レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

敗退後によくある話

招集リストにグティが入らなかったことに関して、触れておくべき記事を。

■経緯

元の記事はスポルトで、ここで採用するのはjumpinさんが要約してくださっているものです。

CL敗退が決まった後にこういう情報が伝わってくるというのは、ありがちな展開だし、一番槍玉にあがるのが攻撃の頼みの綱だったロッベンだというのもわかりやすい。

そして今日の試合後に「選手間に問題はない」という発言が出るところまでが、一つのよくある流れだ。

問題が何もない、ということはないだろう。多分、勝っている時でも、パスを出さないロッベンに苛立つ選手はいる。勝っていれば胸の内に収めておく言葉が、負けると出てくる、というだけのことだ。

■監督の対応、立場

とはいっても、対応はしなければならない。

良い大人なのだから、選手同士が自発的に話をして折り合いがつけば一番いいのだが、そうならない場合に出てくるべき監督、ファンデ・ラモスの立場に問題がある可能性がある。

記事では、グティロッベンとの対立のために招集リストから漏れたように書かれているが、こうして、「どちらかを排除してしまう」やり方が手っ取り早く、使いやすい方法と言える。

しかし、チーム内の火種を消さずに遠くへ放り投げただけで、長期的にはまたその火種の処理をしなければならないのだから意味はない。むしろ時間が経ってしまって火が強くなってしまうこともある。

だから監督に指導力を発揮してもらって話し合うのが一番いいのだけれど、今シーズン終了までの契約で、選挙のために自分の契約延長もどうやらなさそうだという雰囲気の中で、ファンデ・ラモスがどれだけやってくれるのかはわからない。

プロならば契約満了までしっかり仕事をしてほしいが、ゴタゴタしたクラブ事情を承知で半年引き受けてくれた彼を強く責めることはできない。

それに、「この件に関して何も対処していない」という証拠はない。勿論「何か対処をした」という確たる証拠もないが、それは、「チーム内の揉め事を直接外部に漏らさない」という監督の基本を守っているから、とも考えられる。

個人的には、「何もしていない」ということはないだろうと思うけれど、今日の試合にもグティを招集しなかったことを見ると、チーム全体に関わる、根が深い問題で解決に時間がかかるのでは、と思ってしまう。

■今後

「パスを出さないロッベン」という事は、今のチームが抱える課題を象徴していて、これが今のチーム全体に関わる問題となっている。

個の力で局面を打開できるのがロッベンだけで、彼のプレーに助けられた試合は多くある。今シーズンのリーが逆転優勝に向けて戦うためには、彼の存在は欠かせないものとなる。

けれど、ボールが回らない、走ってもパスが出てこない、ということに長く我慢できる選手ばかりではない(ロッベンを何度も追い越すセルヒオ・ラモスの心境やいかに・・・)。また、彼に頼るような攻撃から脱却してもらい、ポゼッションで相手を崩す攻撃を望むファン(私も含め)はかなりいるだろうと想像する。

頼れる存在だけれど、「チームとしてどう発展させていくか」という点については問題がある、というジレンマを抱えてしまっている。

グティが代わりに入った時に、パスが回ってチームとして良い攻めができた。

だから対立項が彼なのだが、じゃあどちらかを排除してしまう(来シーズン以降について言えば移籍させてしまうということ)のが正しいのか、というとそれには大変な決断が必要だ。

カウンター主体ではファンの支持を得られず、結局短命な監督を並べることになるならば、マドリーらしいポゼッションを目指していってほしいが、そのために”カウンターフットボールの象徴”としてロッベンを扱うのが良いとは思わない。

局面での彼の突破力は貴重だし、スタイルが変わろうとも有効な使い方ができるはずだ。