レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第31節 vアトレティコ

互いにミッドウィークにCL、ELがある日程。誇りと、狙うべきタイトルの狭間で微妙な調整が必要なデルビーとなった。

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 ■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:ルーカス・バスケスコバチッチ、クロース、ベイル

FW:アセンシオ、ロナウド

 

64分:ロナウドベンゼマ、72分:コバチッチ→モドリッチ、アセンシオ→イスコ

 

負傷のリスクは負いつつバランが先発。コバチッチとベイルが先発し、少しローテーションした布陣。

 

アトレティコの先発メンバー

GK:オブラク

DF:フアンフラン、サビッチ、ゴディン、リュカ

MF:ビトーロ、サウール、トーマス、コケ

FW:グリースマン、ジエゴ・コスタ

 

61分:ビトーロ→コレア、71分:ジエゴ・コスタ→ガビ、82分:トーマス→ガメイロ

 

リーガのタイトルを追うのは事実上かなり難しくなっている。アトレティコも順位、誇りをかけた試合。

 

■4-4-2

ユベントス戦ではイスコが先発し、4-3-1-2でスタートしたマドリー。その賭けに勝ち、4-4-2への変形を本格的に見せる必要なく勝利していたが、今回は4-4-2でスタート。

この形で良い内容のプレーができているのは最近見てきているので、ポイントはコバチッチやベイルが入っても、バランスの良さを生かして良い内容を継続できるかどうかという点になる。

 

近年のアトレティコ戦では珍しくないことだが、基本的にはボールは持たせてくれる。

その状況で、サイドを中心にどうアトレティコ守備陣を打開していくか、というところ。

 

また、アトレティコに速い攻めを許さない守備の徹底と、それ以前の悪い奪われ方をどれだけ減らせるか。

そのあたりを、このメンバーで維持できるかどうかが重要になった。

 

■サイドは思うようにいかず、守備は十分

サイドにボールを振って、アトレティコの守備陣を動かしたいマドリー。

クロースの展開はいつも通りだったが、コバチッチの存在感が薄め。中央で時間を作るドリブルや、サイドに出ての低い位置の組み立てやフォローをこなしてはいたが、いつもに比べるとここではがせる雰囲気がなかった。

ここで深追いしなかったアトレティコの守備判断の良さもあったのだろう、彼の長所が発揮されたとは言いがたかった。

 

ただでさえ同じ形で組み合う両チームだし、アトレティコの守備組織の精密さは何度も経験している通りなので、どこかでギャップをつくっていかなければならない。

攻撃を作っていく段階でそういう変化が付けられなかったことで、アトレティコの守備は両サイドにスライドしながらしっかり対応することが出来ていた。

 

サイドのプレーヤーはどうかというと、こちらも狭いアトレティコ守備陣の中でさほど目立った働きを出来ず。

アトレティコとの対戦でベイルを使う選択は、前後の試合を考えれば違和感はないが、この試合単独で見た場合には相性があまり良くない。

狭いところで変化がつけられないためサイドからのボールも単調になりがちで、中央で跳ね返される展開が何度もあった。

 

ベンゼマがいないのでロナウドが自ら仕事の幅を増やそうとして下がったり開いたりしていたことで、返って中央のターゲットが明確にならず、普段と違う組み立てになったことも影響しているかもしれない。

 

一方、守備面ではまずまず。

アトレティコが狙うような速攻の形で大きなピンチはそれほど多くなかった。

まずい奪われ方がなかったことと、ジエゴ・コスタに収まるところで頑張り、そこで取りきれなければ撤退する意識が統一されていたことの要因が大きかった。

 

■1点ずつ取って無理せず

ボールを持ちつつ膠着した前半を終え、マドリーは53分に先制。ベイルからロナウドへのクロスだった。ベイルのクロスもロナウドの合わせ方もさすが。

 

ベイルのアシストでロナウドのゴールという形は想像がつくが、この逆はあまりイメージができない。

ロナウドがゴールに特化したこともあるし、ベイルがエリア付近で特筆すべきプレーができていないことも影響しているのだろう。

ベイルはできうるプレーを十分しているが、方向性について言えば、今後残留するとしてもロナウドの後継者にはなり得ない。バスケスやアセンシオとサイドのポジションを争い、差別化を図っていくことになりそうだ。

 

アトレティコは57分に同点ゴール。

マドリーのエリア付近での守備がずれたところを見逃ない仕掛けのパスで一気に。先制直後にもったいない守備でまた同点となった。

 

同点後、ジダンはCLを見据えてロナウドを下げた。

この判断は妥当。

スコアレスドローならもう少し粘っても良かったかもしれないが、良いゴールを挙げて気持ちは見せたので、この時点で十分。

ベンゼマ、ベイルが決めるかもしれなかったし、ロナウド自身も何もせず下がったわけではないので、コンディションやプライド、デルビーの価値といった要素の良い落としどころだったと考えている。

 

アトレティコはコレアを投入しサイドの盛り返しを図るが、ジエゴ・コスタをガビに代えて、バランスにも配慮。こちらも無理に結果は追わなくても良いか、といった雰囲気の交代策。

 

時間が進むにつれてマドリーが押し込み、良い場面を迎えていたものの、最後のところで決めきれず。

アトレティコがしっかりリトリートするので、ボールを運ぶことにあまり苦労しなくなって、しかもロナウドがいなくなった状況だから、ベンゼマ、ベイルともにエリア内で待機する時間が長かった。ここで1点取っていれば、個人としても価値の高いゴールになっていたはずであった。

 

ところが、彼らのエリア内での動きのアイデアは多くなかった。

ディフェンスも多い中で待つだけではなかなかピッタリのボールは来ない。押し込んでクロスが何度も入り、コーナーも多かった状況で、前線の働きとしては寂しかったといわざるを得ない。

何か起こせるかという期待は、ロナウドがいなければエリア内がぱっとしないという現実にすぐにかき消されてしまった。

 

■最後に

終盤の流れを考えると勝ち点1はもったいないと感じる一方、試合全体としては結果は妥当だとも思える。

 

CLが大事とはいえ、捨て試合には出来ないデルビーでロナウドを下げつつ最低限の面目を保つ結果になったジダンは、ギリギリの勝負に勝ったといえるかもしれない。

CLに向かいつつ、ロナウドのコンディションにも配慮して、アトレティコに良い結果を持ち帰らせないで終えるという難しい条件を許容できる範囲でクリアしたのだから。

 

ただ、これでCLは落とせなくなった。

デルビーでロナウドを下げる手に多くのマドリディスタが納得できるのは、CLでの勝ち抜けがなってからになる。

これで失敗してしまうと、誇りも捨てて取るはずだった実を逃したということになって、反発は大きくなってしまうだろう。

 

リードは大きいがしっかりプレーして準決勝進出を決めてほしい。