あわただしくて更新が遅れています。申し訳ありません。とりあえず、直近の第18節、ビジャレアル戦から上げようと思います。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
FW:ベンゼマ
46分:ラス→ケディラ、69分:アルビオル→カカ、80分:ベンゼマ→ガゴ
ペペが負傷中のため、アルビオルがセンターバック。ラスはケディラからポジションを(一時的かもしれないが)勝ち取った。
形はおなじみの4-2-3-1。
■ビジャレアルの先発メンバー
GK:ディエゴ・ロペス
DF:アンヘル・ロペス、ゴンサロ、カタラ、カプテビラ
MF:ブルーノ、バレーロ;カニ、カソルラ
FW:ロッシ、マルコ・ルベン
61分:アンヘル・ロペス→マリオ、64分:マルコ・ルベン→ムサッキオ、72分:カニ→オリオル
3位のビジャレアル。好調を支えていた2トップの一角、ニウマールが負傷したため、代役にマルコ・ルベン。
ポゼッションを支えているのはバレーロ、ブルーノのピボーテ。
■ラス、一長一短
ラスが入ったドブレピボーテ。ラスの良さはスペースを埋めることよりも、人に絡みついた時に発揮される。ボールホルダーに寄っていって、ファールなしでボールを奪うのが本当にうまい選手である。
前提として一つ考えなければならないことは、前線の守備が徐々に気まぐれさを増してきているのではないか、ということ。
以前は、守備をある程度までは免除されているとはいえ、ロナウドが追うこともあったし、イグアインもエジルがボールを追い回す後のことを考えて動こうという意図はあった。それが、だんだんとフワフワしたものになってきている印象がある。
ほとんど固定されたメンバーで戦ってきた疲労と、イグアイン不在によるロナウドの役割の変化、より得点に比重を置くようになっているように見受けられることが原因ではないかと思うが、今後も続けてみていかないとわからない。
この試合でも、ベンゼマがいつになくボールを追い回し、外に出た後のボールを拾ってピッチに戻すような場面もあって、普段は外に出さないガッツを見せていたが、悪く言えば場当たり的であった。
ロナウドの守備免除の割合も挙がってきていて、バランスを取って前からプレッシャーをかけるのはとても難しい状況になってしまっていた。
ビジャレアルのドブレピボーテ、特にバレーロはプレッシャーがかからなければ、前線に確実にボールを供給できる。もらって捌いて、というのがうまい。
さらにカソルラ、カニの中盤、前線のロッシは適宜バイタルに入ってきて、ディフェンスにつかれないポジションでボールを受けることができる選手たちである。
パスの名手と良い受け手がいるビジャレアルの攻撃に対して前線からのプレスが掛からなければマドリーピボーテの守備での出番は多くなる。
そこでラス。バイタルで受けるカソルラやカニにつきに行く。が、狭いところから展開することができるビジャレアルはマルセロの左サイドで1対1を作ることが出来ていた。
ラスが出て行ったことで起こったドミノ倒しにより、ポジションはずれている。ラスのところでボールを奪えない時に、マドリーはとても危険なスペースを与えてしまっていた。
■3たび変更
細かくつながれた1点目、裏を完璧に取られた2点目と、ちょっとあまりにも守備がなっていない。当然、ラスだけが悪いわけではないが、現状では試合に合っていなかった。
よって、後半開始当初からケディラを入れた。
これによりマドリーはアルビオル、カルバーリョ、セルヒオ・ラモスの3バック、その前にシャビ・アロンソとケディラ、ディマリア、エジル、マルセロの中盤にロナウドとベンゼマの2トップといった3-2-3-2のようにシフト。
元々ワイドに攻撃するチームではないビジャレアルに対して、3バックとケディラまたはシャビ・アロンソが中央を固めるやり方がうまくいった。
また、前線の選手が流動的に動き、誰かがボールを受けに行ったら代わりに入る、というような形になったことでビジャレアル守備を混乱させることに成功。
前半はビジャレアルの攻撃が主導権を握った形でドタバタしていたが、後半の混乱はマドリーが作りだしたもの。マルセロ、エジル、ロナウド、ディマリアといった、前を向ければ脅威となれる選手たちが、スペースを与えられた状態でプレーできるようになってきた。
さらにアルビオルを下げ2バックにし、カカを入れて2-2-4-2とする強気の采配。
4とロナウドが前を向けると2人は寄ってくる。よってマークがずれていく。そのあたりはビジャレアルもなかなか対処しきれず、良い場面を作れそうな雰囲気が出てくる。
そして78分、オフサイドの位置で倒れていたロナウドが、その位置から戻り反転シュート。強くはなかったが、ギリギリのコースに飛んでディエゴ・ロペスの手にあたることなくゴール。
これが認められついに逆転に成功。
最後はカカ→ロナウド→カカというカウンターが決まって4-2とし、ベンゼマをガゴに代えてケディラを最終ライン、3-3-1-2に直して逃げ切り試合終了。
難しい試合、前半を乗り越えて後半はモウリーニョの強気采配が奏功した。
■ベンゼマ
マドリーの1点目につながるエジルの飛び出しへ合わせたスルーパスを出し、局所的には良いプレーを見せたベンゼマ。
だが、彼自身の問題として、自分がもっと点を取るプレーをしないと、イグアインが帰ってくればまたベンチに戻るのは明らかだ。
前線で体を張るよりも、ちょっと下がって受けて周りを使うとか、サイドに開いて仕掛けるのが得意なのは、これまでマドリーの試合を見てきた人たちにはよく知られた事実だと思う。
それはそれで彼の持ち味だし、よく作用する場面もあるが、モウリーニョ体制下では特に、そうしたスタイルでは”9番待望論”がやむことはないだろう。
たとえばこの試合では、ディマリアが右サイドで仕掛けるときに、サイドへ出てクロスする動きをすることが何回かあった。
それはそれでディマリアを助ける動きではある。が、ディマリアに任せて中央で待つことも選択肢としてもっておいたほうがいい。
ディマリアはオーバーラップしたサイドバックを使うことも少ないし、かなりの確率で自分で中へ仕掛けていく。であれば、中央で待っていてゴールを狙う方が効率がいいだろう。
チームとして、ロナウドの得点比率が上がっていくことは望ましくないし、他に誰か点取り屋が現れないと、ロナウドがきっちり止められた時の選択肢がない。
そしてその選択肢になれるのは、今はベンゼマしかいない。
■次節は・・・
次節はアルメリアとアウェイで対戦。
バルセロナが勝ち点を落とさない以上、負けて差を広げられるわけにはいかない。
いろいろ問題は抱えているが、モウリーニョの指導と選手たちの相互理解で乗り越えていってもらうほかない。