第34節はホームでアスレティックと対戦。
ビジャレアルが引き分けか負けるかすれば(招集リストの記事では敗退すれば、と書きましたが誤りです。ごめんなさい。)、マドリーが勝利した段階で優勝が決まる試合だったのだが、
ビジャレアルがベティスに勝利したため、残念ながら今節の優勝確定はなし。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
戦前の報道通り、サビオラが先発出場し、ロビーニョも先発に復帰。
両サイドバック、そして出場停止明けのグティの先発。攻撃的な構成と言っていいだろう。
■アスレティックの先発メンバー
GK:アルマンド
DF:イラオラ、グルペギ、アモレビエタ、コイキリ
MF:ハビ・マルティネス、ガルメンディア、スサエタ、ガビロンド
ドーピング問題で2年間の出場停止処分を受けていたグルペギが復帰。
ハビ・マルティネス、スサエタといった若手は注目株。
高さのあるジョレンテへの対処がマドリーには必要だろう。
■縁の下の功労者ガゴ
マドリーには高い位置で相手を挟みこもうという意図が見られた。
FW3人とグティ、スナイデル、サイドバックの一人(または両方)が攻撃に参加するような状況が続くから、ボールの喪失時、人数の多い前で追いまわしていくのは正解だろう。
また、その発想に見合うだけの運動量があった。
ガゴがバランスをとりながら動いているのも大きい。
網から逃れてきた相手を、基本的に最初に捕まえる位置にいるガゴがしっかり攻撃を遅らせて、味方の帰陣を助けていたと思う。
中盤3人がみんな突っかけてしまうのは余りに怖い。こうした存在がいればこそ、グティとスナイデルは攻撃的に振舞える。
13分、ラウールが抜け出し、シュートするが、アルマンドがセーブ。リバウンドをつないでロビーニョが再びシュートし、こぼれたところをサビオラが詰め、先制。
サビオラらしいゴールで、早い時間帯に先制することに成功。
アスレティックも、前節バレンシアを沈めたのと同様に、素早いチェックが主体。
マドリーの中盤は、パス回しに不安がある構成ではないが、チェックされ続けることは気分が良いものではない。
ましてスコアは1-0。ちょっとしたきっかけでリズムを失って追いつかれることはあり得る。
35分、ガビロンドのセンタリングにジョレンテが合わせようとする。
この動きにエインセが置いていかれ、PKを献上。
高さがある相手に対しては、少し離しただけで致命傷になってしまう。
ガビロンドのPKはカシージャスがセーブして事なきを得たものの、今後も集中力を欠かしてはいけない。
前半は1-0で終了。ボール支配率はマドリーの56%。シュート数は両チームともに5本ずつ。
良い状況でボールを持てるようになったのは、ここ数節の進歩。
サビオラがよくボールに絡んでいる印象。
■追加点と守備の踏ん張り
後半開始時点での交代は両チームともなし。
47分、サビオラがスナイデルのパスを受け抜け出したが、アルマンドがセーブ。
裏を狙う動きにスナイデルがいいパスを供給している。
両チームとも、前半からよく走っていた分、時間が経つにつれスペースができがちになってくるのは仕方ないところ。
勝ち点を稼ぐためには攻めざるを得ないアスレティックの裏を狙うのがマドリーの方針となりそうだが、上がったまま帰ってこられない選手が増え、ガゴの守備面での負担は増える。
マルセロの飛び込んでしまう癖も、疲れてくると目立ってきてしまう。
63分、アスレティックはエチェベリアに替えてダビド・ロペス。
前線に新しいエネルギーを加える。
72分、マドリーも攻撃陣を替える。
交代直後の74分、右サイドでボールを持ったグティからイグアインへロングパス。
少ないタッチの美しい速攻で2-0とした。
何度かあった速攻の機会をものにできていなかったが、これで余裕ができた。
77分、自陣からのエインセのパスが中盤に納まらず、アスレティック最終ラインの裏に流れたところをイグアインが拾い、そのまま持ち込んでゴール。
アスレティックの集中力が完全に切れていたところで、試合を決める3点目。
イグアインは前節に続いて2試合連続のゴールを記録した。
79分、ガビロンドに替えてあアドゥリス。さらに80分にスサエタに替えムリージョ。
87分にはマドリーがスナイデルに替えてドレンテをピッチに送り出し、両チーム交代枠を使い切った。
79分、コイキリからのパスを受けたアドゥリスのヘディングをカシージャスがファインセーブ。
こうした試合の終盤で無駄な失点をしなかったことも良かった。
終盤はかなりスペースを空け、攻め合うような形も増えたが、ガゴとセンターバックを中心とした守備陣の踏ん張りで、3-0のまま試合終了。
カシージャスのサモラ賞に向けても、嬉しい結果となった。
■優勝まであと一歩
今節はサビオラ、イグアイン、ロッベンとシュスターの選手起用がズバリ的中した。
ホームで内容ある勝利を挙げ、優勝に向けまた一歩前進。