レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第8節 vベティス

代表戦が終わり、リーガ再開。負傷者が増えているのが何とも不安。今のうちだけなら良いのだが。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、ペペ、バラン、マルセロ

MF:クロース;コバチッチ、イスコ

FW:ベイル、ベンゼマロナウド

65分:コバチッチ→ルーカス・バスケス、75分:ベンゼマ→モラタ、80分:ベイル→アセンシオ

セルヒオ・ラモスのところはバラン。中盤ではコバチッチとイスコが先発となった。

ベティスの先発メンバー

GK:アダン

DF:ピッツィーニ、ペッツェッラ、マンディ、ドゥルミシ

MF:ブラシャナツ;マルタン、ペトロス

FW:ホアキンアレグリア、ルベン・カストロ

46分:ブラシャナツ→ゾズリャ、アレグリア→セフード、67分:マルタン→セバージョス

ホアキンがカピタンで、ベテランだがまだまだやれそう。なかなか多国籍なメンバー。

■幸運だったベティスの出方

マドリーは代表戦前まで4連続引き分け。リーガにおいては攻撃に詰まっており、不用意な失点もあって勝ち点をこぼしていた。

そうした状況から言うと、しっかりブロックを作られてセットプレーなどの少ないチャンスに賭けられた方が嫌だった。そういう戦い方を徹底されると、点が取れないまま終わるのではないかという不安が強くなり、そこから綻びが生まれることになる。

だが、ベティスは前からのプレスを積極的にかける策を選択。3トップだけでなく中盤も高い位置に張り出して、ボールを奪いにきた。

これがベティスの本来のやり方なのかもしれないが、マドリーにとってこういう出方をしてくれたことは幸運だった。プレスがかなり速かったので、問題なくかわすというところまではいかないまでも、さすがにそこそこの確率でボールは進めるし、そうすればスペースはある。懸念されたような攻撃の手詰まりが起きづらい試合になった。

マドリーは守備的なプレーヤーがいない中盤なので、逆手に取る形で攻撃に出て攻め合いの展開に。守備は最後はぺぺとバランが何とかするという程度で、計算は全く立たなくなるが、4分にフリーキックからバランのヘディングで先制したこともあり、まあ行けるだろうというような判断。

甘い判断といえば確かにその通り。とはいえ、早々に先制に成功し、しかもベティスが出てきてくれているのを生かさない手はない。どうせ組織だった守備が覚束ないならば、攻めあって攻守ともにスペースある状態で、個人能力の差で解決するというのは、マドリーだからできる打開策と言えよう。

ベティスが先にミス、マドリーは前半で試合を決める

ベティスとしてみれば、早々のセットプレーでの先制はもったいなかったが、それでも1点差ならば、攻め合いの中で何か起きる可能性はあった。まして、最近のマドリーの出来は悪く、代表戦後ということで一般的にはコンディションが悪くなるもの。どこかできっかけを掴めるかもしれなかった。

しかし、ベティスの方が先に高い位置で致命的な奪われ方をした。

31分、ドリブルしたところを3人で囲み、クロースがボール奪取から持ち上がり左のベンゼマへ。ベンゼマは空いていたニアに冷静に蹴り込んだ。

マドリーとしてはベティスの判断ミスが先に出て嬉しい追加点となった。

更に39分、ベンゼマミドルシュートがディフェンスに当たってコースが変わり、エリア内に入っていたマルセロへ。ボレーシュートをファーに決めて3-0。マルセロの位置はわずかにオフサイドだったように思うが、ゴールは認められた。

この2点でマドリーはほぼ安全圏に。ベティスは1点差で我慢できず、失点に直結するミスがあり、流れを失った。

44分にはベティスのコーナーからカウンター。ペペ、コバチッチ、ベンゼマロナウドと繋ぎながらボールを運び、左サイドからのロナウドのクロスは再びペペに。ペペは出てきたアダンを良く見てイスコにラストパス。無人のゴールへ蹴り込み4-0とした。

