レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

中盤の補強はベイル次第

モントリオールでのキャンプが始まって既に1週間ほどが経過したが、7月に入ってからの補強に目に見える進展はない。

中盤にポグバやエリクセン、ファンデベークといった名前は挙がっており、特に前の2名についてクラブ間でやり取りがあったことはおそらく事実だ。ポグバは移籍金の高さが課題で、エリクセンも契約年数が1年となった今どの程度の値段なら妥当かという議論を呼ぶポイントがある。

アザールが1億ユーロ程度であったという近い前例もあることから、値段については駆け引きがあるものと推測される。

 

それに加えて状況を複雑にしているのは、ベイルの取り扱いが絡んでいるから。

今回はその点について少し触れておく。

マンチェスターU

 マンチェスターU.との関係において言えば、少なくとも彼らはポグバの売却を積極的には望んでいないことから、相応の移籍金を提示しないと合意に至らないということが前提にある。

また、元値が1億ユーロ近かったベイルを投げ売りはできないマドリーにとっても期待が持てる交渉相手である。

マドリーもマンチェスターU.も、互いの希望に近い額を提示してそれぞれ合意に至る可能性があり、実質的にベイル+金銭の形でポグバと契約する解決策が考えられる。

 

ベイルの年俸をそのまま負担してくれそうなクラブでもあり、条件を下げてまで移籍したくないベイルにとっては条件がいい相手であるとも言える。

 

課題は、マンチェスターU.側にベイルを受け入れる世論ができるかどうか。

似たような高給取りのサンチェスを抱えていて、さらに稼働日数が未知数のベイルを引き入れることについて否定的に捉えられることは容易に想像できる。

まして、事実上のトレードとなった場合はそれなりの移籍金も拠出することになることから、拒否反応が強くなることになるだろう。

 

トッテナム

トッテナムとはエリクセンの交渉があるが、こちらはポグバに比べれば金額が小さい。

ベイルについてもそれに比例する形で移籍金額は少なくなるだろうし、年俸も低めの額で飲む必要がある。

この点で、ベイルを何としてもうまく出したいマドリー、条件を下げたくはないベイルにとって、望み通りの交渉相手とは言い難い。

 

ただし、トッテナムとはモドリッチ移籍時のスポーツパートナーシップ協定があることが重要なポイントになってくる。

ベイルのマンチェスターU.行きについては、先にトッテナムにお伺いを立てる必要があるし、同協定により互いの利益を図る観点から、マドリーはエリクセンの移籍金を割り増して支払い、トッテナムはベイルを引き取るという地点で合意する可能性が残されているのだ。

 

マドリーはベイルの移籍金には多くを期待しておらず、それなりの値段がついて年俸負担がなくなれば十分と考えている節がある。そのために必要な「経費」と考えれば、ポグバやエリクセンにかかる移籍金は多くない方が良い。

まして、やってくるポグバの取り扱いが難しいというリスクも考えると、トッテナムの線も十分に考えられる。

 

一番の問題はベイルの年俸が大幅に下がるだろうこと。基本的にはベイルは減俸を受け入れないので、古巣復帰ということでそれを覆せるかというところ。ただ、こういう感情面でのカバーを前提条件にして期待するのは曖昧に過ぎる。

ベイルがトッテナムに戻ることをどの程度重要視しているかわからないからだ。

 

■まとめ

このように、いずれの場合でもベイルの放出込みで交渉がなされることから、交渉の成否はベイルの決断によるところが大きい。

逆に言えば、ベイルの去就が決まれば、そのクラブとマドリーの補強についての交渉でも一定程度まとまることを意味するので、その2つの話題は関連付けてみておくべきだろう。

 

マドリーにとって最悪なのは、どこも引き取ってくれず残留となること(来夏以降の移籍金がさらに下がる、戦力外のプレーヤーに高額の年俸を負担し続けるといったデメリットがある)なので、補強の交渉に絡めて成立させてしまいたいところ。

まだしばらくかかりそうなので、つまり中盤の補強の発表もまだまだ先ということになる。

 

昨シーズン分では速やかに補強を進めたマドリーだが、ここから先は長い夏になるのかもしれない。