レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第9節 vアスレティック

雨のベルナベウ。現地時間としては見やすいはずだが、空席が目立っていた。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、バラン、ペペ、マルセロ

MF:クロース;コバチッチ、イスコ

FW:ベイル、ベンゼマロナウド

65分:イスコ→ルーカス・バスケス、75分:ベンゼマ→モラタ

インテリオールはイスコとコバチッチの組み合わせ。

アスレティックの先発メンバー

GK:イライソス

DF:レクエ、エチェイタ、ラポルテ、サボリット

MF:サン・ホセ、ミケル・リコ;ウィリアムス、エラソ、サビン・メリーノ

FW:ラウール・ガルシア

76分:ラウール・ガルシア→イトゥラスペ、78分:サビン・メリーノ→スサエタ、88分:サボリット→ムニアイン

上位をうかがうアスレティック。常に質実剛健という雰囲気である。

■マドリー、序盤の調子を生かせず。アスレティックは立て直しに成功

マドリーは序盤が良かった。

ベンゼマが多くボールに触って前線と中盤を繋げ、両サイドバックの攻撃参加もスムーズ。攻撃することによって守備の不安を補うしかない現状において、なかなかの立ち上がりだった。

7分には先制点も挙げる。中盤左サイドで奪ったところから、マルセロが右足で右へ展開。イスコがボールを受ける。一度はサボリットに体を入れられたが、行き過ぎたところを再び入れ替わって、落ち着いて折り返し。これをベンゼマが決めた。

良い形で試合に入れ、早い時間で得点できたことで、レギア・ワルシャワ戦同様流れを掴めるかと期待したが、アスレティックはここから我慢が利く。慌てずに4-5でしっかり守りを整えてきた。

もともと球際での当たりの強いチームであり、ブロックを作ってからの寄せは厳しい。マドリーはある程度の高さまではボールを持たせてもらえるものの、クロースを中心にリズムを変えたいところでは、ファールも辞さない守りに阻まれ、気分良くプレーさせてもらえなくなった。

サイドを替えても5枚の中盤がピッチの幅をカバーしており、ずれがうまれない。時間が経つにつれて、良い雰囲気はしぼんでいった。

マドリーもベイル、ベンゼマが中盤の攻守に参加。特に守備の面で、最低限参加していることは最近の変化と言える。低い位置まで下がることも時折見られ、役割をこなそうという姿勢が見て取れる。この試合では出場機会はなかったが、先日のハメスも走り回っていた印象で、チーム全体として守備の意識が高まっているように感じられ、その点は評価できる。こういう仕事もやるのだという意欲を持ってプレーしていることがありがたい。

とはいえ、このメンバーでは効果的に守ることまでは難しい。我慢していたアスレティックは、27分、右サイドのレクエがベンゼマの軽いスライディングをかわすと、続いて対したマルセロもあっさりスピードで突破。低いクロスはエラソのもとへ。奪いかけるが、最終的にはパスを出され、フリーのサビン・メリーノがダイレクトで蹴り込み、同点とすることに成功した。

ベンゼマ、マルセロが一発でかわされたことでこの場面を招いた。どちらも粘ってついていってほしかったところ。特にマルセロは、守備に難があるとはいえ、あの抜かれ方はもったいなかった。

カゼミロがいれば早い段階で潰せていただろう。最低でもファールで止めていたはずだ。いないプレーヤーを考えても仕方ないのだが、こうした守りを見ると、一試合も早い復帰を期待してしまう。

序盤の失敗から立ち直り、追いつくことに成功したアスレティックは、守備組織をより強固に。我慢して守っていれば、チャンスは巡ってくることを実感できたので、このやり方を徹底して良くなった。

逆にマドリーはせっかくのリードも流れも失い、ボールを持たされる状態に。追いつかれて以降は、歯がゆい攻撃の場面が増えていった。

ロナウドはまだまだ、最後はモラタ

組織として苦しい展開の時に、独力で相手にとっては理不尽とも思えるゴールを決めてしまうのが、ベイルやロナウドの個人能力。そうしたプレーで勝ち点を拾えるのが、マドリーのようなビッグクラブの強みの1つといえる。

ところが、ロナウドの調子がなかなか上がってこない。もともと一撃必殺というよりは数を打ってリズムを作っていくタイプだが、このところはシュートを放っても放っても状態が上向いてこない。

強引に行っていいのは彼の特権だが、それにしても自分のイメージと体の動きがあっていない印象。シュート以外の場面でも判断の遅さが目に付き、やきもきしてしまう。

私は、巷間言われるような衰えというよりも、夏のユーロを経て蓄積した疲労が原因ではないかと考えているので、何だかんだ言っても徐々に数字は出てくると思っている。どこかで休ませるのが得策かもしれないが、プレーすることで合わせていくタイプの彼をどう扱うかは難しいところ。

CLが一段落する当たりで状態を見て、1試合は招集外とするくらいが適当かもしれない。

時間だけが経過する後半を受けて、マドリーは65分にルーカス・バスケス、75分にモラタを投入。

ルーカス・バスケスをインテリオールのプレーヤーと入れ替えるのが最近のやり方。攻守に運動量があるので、途中から形をいじりたい時には重宝する。

アスレティックの守備は最後まで大崩れせず、サイドで時間を与えてくれるような場面はほとんどなかった。クロスを入れるにしても、待ち構えているところに放り込んでチャンスになる確率はそう高くない。結局は単発でも数で勝負という状態にならざるを得なくなる。

それでも、それを決めるか決めないかは大違い。

83分、ラインの裏に出てベイルのクロスにあわせたのはモラタ。一度はイライソスにセーブされるも、こぼれたところにきちんと詰めて押し込み、待望の勝ち越しゴールを挙げた。

こういう時のベイルのクロスは精度が高く頼りになる。モラタは短い時間ながら、ここぞの場面で集中したプレー。最初の動き出しも良く、こぼれ球に反応した速さも素晴らしかった。

同点にされて以降は、アスレティックが我慢強くプレーし、マドリーはずるずると試合を進められていたが、最後の数分で何とかゴール。これがロナウドやベイルの一発ではなく、途中出場のモラタだったというのが、良くも悪くも今のチーム状態を象徴しているように思える。

■最後に

負傷者が多く、やむを得ない事情ながら、ローテーションしつつまた勝利を積み重ねていけているのは良い傾向。ロナウドの調子が上がってくるまでは彼の周りはもやもやしそうだが、他のプレーヤーが良いところを持って行ってくれれば、それに越したことはない。

今はこうやって結果をつないでいってほしい。

ミッドウィークはコパデルレイ。さすがに主力の多くは休めそう。できればクロースもベンチにしたいが、どうなるか。