上位との連戦山脈最後の一戦。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
FW:ラウール、フンテラール
56分:フンテラール→ドレンテ、78分:ラス→ファン・デル・ファールト、90分:ロッベン→メッツェルダー
左太ももに違和感を訴えたグティを外して18人に。ペペ、エインセが復帰して最終ラインが復活。ロッベンが右、スナイデルが左でファンデ・ラモス定番の4-4-2を作って臨む。
■ビジャレアルの先発メンバー
GK:ディエゴ・ロペス
MF:セナ、エグレン;カソルラ、ピレス
FW:ニハト、ロッシ
46分:ニハト→ジョレンテ、70分:セナ→イバガサ、78分:ピレス→カニ
こちらも4-4-2。豪華な中盤。セナ、エグレンのコンビとガゴ、ラスのコンビの対決になる。
■守備から主導権を
マドリーのプレスの良さが序盤から際立った。2トップが最終ラインを追い立てて、中盤でガゴとラスを中心にボールを奪う。ラスの運動量と球際の強さはこれからもガゴを大いに助けるだろう。
ラインを高めに保ってプレスをかけるファンデ・ラモス印のディフェンスでビジャレアルに形を作らせなかった。
攻撃はロッベンがいる右サイドが中心。ビジャレアルは常に2人以上がロッベンを見るようにして対応。ドリブルは1対1では止められそうになかったので妥当。そこでセルヒオ・ラモスの上りが活きる。どちらか一人なら孤立する場面で、もう一人の存在をうまく利用していた。
左サイドがスナイデルなので「両翼」という感じにはならないが、「まずはサイドから」という発想がよく見えた。
もう一人の新加入フンテラール。
こちらはボールを受ける動きが目立った。柔らかいタッチはさすがといったところ。ゴール前でボールに触れる機会があまりなかったのは加入して間もないということでしかたないか。40分のセルヒオ・ラモスからのクロスを受けたシーンで、ディエゴ・ロペスに防がれていなければ一回のチャンスをものにしたことになっていたけれど、そこまで良い展開にはならず。
先制点は31分。ロッベンが上がってきたセルヒオ・ラモスを囮にして中へ。フェイクを入れてからシュート。普段だとふかしたりしてしまうところだが、今回はきれいに巻いてゴール。
前半はマドリーのプレスが機能したまま終了。きっちり支配できている。
■ビジャレアルの反撃
後半はビジャレアルが内容を改善した。
ピレスがよくボールに触って、カソルラやフォワードにボールを供給できていたのが大きい。ここでボールをとれていたのが前半のマドリーだったのだけれど、疲れもあってか、前半と同じような勢いで追うことはできなかった。
むしろ、攻められるようになって士気が上がったビジャレアルの方がよくマドリーのボールを追いかけるようになった。ボールの扱いがうまいペペがいて助かる場面がかなりあった。
フンテラールは56分で下がり、ドレンテが登場。ラウールをトップに残し、ロッベンとドレンテがサイド、スナイデルが中央の4-2-3-1。中盤を厚くし、両方のサイドを活かす形。
ビジャレアルの攻勢に対して、トップのラウールまで下がりがちになってしまうのは仕方ないところか。カウンターでロッベン、ドレンテを狙う形はわかるが、それにしてもちょっと窮屈になりがち。
ラスはさすがに疲れたようでファン・デル・ファールトと交代。中盤での守備を考えればたぶん下げたくはなかっただろう。今日のガゴとラスのコンビの出来は素晴らしかった。
ただ、守備に関しての意識付けがかなりなされているようで、どの選手もきっちりボールを取りに行っていたのは良かった。ガゴとラスのどちらかがいなくなったらガクッと来るのでは困る。
スナイデルが何本か決定的場面を迎えたがディエゴ・ロペスがセーブ。マドリーもカシージャスがきっちり守り、1-0のまま。
最後は念を入れてロッベンを下げ、メッツェルダーを投入。まさに守り切る形で2009年最初の試合に勝利した。
■中盤の悩み
プレスのかけ方が以前と違う雰囲気を感じさせた。攻撃だけでなく、守備から主導権を握れるようになれば楽になる場面が増えるだろう。
今日はいなかったグティをどう使うかは今後の楽しみでもあり、悩みでもあり。サイドでは使わないだろうし、ガゴとラスのコンビの良さを見せられた今、中央でどう使うか。それとも1トップか。
次節はマジョルカとアウェイで対戦。しばらく週一試合のペースが続く。