レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

セバージョス、モラタ、ダニーロ

移籍のニュースを追えていなかったので、決まったものをまとめて。

■セバージョス

U-21の代表戦以降一気に評価を高めたセバージョスと契約。ベティスに対しては設定された違約金を少し上回る1600万ユーロ程度を支払った。

彼との契約には、バルセロナに行かれるよりはという思惑が前面に出ているように見受けられ、厳しい中盤のポジション争いが更に激化することになりそう。

それでもマドリーを選んだのには、ジダンが相応のプレー時間を与えてくれるはずという期待もあったようで、シーズン後半のジダンの采配の賜物とも言えるだろう。

人材が多い中盤だが、2000万ユーロにも満たない額で自国の将来を担い得るプレーヤーを加えられたことは素直に嬉しいし、期待したい。

同世代のアセンシオとマドリーを支える存在になってくれれば。

■モラタ

セバージョスが困難なポジション争いを覚悟の上で加入した一方、モラタは先発の座を求めてマドリーを離れることとなった。

当初はマンチェスターU.が移籍先の筆頭候補といわれていたが、ルカクとの契約により事実上可能性がなくなっていた。その後、ジエゴ・コスタの去就が不透明なチェルシー行きの可能性が高まり、一気に正式契約となった。

移籍金は8000万ユーロとインセンティブで、スペイン人としても、マドリーから移籍するプレーヤーとしても史上最高額。マンチェスターU.行きがなくなったため、買い叩かれてもおかしくない状況の中、この金額で成立させたのは見事。

モラタはベンゼマの控えでありながら、チーム2位の得点を挙げた。その実績は確かだが、最前線のチャンスメイカーであるベンゼマの代わりになるには、スタイルが違いすぎたというところ。CLアトレティコ戦の3人抜きのようなプレーはベンゼマならではで、今のチームのバランスから言ってそうそう置き換えられるものではなかった。

その意味で、スコアラーとしてのポジション争いの相手はロナウドだったとの指摘は的を射ていると思う。

いかに素晴らしい活躍を続けるロナウドとはいえ、32歳の彼の後継問題が浮上するのはそう先のことではなく、もう少し粘ればモラタにもマドリーでより大きな未来が待っていたかもしれない。

まして、彼はカンテラーノで、マドリディスタから通常以上の後押しを受けられる。少なくとも新シーズンは昨シーズンと同じ立場で始まるにせよ、どこかで世代交代が起こるきっかけがあってもおかしくはなかった。

ただ、それも仮定の話。相応の実力があれば常時先発したいと思うのがプレーヤーの心情だろう。マドリーの外に活躍の場を求めた彼の選択は理解できる。

カンテラーノとしての愛情を受けられなくなる分、チェルシーではより結果を求められる立場になる。その点ではマドリーとは違った競争の厳しさがあるだろうが、そこに漕ぎ出していく勇気と決断を尊重したい。

控えの立場でありながらこれほどの移籍金を残してくれたことにも感謝したい。買い戻し直後は6000万ユーロで即転売とも報じられていたが、マドリーでの経歴を経て2000万ユーロ以上の上積みをしたことになる。それも立派な貢献の仕方だろう。

これでマドリーへの義理は果たしてくれた。今後はチェルシーでの幸運を祈りたい。

ダニーロ

ダニーロは3000万ユーロ程度の移籍金でマンチェスターC.へ移籍となった。

加入時から今シーズン途中までの評価からは考えられないほどに、今オフになって一気に人気銘柄となったダニーロ。シーズン終盤のカルバハル離脱時のプレーの印象は良く、継続して出場機会があればこれくらいはやれるというイメージがついた。

元来守備よりも攻撃のプレーヤーでありながら、なかなか出番がないために攻撃も噛み合わず、守備もばたつくという悪循環は厳しいものがあった。

カンテラーノで実力も申し分ないカルバハルの立場が強固過ぎて、ダニーロの印象が過度に悪くなっていたことは否めず、マドリーとしては生かしきれなかった面があるようにも思う。

やむを得ず左サイドバックで起用された時に平均以上のプレーをしてくれることもあり、使い方によってもっとチームの力になってくれるプレーヤーになったはずで、彼の放出には少し悔いが残る。

ただ、これだけ不遇の時期が長かったにも拘らず、加入時の移籍金と余り変わらない額(加入時は3500万ユーロ程度)を置いていってくれたのはありがたい。彼にとってもシティへの移籍が新しいステップとなれば。

■しっかり売れたことが大事

モラタとダニーロが報じられていた通りに移籍した。

一時期のマドリーは加入は早いものの売却に手間取り、結果8月末にバーゲン価格で手放さざるを得なくなることがしばしばあったので、そう考えると、この時期に不満が出そうなあたりをきちんと整理できていることは大きな進歩。

移籍金も期待される程度を確保できているので、この先市場で動きは取りやすくなるだろう。

手薄なセンターフォワードと、ペレス会長念願のGKが焦点になるだろうが、報じられている通りのムバッペ、デヘアとなるのか、別の候補となるのか。ここまではうまく立ち回っているので、8月も良い準備が出来れば。