レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第34節 vスポルティング・ヒホン

重要な1週間の前の試合。難しい試合となった。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:アルベロア、ペペ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:ケディラ、シャヒン;カジェホンエジルロナウド

FW:イグアイン

46分:カジェホン→ディマリア、シャヒン→ベンゼマ、75分:イグアイン→グラネロ

シャビ・アロンソの代役はシャヒン。右サイドにはカジェホンが入った。

■ヒホンの先発メンバー

GK:フアン・パブロ

DF:スアレス、ボティア、モイセス・ガルシア、イバン・エルナンデス、カネージャ

MF:トレホ、ロラ、ガルベス、デ・ラス・クエバス

FW:サンゴイ

46分:イバン・エルナンデス→レオン、56分:サンゴイ→アンドレカストロ、66分:デ・ラス・クエバス→コルンガ

降格圏に沈むヒホン。5-4-1でがっちり守って、ベルナベウでの活路を探す。

■崩しづらい構成

今書いたように、ヒホンは5-4-1。5-4が完全にブロックを作って、マイボールになったらサンゴイを目掛けて、というのが基本路線。

基本的に、マドリーはこういうリトリートした相手に苦労するのだが、今日は構成的にもちょっと難があった。

マドリーの2列目は、サイドバックの位置から高く上がったマルセロ、フリーに動いて中央に進出するロナウド、右サイドによく流れるエジル、そしてカジェホンという並び。

1トップのイグアインはラインとの勝負を繰り返していた。

サイドから放り込むようなプレーをしないマドリーにとって、バイタルで楔を受けるのが、この試合の攻撃のキモ。

そういうプレーが得意なのはロナウドで、中央で受けて前を向くプレーでヒホンのディフェンス陣にずれを生じさせようとしていた。左サイドでも、独力やマルセロとの絡みで何度か突破。

ロナウドの他にこういうことをする選手は、実はケディラだった。

シャヒンはシャビ・アロンソとだいたい同じようなポジションでプレーし、ケディラが縦関係で前に上がっているため、ラインの間に入ることがしばしばあった。

もともと3の中央のポジションにいたエジルは、受けに下がるか、右サイドに流れるプレーが多く、そこへケディラが入ってくるような感じ。

しかしながら、足元がないのははっきりしており、受けた後のアイデアと技術には全く欠けていた。

彼らにパスを入れるのは、相手がサンゴイ1人で上がってパスを出す余裕のあるセンターバックやその前のシャヒン、そして降りてきたエジルといった面々。

シャヒンはシャビ・アロンソのようなサイドへのロングパスはないが、ショートパスは丹念に通してくれる。一発で打開できるようなパスはなかったが、無難な出来。ケディラの状況を考えれば、シャヒンにはもう少し前で、ディフェンスを崩すパスを期待したいところだが、それは來シーズン以降に期待するのが良いだろう。

右サイドのカジェホンは、スペースに飛び込んで受けるタイプの選手で、退いた相手のサイドをパスで攻略するのには向いていない。ゴール前にほとんどスペースは出来ず、カジェホンが効果的な受け方をすることはほとんどできなかった。

その分を補うかのようにエジルがサイドへ出てきていた。

このように、バイタルで受けるのはロナウドケディラで、そのうち何か起こせるのはロナウドという状況。

前節同様、ロナウドの個人能力という目はあったが、チームとしては苦労するべくして苦労していた。センターバックとシャヒンを残して、両サイドバックが高い位置を維持することが出来るほどの状態でありながら、効果的に守備陣形を崩す機会は多くなく、組織の周りを撫でるだけの時間帯も。

そうこうしているうちに、ボール運びの段階でミスも出始めて、先制は速い攻めからPKを得たヒホン。デ・ラス・クエバスが決めて、ここまではヒホンの狙い通りか、それ以上の出来。

勝利に2点が必要になったマドリーは早くも急ぎだす。今のチームは、こういう早い時間帯の焦りが良く出る。ビハインドで落ち着けないのは、失点してものすごく落ち込む、バルセロナとのこれまでの試合とも通底するもので、改善すべきところ。

これ以降、手数をフィードを使うこともしだしたマドリーは、セルヒオ・ラモスのパスにイグアインがラインの裏で合わせて同点。

難しいことはせず、シンプルに精度の高いボールでゴールを決めた。

■修正点について少し

後半開始からディマリアとベンゼマ登場。

居場所がなかったカジェホンと、まあまあのシャヒンを下げた。これによる修正点は、ディマリアが右サイドに入ったことで左右ともに仕掛けの可能性が出来たこと、エジルがサイドから中央に集中するようになり、バイタルへのパスの回数が増えたこと、そしてベンゼマがパスを受ける精度を高めたこと。

構成としては、基本は4-1-3-2となり、両サイドバックが上がって、2-3-3-2のようになっていることが多かった。

エジルのポジションチェンジとベンゼマの登場により、狭いながらも中央の仕掛けのパスは、回数精度ともに格段に良くなり、得点の雰囲気は前半よりずっと出ていた。

そして右サイドからクロスの”砲台”となったディマリアが、どんどんクロスを入れていくことで、右サイドも良く使えるようになった。

決勝点は、攻守の速い切り替えから、そのディマリアのクロス。

ディフェンダーの前に入り込んだロナウドがちょっと当てて、ゴールへ流し込んだ。

80分にはベンゼマもゴールを決めて、試合を締めた。

結果として、後半頭の交代策は大当たりとなった。

■正念場の1週間へ

退いた相手を攻略するために、後半の交代が大きなポイントとなった。非常に難しい試合となったが、今週のことを思えば、緩く勝ててしまうより、良い緊張感を持続できたことは良かったかもしれない。それも勝ったからこそ言えることだが。

この試合で味わったような崩しの苦労を、今後の3試合で経験することはないだろう。その分、攻守の切り替えや集中力が勝敗を分けることになる。

チャレンジャーであることに変わりはないが、これまでのプレーに自信を持って、落ち着いてやれることを十分にやればどの試合も勝機はある。プレー面でも精神面でも雑にならず、試合に臨んでもらいたい。