狙いがわからないコーナーキックをきっかけに、久々の電光石火のカウンター。最近の嫌な流れを忘れさせる素晴らしいゴールで前半を締めくくった。

ベティスが一矢報いるも

後半に入るタイミングでベティスは2枚替え。ルベン・カストロを中央に置いて変化を付けることを図る。

前半同様入れ替わりが激しい展開の中で今度はマドリーに大きなミス。55分、ペペの縦パスが味方のいないコースに大きくずれて奪われる。マルタンがポストに当て、スペースに上がってきたセフードにワンタッチのパス。セフードはナバスとの1対1を制し、一矢報いた。

ベティスにとっては遅すぎる反撃。こういう速い攻撃が前半の1点差のうちに実っていたら、マドリーはまた怪しい雰囲気になっていたことだろう。失点自体は残念だが、ダメージがそれほどないタイミングで救われた。

それでもこの日のマドリーは余裕があった。

62分にこぼれ球を拾ったイスコがエリア左からファーに巻いて決まるゴラッソ。再び4点差とした。イスコは久々の先発で2得点と目に見える存在感を示した。守備面での貢献があればもっと使いどころは増えるのだが、この日に限ってはスペースのある前線でのプレーで問題なし。良いところに顔を出してボールに良く触っていた。2得点は大きな自信になる。これでプレーが変わってくれれば。

マドリーはミッドウィークのCLも見据え、負傷者が多い中盤から交代でリフレッシュ。

面白かったのは、コバチッチに替えて本職ではないルーカス・バスケスを使い、そのままのポジションで入れ替えたこと。アセンシオを使わずルーカス・バスケスで対応したことから、アセンシオはベイルやロナウドのポジションで起用したいというジダンの意図が見える。

アセンシオは、守備負担が少なく推進力を生かせるポジションで伸ばしたいということだろう。実際、80分にベイルと交代で入り、ウイングの位置についていた。時間が短く見せ場は余りなかったが、使われ方が決まっていれば準備もしやすいはず。この交代でジダンのやり方ははっきりしたので、彼はこのポジションで羽ばたいてほしい。

78分には、ベンゼマに代わって入っていたモラタが走りこんだロナウドに落とし、ロナウドディフェンダーを引き連れたままエリアに進入、そのままトー気味のシュートを決めて6-1。

モラタのポストワークが素晴らしく、ロナウドも良いタイミングで動き出していた。シュートに関してはさすがの精神力という他ない。この試合でも前半から惜しいシーンを逸していたが、それでもシュートを狙い続け、最後に決めた。

前半の4点で留まらず、更に追加点を挙げてリードを広げベティスを6-1と圧倒。決めるべき人も決め、悪い雰囲気を変えられそうな光が見えた試合となった。

■これをきっかけに

大差がついたのは、最初に書いたようにベティスの出方によるところが大きい。支配率53%という数字にも表れているように、持たされているという状況に陥ることなく攻撃を作ることができた。退かれるとどうなるだろうという不安はあるが、久々の大量得点で精神的にはかなり楽になったのではないだろうか。

ベンゼマロナウドがゴールを決めたので、ベイルに続く形で調子を上げていってくれればと思う。

負傷者が相次ぎ苦しい中盤では、2得点のイスコはもちろん、コバチッチの持ち上がりが良かった。

モドリッチのように狭いところを縫うドリブルではなく、スペースを見つけて縦に抜けていくスタイル。狭いところでかわすマルセロやイスコから出てきたボールを良く運んでいた。

うまく行く時はこうしてうまく行く。良い雰囲気に変わっていってくれれば。

ミッドウィークのCLはレギア・ワルシャワをベルナベウに迎える。

ローテーションするとの報道もあり、先発メンバーは多少なりとも変わるだろうが、せっかく掴んだきっかけを失わずに良い攻撃を続けて言ってほしい。