レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CLグループステージ第2節 vマルメ

デルビーを控えたCL。グループステージでもこのあとPSGとの連戦が待っており、勝ち点は取りこぼしたくない一戦。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、バラン、ナチョ、アルベロア

MF:カゼミロ;コバチッチ、クロース

FW:イスコ、ベンゼマロナウド

67分:ベンゼマモドリッチ、73分:コバチッチ→ルーカス・バスケス、84分:イスコ→チェリシェフ

アルベロアが今シーズン初先発。中盤も思い切ったターンオーバーで、カゼミロとコバチッチが先発となった。

■マルメの先発メンバー

GK:ビラン

DF:ティンネルホルム、アルナソン、ベルグソン、ヨトゥン

MF:ロディッチ、レビツキ、アドゥ、ベルゲ

FW:ジュルディッチ、ローゼンベリ

67分:ロディッチ→エイクレム、81分:ジュルディチ→カルバーリョ

勝ち抜けは非常に厳しく、EL行きも普通に考えれば困難なグループに入ったマルメ。どこまで勝ち点を積めるか。

■マドリーの拙攻の原因の確認とこの試合での状況

最近のマドリーの問題は点を取れないこと。引かれた相手をアタッキングサードで崩せず、無為にボールを持ってしまう時間が長くなっている。そうこうしているうちに相手も慣れてきて、時間の経過とともにどんどんやりづらくなる、というのがお馴染みの流れ。

その大きな原因は2つ考えられる。

1つ目は負傷者。

ベイル、ハメスがいなくなったことで、相手は的を絞りやすくなっている。2列目の層はまだまだ厚いが、若く連携面で不安を残すプレーヤーが多く、まったく違和感なくというわけにはいかない。

特にハメスの不在は大きく、この試合で言えばイスコを中盤に下げて使うようなことができない。そのため、慣れない前線で使って少々居心地が悪そうなプレーを強いることとなっていた。

2つ目はサイドと中央のバランス。ベニテス監督になってサイドからクロスを入れることが多くなっており、場合によってはアーリークロスが多く使われるが、それが合うのを待つだけでは効果的に決定機を作ることは難しい。

もちろん、サイド攻撃そのものが悪いというわけではなく、中央を突く攻めとのバランスが大事だということ。ベンゼマをターゲットとして相手のラインの間にボールをいれ、中央を使うことによってサイドが生きてくるし、その逆もあるということである。実力差があればどちらか一方だけでも何とかなることもあるが、基本としては両方使いたい。

こうしたことから、この数週間マドリーは歯がゆい思いをする試合を続けてきたが、この試合では、これらに輪をかけて問題を抱えることとなった。

まず、マルセロが不在だったことにより、左サイドの攻撃が力を失った。

サイドバックでありながら組み立てに参加できるマルセロがいれば、左サイドで繋いで右に振ることができるのだが、アルベロアではそれは望めない。高い位置に進出しても、右足でクロスをあげざるを得ないアルベロアではうまく合わないことの方が多くなる。

さらに、カゼミロを底とし、クロースとコバチッチがその前に入るこれまでに経験のない中盤だったことで、中盤の組み立て能力、ベンゼマへボールを当て、狭い中央を崩す能力は、普段とは比べ物にならないほど下がってしまった。

カゼミロのサイドチェンジは安定していたが、高い位置に進出することになるクロースはぎこちなく、既に底が落ち着く居場所となったと感じられた。コバチッチはボールを持ち上がることはできても、狭い中央に通すパスはモドリッチがずっと優れている。

結果として、中央を狙えないままサイドを使うことが多くなった。

マドリーがサイドにボールを動かした際、マルメは4バックはそのまま維持しながら、中盤のサイドのプレーヤーがマドリーのサイドバックに付いて最終ラインに組み込まれる位置まで下がっており、6-3-1の形となって守っていた。

