レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第2節 vバジャドリー

ベルナベウで早くも痛い引き分け。表面上は押しつつも、いつも通りの問題が見受けられる内容となった。

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 ■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:カゼミロ;ハメス・ロドリゲス、クロース

FW:ベイル、ベンゼマ、イスコ

 

57分:ハメス→ビニシウス、68分:イスコ→ヨビッチ、89分:ベンゼマルーカス・バスケス

 

カルバハルが復帰。

ハメスが先発し、インテリオールに。イスコがエストレーモで先発となった。

 

バジャドリーの先発メンバー

GK:マシップ

DF:モヤーノ、オリーバス、サリス、ナチョ・マルティネス

MF:ポーロ、ミチェル、サン・エメテリオ、オスカル・プラーノ

FW:グアルディオラ、ウナル

 

59分:モヤーノ→ワルド、80分:ポーロ→アントニート、89分:サン・エメテリオ→アヌアル

 

昨シーズンは残留したバジャドリー。2シーズン連続の残留を目指すのが当面の目標。

 

■予想を裏切る先発メンバー

先発でイスコとハメスを併用。

ボールを持てる一方で、プレーエリアが中央に偏る点と守備郷土の不安がデメリット。

実際の動きとしては、イスコが中央に絞ることが多く、その分ベンゼマが左サイドの崩しに参加しており、中央でフィニッシュする役割が手薄になる悪循環が起こっていた。

彼らを併用した時の悪い予想通りの動きで、手薄な中央にクロスを入れては跳ね返される攻撃を繰り返すこととなった。

 

前節はオーソドックスな4-1-4-1の形で、スピードのある両翼からのボールを仕留めるという道筋がわかる構成だった。

昨シーズンから使われてきたビニシウスと、現状ではベストな選択肢だったベイルを置いたその形から、今節のイレギュラーな布陣に変えた理由がわからないというのが率直なところだ。

 

予想よりも良かったのはハメスが2列目から出てきてシュートできていたこと。

4-4のブロックを低い位置に置いていたバジャドリーに対し、いいエリアでシュートチャンスを得られていて、前半だけで4本のシュートを記録。モドリッチやクロースとは違うスタイルを出せていたと言える。

ただ、一つも枠をとらえなかったのはいただけない。チームとしても彼個人としても、目に見える結果が欲しかった。

 

■ボールを持て過ぎて

バジャドリーは4-4で守って、いい形で奪えた時にカウンターに出てきた。

マドリーは時折の緩さこそあれ、基本的にはカゼミロの位置まででそれを潰し、ボールを回収して攻撃を継続することができていた。

 

こうした流れが、かえってマドリーには良くなかった。

バジャドリーが出てきてくれればアタッキングサードでスペースを享受することもできたのだが、そのタイミングがほとんどなかったことで、一方的に押し込むことに。ごく狭いスペースを使うか、可能性の低いクロスを蹴りこむしかなくなった。

 

65%近い支配率があって攻める場合、最後のところで攻撃のスピードを上げる工夫が必要だが、今のマドリーにはそういうものはない。ほどほどの支配率でミドルサードでやりあうような展開からスピードアップする試合展開の方が望ましい。

マドリーは適度にボールを手放した方が攻撃がうまくいくが、それができず、またイスコとハメスの併用というポゼッション寄りの布陣も相まって、「持たされる」展開になってしまった。

 

裏を返せば、バジャドリーはうまくボールを捨て続けることに成功していたということ。ブロックが崩れた危ない場面でマドリーが奪い返せたのはほんの数回。マドリーの攻撃はブロックの外側に制約されていた。

前述の通り、ハメスのシュートといった形はあり、決めてほしかった場面はあった。それが決まらなかったことで、バジャドリーが支配率とは裏腹に時間経過とともに自信をつける展開になってしまった。

 

■交代で正常化するも

こうした展開だったから、ビニシウスを入れ、それぞれ利き足のサイドに両翼を置いてクロスを多用、中央のターゲットを2枚確保するためヨビッチを入れる交代は自然に思える。

意地悪な言い方をすれば、先発の組み合わせに失敗したのを交代で取り戻しただけではある。が、点を取りたい場面で使える駒がいるという事実は重要。こうした展開で中盤からいじるのは迂遠だ。直接的にゴール前のシーンを作れる交代ができるのはありがたい。

 

さて、前半と比べると中央に常に2枚いることの期待感はあった。

バジャドリーは警戒を強めることとなり、対応が変わることに。先制点の場面ではクロスへの対応をしようとしたところ、低いボールがラインの前に入ってきたことでベンゼマがスペースを得ることになった。

厳しい体勢ながらも、シュートコースを確保するベンゼマの技術は素晴らしい。しっかり枠内に入れた。

 

1点を争う試合となったので、攻撃的な両翼では不安とバスケスを入れようとしていた矢先に、クロースがボールを失ってショートカウンターで失点。

先制した後、無理せずボールを動かすことに集中すればよかったのだが、もう一点取るのかどうか、意思統一がなく間延びしたところをやられた。

 

バジャドリーは本当に数少ない攻撃機会をしっかり形にしており、ここで報われた。マドリーとしては致命的な場所と時間帯。

どうせならもっと早くこうしたバタバタした展開になっていた方がよかった。それなら最終的に決定力で上回る可能性が高いからだ。それを、しっかり守られて、何とか得た先制点の後に追いつかれるということになってしまったのだから、悔いが残る。

 

残り10分弱はバジャドリーがしっかり試合を閉じた。

マドリーはパワープレーにも出たものの、最終ラインは崩せずに終わった。

 

■最後に

前半を無駄にした感は否めない。

少ないターゲット、狭いスペースを狙う難しい攻撃を強いられた理由は自分たちによるところが大きい。

 

押し込んでからアタッキングサードでアイデアを出し得点を取る戦術、戦力にはなっていないのだから、これまで通りシンプルにクロスを仕留める確率を高めていくべきではないか。

今節は、以前のイスコシステムと同様、チームに見合わない形を選んで失敗したという印象だ。

 

希望は、この失敗からジダンを筆頭にチームが学ぶこと。これを続けても難しいという認識ができれば、幸いシーズンは始まったばかりだから修正は可能だろう。