レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

ベイル移籍についてのまとめ

膠着していたベイルの放出について、ようやく動きが出てきたので、状況をまとめておく。

 ■ここまでの経過と課題

当初、マドリーはベイルで多少なりとも移籍金を得られるような取引を望んでいた。

また、ベイル側もレンタルを望んでいなかったようで、この点においては両者の思惑は一致していた。

 

しかし、コロナウイルス感染症の流行により状況が一変。

実績はあるが負傷がちな彼について、年俸と移籍金を支払うリスクを取ってくれそうなクラブは皆、無理しない振る舞いとなった。

そこでマドリーは移籍金を諦め、年俸の負担を減らすレンタルで手を打つことに路線を変更。さらには、一部報道で年俸の半額までは負担するところまで条件を下げて、オファーを待つことになった。

 

問題は、ベイル側に年俸の減額を受け入れる意思がなかったこと。

1500万ユーロほどと言われている彼の手取り年俸を考えると、半額でも手を出せるクラブは限られ、彼の年俸が大きな障壁となっていた。

 

■状況の変化

状況が変わったのは、ベイル側がレンタル移籍も受け入れたあたりからと思われる。

 

前述の通り、マドリーとしては早々にレンタル移籍も受け入れることとしていたが、ベイル側がレンタルを好んでいなかった。

戦力外の扱いとなってレンタルで居場所を探すとなると、キャリア末期の雰囲気が漂う。今後の復活を目指すならば、この判断は理解できる。

 

しかし、ベイル自身が「プレーしたい」とメディアで述べていたのに、このまま条件を下げずマドリーに残留することとなると、丸2シーズン戦力外の扱いで過ごしたこととなる。外部からは好条件のクラブで安穏としているようにも見られるだろうから、言行不一致でさすがに評判が悪くなる。

 

リーガタイトルを取ったこともあって、ジダン体制が早期に終わる可能性も低くなり、マドリー残留で彼の価値が高まることがないとの判断があったのだろう。

 

トッテナムとのパートナーシップ協定

移籍先としてイタリア行きも少し報じられたが、言葉の問題があり、もともと可能性はさほど高くなかった。イングランドが最も妥当な行き先と考えられる。

マンチェスターユナイテッドは資金力があり、ベイルのようなプレーヤーを受け入れるクラブとして、プレミアの中ではあり得る選択肢ではあった。

 

ここで、マドリーとトッテナムのパートナーシップ協定について思い出す必要がある。

2012年、モドリッチの移籍の際に付随して締結されたこの協定は、具体的な中身がよくわからないもので、ベイルの獲得についての優先交渉権程度かと思っていたものだ。

 

その後実際にベイルの移籍も実現したが、協定はそれで消滅するものではない。現在も有効なものと見るのが自然だ。

対等なパートナーシップ協定であるから、マドリーからの移籍についても、トッテナムに優先交渉権があり、ベイルの移籍を検討するならば、マドリーはまず第一にトッテナムに声をかけることになる。

 

トッテナムは現在モウリーニョが率いており、ベイルのような縦に速いプレーヤーは彼好みだ。

最初に声をかけて、話が進展する可能性は高い相手だったと言える。

傍目には内容がよくわからなかった協定がうまく生きたとすれば、あの時のやり取りがここでまた実を結んだことになる。

 

■マドリーの合格ラインは年俸負担なし

問題はトッテナムが彼の年俸を負担できるかどうか。

この点については、トッテナムが英雄の帰還という話題性も含め、費用対効果をよく考えることになるだろう。

 

マドリーとしては、トッテナムが100%の年俸負担で移籍なら満点の結果。

50%ずつでも仕方ない状況だが、まずは年俸負担しないで済む合格ラインを目指してほしい。

直近では、年俸負担なく、結果に応じたインセンティブもつくかもしれないとも報じられており、もしそうなれば120点の結果となるが、さて、どの程度の条件で落ち着くだろうか。