レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

コパデルレイ準々決勝第2戦 vバルセロナ

後半に素晴らしい盛り返しを見せた試合。

敗退は決まったが、チームとして得たものは大きい試合だった、コパ第2戦を振り返る。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:アルベロア、ペペ、セルヒオ・ラモス、コエントラン

MF:ラス、シャビ・アロンソエジル、カカ、ロナウド

FW:ベンゼマ

50分:ラス→グラネロ、60分:イグアインベンゼマ、カカ→カジェホン

カカとエジルを併用。期待はしていたが、あまり実現するとは思っていなかった。ラスとペペ、グラネロは何とかなったらしく、出場することが出来た。

バルセロナの先発メンバー

GK:ピント

DF:アウベス、ピケ、プジョルアビダル

MF:ブスケツ;シャビ、セスク

FW:アレクシス・サンチェス、メッシ、イニエスタ

29分:イニエスタ→ペドロ、70分:セスク→チアゴ、79分:アレクシス・サンチェスマスチェラーノ

バルセロナは4-3-3。サンチェスが中央に進出してくることがしばしば。

これまでのバルセロナ戦でのマドリーのやり方は両極端。

90分継続しないことが明らかなプレスを仕掛けるか、ラインを下げてリトリートするか。

前者なら後半に疲れていいようにやられ、後者ならボールを前に進められずジリ貧になる。

さすがに一定の時間帯は優位に立つことができるようになったが、それでも試合全体として上回るには至らない。そして耐えるのが苦手なマドリーは精神的にも瓦解するというのがほとんどの試合の流れだった。

この試合でのマドリーは、プレスを掛けることはあっても闇雲ではなく、バルセロナの後方でのパスワークが乱れそうになったタイミングだけ。そしてハーフラインからのプレッシャーという決め事が徹底されていた。

また、単純にリトリートするのではなく、ライン設定はほどほどの高さ。このことはマドリーのフィールドプレーヤーがコンパクトにまとまっていたことを示している。

ショートパスで崩してくる相手に対して、中盤をコンパクトにしてスペースを消すというのは、いわば”定石”。

だが、マドリーは最初に述べたような極端でチームに合わないやり方を取り、いわば自滅していた面がある。マドリーは定石に則り、場面に合わせたディフェンスを行った。

ただ、マドリーにとって、そうした”普通”のディフェンスをするのは難しい面がある。

ロナウドをはじめ、守備をしない、免除された選手たちがいたことだ。今のチームに限らず、過去のチームでもそうだった。そうした特別な選手がいたことで何度となく勝ってきたが、反面チームとしての戦術の整備は遅くなりがちだったのだ。

その歴史を断ち切るように、今回ベンゼマロナウドエジル、カカといった面々がきちんとコンパクトなラインに入り、守備に運動量を割いたことは非常に大きな出来事だった。モウリーニョに求めていたのは、こうした分け隔てのない戦術の整備であり、この試合でそれを見せてくれた。

この試合のマドリーが、精神的にも充実していたことも特筆しておきたい。厳しいアウェイでの試合、しかも3つのタイトルのうち、一番優先度が低いコパという状況で、気持ちをコントロールし、戦術をきちんと実行できたことは、今後に向けて大きな財産となるだろう。

■この状況だからこそ得られたもの

それでも、バルセロナは2点リードで折り返した。

1点目は、メッシにバイタルで時間を与えてしまったことが要因。アレクシスの裏狙いが影響しているかもしれない。ラインと勝負する選手がいて、バイタルで前を向くと危ない選手もいる、という状況は、ディフェンスにとって非常に難しい。

ラインを崩しがちなコエントランがおり、オフサイドを取ることに確信がもてない状況ではなおさら。ラインがしっかりコントロールされていれば裏狙いはある程度余裕をもてるのだが。

2点目はやむなし。思い切って狙ったアウベスの勝ち。

そして後半マドリーは開き直った。

ボールを持って攻めるためにグラネロを投入。さらに前線で受け手に鳴れるベンゼマと、動き回れるカジェホンを投入した。

グラネロが入ったことで、後方のボール回しが安定し、前線でベンゼマが受けるようになって、ボールポゼッションが良くなった。一気に良くなったわけではないが、いつもの攻め急ぎは全く見られず、自分たちのやりたいことをやるだけの時間を作ることができていた。

1点目はロナウド。2点目はベンゼマ

ミスが絡んでいるとはいえ、きちんとものにし、2点を畳み掛けたことは、これまでの悪い精神状態からしてみれば、すばらしい進歩だ。

その後、バルセロナカンプノウで焦らせ、ロングボールを蹴ることを強いた時間帯は、一時的にせよマドリーが精神的にバルセロナを上回ったことを示している。

選手たちが戦術を忠実に実行すること、そして素晴らしい団結と闘争心。

対策をとり続けることで見失っていたような、マドリーとしてのプライドを持って対等に戦い、基本に忠実なやり方と精神力を見出したことで、マドリーは大きな自信を得ることが出来たのだ。

■継続しよう

週末はサラゴサと対戦する。

この試合で見せたようなチームとしての強さと精神力を、だれることなく示してほしい。

もちろん同じテンションでは難しいだろうが、継続することで、より大きな自信と強さを見につけることが出来るだろう。

結果はもちろん、そうした内容の試合が出来るかどうかにも注目したい。