レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第30節 vラージョ

時間が経ってしまったので、簡単に。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:クロース;モドリッチ、ハメス・ロドリゲス

FW:ベイル、ベンゼマロナウド

72分:ベンゼマ→イスコ、89分:ハメス・ロドリゲス→ナチョ、ベイル→チチャリート

ハメスが前節に引き続いて先発。

■ラージョの先発メンバー

GK:コベーニョ

DF:ティト、アマヤ、ゼ・カストロ、マルティネス

MF:トラスオラス、ファタウ;カクタ、ブエノ、エンバルバ

FW:マヌーショ

57分:ファタウ→サンチェス、69分:ブエノ→ミク、81分:エンバルバ→アキーノ

個性的なスタジアムがホームのラージョ。良い内容で中位につけている。

■イスコとハメス

前節からハメスが復帰し、今節も先発。彼の負傷離脱中に先発を続けていたイスコと同じように、中央で上下するのはもちろん、サイドに開いてボールを受けることも多いが、違いは球離れ。

自力で持ち上がり、バイタルへ入っていくことが多いイスコに対し、ハメスは早めに周囲に預けて動く。低い位置から持ち上がるイスコのプレーはボールを運ぶ上で貴重だが、ボールは動かなくなるし、彼が引っ掛けられてしまうと一転してピンチになり得る。実際そうした場面はこれまでに何度かあり、彼のそうしたプレーはチーム事情から来る要請とはいえ、シンプルに捌いてしまってほしいこともあった。

イスコのそうしたプレーのお手本として、モドリッチがいる。

低い位置でのモドリッチは、決して危ない奪われ方はしない。複数で囲まれる状況でもするするとかわし、その後に持ち過ぎることもなく、的確に縦パスを供給して攻撃のスピードを上げてくれる。高い技術と、それに固執しないパス供給は、中盤のプレーヤーの完成形の1つと言える。

そのモドリッチが復帰し、ボールを運ぶプレーを担ってくれるようになったことで、その隣にいるイスコのポジションがその役割を分担する比率はそれ以前に比べ低くなった。モドリッチがいる場合、そのパートナーに求められる役割は、より高い位置でのものにシフトすることになる。

そうした時に、ハメスの球離れの良さは貴重。

ベンゼマは例外としても、ボールを持ちたい前線のプレーヤーばかりなので、彼らに簡単に預けてくれるハメスのプレーは前線にリズムをもたらす。その中でゴールに直結するパスを出してもくれるので、チャンスが作れず停滞気味だった攻撃陣にとって、彼の復帰は大きかった。

シーズン終盤に差し掛かるこの時期に、コンディション良く復帰してきてくれたこともチームにとっては大きなプラスで、アンチェロッティの中盤の選択肢が広がるだろう。

もちろん、イスコには変わらない期待をかけている。

プレースタイルの違う2人が、チームに貢献してくれれば、チーム全体の力は大きくなる。今は復帰してきたハメスの良さが目立っているが、それぞれの良さを出してくれれば。

■我慢できるようになったマドリー

前節はグラナダに対し9得点の大勝。気が緩んでしまいそうな試合だったが、悪い予感に反し集中力を保って試合に入れていた。

狭いバジェカスのピッチをどう生かすかを、ホームのラージョはしっかり心得ており、中盤でのプレスとそこからの速い展開を意識していた。また、危なければマヌーショを目掛けてロングボールを使うこともでき、危機管理は問題なくできる形。

ラージョの素晴らしい点は、ともすればマヌーショを頼みたくなるような状況でも、そうしたプレーではなく、きちんと繋いで攻める選択をするということと、それが無謀なものではなく成立していたところ。

攻撃面では良い印象の中盤と前線だが、守備面ではやはり不安を残す。ラージョがうまくボールを動かし、サイドを突いた時は、難しい対応を迫られることがしばしばあった。

こうした拮抗した試合で、前節の結果もあってか、早く何とかしなければならないという悲壮感が出なかったのは良かった。

1月から2月にかけてであれば、前半に点が取れないと焦りが見えるような状況だったのだが、この試合では後半に入っても落ち着いてプレーできていたように思う。

精神的な落ち着きがなければ、プレー選択を間違うことにもなるし、良いことは何もない。こうした試合で精神面から崩れていかなかったのは、これまでとの大きな違い。

先制は68分。カルバハルが右サイドをえぐってロナウドへ。フリーでエリア内に入っていたロナウドが落ち着いて決めた。

73分にはそのロナウドからハメスにパスがわたり、ハメスはサイドネットに巻いて入る美しい弾道のシュートを決めた。シュートコースはかなり狭かったが、高い精度でゴールへ。パスしたロナウドの喜びようも、一体感を感じさせてくれた。

70分近くまで我慢して来た甲斐があり、5分で2ゴールを挙げてラージョを突き放し、日程的にもスタジアムとしても厳しい試合で勝ち点3を得た。

■最後に少しだけ

引き分けも覚悟しなければならないようなミッドウィークだったが、チームとしての復調を感じさせる内容で勝利。リーガのタイトルに向けてはもちろん、今シーズンの終盤全体を見据える上でも重要な結果だった。

次の山場であるCLアトレティコ戦に向け、怪我なく、このまま良い流れを保っていってもらいたい。