビに後方は任せられていたので、前に出て取りに行く守備を選択しやすくなっていたこともいい影響をもたらした。

 

そこからのカウンターは得点にならず、ヨビッチは惜しい場面を逃した。VARでのオフサイド判定は非常に微妙(恐らく10センチ以内の差だろう)だったが、シュートは落ち着いてコースに蹴り込めていた。

動き出しやシュートが悪いわけではない。焦らず続けていけばゴールは生まれるだろうと感じられた。

 

ヨビッチはこれまで短い時間のプレーが多く(ここまで最長で第3節ビジャレアル戦の68分。それ以外は9分、22分、7分のプレー時間)、フィニッシャーとして結果が残る仕事ができる機会そのものがほとんどなかった。

この試合では、ゴールこそなかったものの、我慢して中央に残り決定的なところに現れていた。広いエリアを動くベンゼマとは違う個性で貢献できる可能性を示したと評価できる。

 

得点を挙げて輝いたのはロドリゴ

72分、出場して最初のプレーで、カゼミロからのロングパスを見事にトラップし前進。縦に行くボディフェイントでディフェンスをずらし、ファーへのシュートコースを作り、落ち着いて決めた。

スペースができ始めた時間帯にピッチに入れたことが良かった。最初のボールタッチは難しいものだが、ジダンも称賛する美しいものとなった。

 

ロドリゴにとって幸運なのは、このゴールが彼への過度な期待とならないであろうチーム状況であること。

ビニシウスは、非常に苦しいチーム状態の時にデビューを飾ったために、出番は増えたがその後の期待を多く背負うことにもなった。それは彼の立場と比較すると不当なもので、本来ならそうなるべきものではなかった。

その点、ロドリゴについてジダンは、カスティージャ所属であることを現時点で変えるつもりはないようだ。それならば時間をかけて環境に慣らし、またマドリディスタも彼の立場を理解し期待しすぎることなく見守ることができる。

 

マドリーにおいて何の批判も受けずに過ごすということは不可能だ。誰しもいつか試練の時を迎えることになる。

できるのは、それを避けることではなく、適切な時期にやってくるようにコントロールすること。その点、ジダンは今のところうまくやれているように思える。

 

■最後に

主力を多く休ませて、若手が結果を出した。控え組のモチベーションは上がり、チーム内に良い競争が生まれるだろう。

チーム全体の力を引き上げる結果だ。

 

主力組ではカゼミロが素晴らしく、今まで以上に代えがきかない存在になっている。彼をどう休ませていくかは、今後に向けた宿題。

1月に中盤に手を加えるか、バルベルデをうまく使う方法を見出すか。どういう答えが出てくるだろうか。