人数は多いし、人に付いてそのまま動くのでサイドでの受け渡しが発生せず、ずれにくい。まして本来であればマドリーの生命線であると言っても良い左サイドがマルセロではなかったことで、サイドでマルメの守備を崩すことはほとんどできなかった。そのため、最も避けるべき単調なクロスの放り込みが多くなり、丸めに取っては対応しやすい攻めに終始することとなってしまった。

■1回のチャンスをものに

マルメはローゼンベリが何とかすれば人数をかけようかという形。

中盤のプレーヤーも守備に回り、かなり低い位置に入ることもあるので、マドリーの守備が整うまでにそこから出て行ってフィニッシュに至るのはかなり難しい。

蹴り出しては守備をやり直し、マドリーがかさにかかってポジションミスをしたり、危険なボールロストをするのを待つ展開。マドリーは慣れない組み合わせなこともあって、低い位置でのパスミスも目立ち、マルメに付け込む隙と、やれそうだという自身を与えていた。

27分、右サイドのティンネルホルムのロングスローの流れからマドリーが先制。

マルメはロングスローということで陣形を崩していたのに加え、跳ね返された後の対応が悪く、コバチッチに前を向いてボールを持たれることに。中央を走っていたイスコにパスが通った時には、既にロナウドが右でフリーになっていた。イスコは股を抜くパスを通し、ロナウドが落ち着いて決めて先制。

マルメが形を作れそうな場面で失敗し、マドリーは願ってもない速攻のチャンスを得た。ずっと攻めあぐね、これ以降もこれほどすっきりカウンターで攻められる機会はなかったことを考えても、貴重な先制点となった。

■何もない

先制以後、マドリーはこれといったチャンスを作れず。無理をせずボールを動かして時間だけが経過していった。

67分にベンゼマを下げてモドリッチを入れたことで、前線の機能よりも中盤の安定性を高めたことは明らか。その後はコバチッチ、イスコとそれまで攻撃を担ってきた面々を下げて休ませた。

1点差なら何が起こるかわからず、実際後半にはマルメにも良いチャンスが何度か訪れていた。こうした流れを作っておいて、万が一にも追いつかれると、そこからエンジンをかけなおすのは非常に難しい。勝ち点1に留まってはいけない試合でゆるくプレーし、、勝ち点3を得られないままに終わるというのはしばしばあることである。

また、この数週間マドリーは拙攻に悩み、良い内容で終えられた試合がなかったから、この試合でも似たような内容を続けてしまうとちょっと報道が騒がしくなる。

結果としては勝ったのでOKではある。が、それは最低限の課題であって、今後に向けた可能性は何も見られなかった。結局負傷者が帰ってくるまでは低調な試合を続け、たまに勝ち点を落とすのではないか、と思ってしまう。そうした気持ちで見るマドリディスタが増えると、ベルナベウが味方になってくれなくなる。アウェイではあるしデルビーを控えているが、モドリッチやマルセロを起用し、チームの実力差を反映するような結果が出てから下げても良かったのではないだろうか。

ベニテスは現実主義的で、まずは勝ち点を積み上げられれば良いようである。日程をにらみながらローテーションしていることは評価できるし、それに耐え得るチームが与えられてはいるが、この内容を続けて良いのはタイトルを取れる場合、少なくともそれに向けてビッグクラブとの直接対決に勝つ時だけである。

そうでなければ、「ライバルに勝てずタイトルも怪しい上に退屈である」というレッテルを貼られることになってしまう。

ローテーションしていること自体は良いが、今のやり方でシーズンを乗り切るためには、結果を繋げていくしかない。

その意味で、今週末のアトレティコ戦はベニテスにとって大きな試練となるだろう。

コンディション維持のためにここまで退屈な試合をしておきながら結果が振るわなければ、相応の批判をされることとなってしまう。この試合の内容の悪さを正当化できる勝利を挙げられることを祈っている。

■お知らせ

今週末は外出のため、更新が遅れます。

帰宅は火曜日予定ですので、アトレティコ戦については火曜以降に更新とさせていただきます。

大きな試合をすぐに更新できないのは残念ですが、ご理解いただきますようお願い致します。