第4節ではひどい負け方をしたレバンテと対戦。試合前には、ロベルト・カルロスのセレモニーがあった。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:グラネロ、シャビ・アロンソ;エジル、ベンゼマ、ロナウド
FW:イグアイン
67分:イグアイン→カジェホン、76分:グラネロ→ケディラ、81分:エジル→カカ
今節はベンゼマの前にイグアイン。エジルが右へ。グラネロが先発に戻った。
■レバンテの先発メンバー
GK:ムヌア
DF:ハビ・ベンタ、バジェステロス、カブラル、デルオルノ
MF:ファリノス、イボーラ;エルザール、オスカル・セラーノ
FW:コネ、バルド
46分:エルザール→パジャルド、58分:デルオルノ→ペドロ・ロペス、76分:バルド→ボテーリョ
健闘を続けているレバンテ。ここまで来ると勢いだけではない。きちんとやるべきことをやれていてこその順位と言える。
■マドリーにとってのレバンテの良さ、悪さ
5分にセットプレーからカブラルに決められてビハインドを負い、スタートした試合。
触ったボールが悪いところへ飛んでしまったものとはいえ、最近、セットプレーの守備に軽さが見られるのは心配なところ。単純な高さで言えば低いわけではないのに、良い所に入られて、という場面が多々あり、今後に向けて不安な材料だ。
守ることをまず考えてきたはずのレバンテに対し、その通りの戦い方をしなければいけなくなったマドリー。時間はあったが、はまると辛くなりそうな相手だった。それはレバンテの守備というより、その後の攻撃への対応について。
コネとバルドに入ってから、2人くらいフォローに行って、そのまま4人くらいでシュートまで持っていける速い攻めの作り方は本当に素晴らしかった。
特にコネに収まりそうな時のプレッシャーが弱いと、かなり良い形を作られていた印象。
コネは味方が来るのをわかっているし、2列目以降の選手も、ある程度は時間を作ってくれることをわかっている。
チームとしての信頼関係があることがはっきりとわかる攻撃の仕方。ちょっと当たりが弱いと、コネは一人でも何とかできることを示していたし、気を抜けない雰囲気だった。
逆に、最終ラインが低く、エジル、ベンゼマがバイタルで時間をもらえたことは、マドリーにとっては大きな助けになった。
縦パスが収まって、主にエジルのいる右サイドからポジションを替えつつ攻めていく様子は、ディマリア、カカ、コエントランという2列目で失敗した前回対戦とは全く違うものだった。
きちんと収まって、アタッキングサードで脅威を与え続けるという点で、なかなか得点は奪えなかったが、ひどく不安という前半ではなかった。問題はセカンドボールだけ。これをシャビ・アロンソ、グラネロが拾えれば、コネを中心にしたカウンターはない。
サイドに開いてコネが収めた時は守備を頑張らなければ、という状況だった。
右中心のマドリーの攻撃は、左で待つロナウドにスペースを与えた状態でぱっと振れるか、というのがポイントになった。
そしてそこにイグアインやベンゼマが絡めれば、というところだったが、上がるコエントランとのタイミングがイマイチだったこともあって、右ほどに左は機能せず。
シュートは多いが、あと一歩、工夫がほしいという時間が続いた。
そして、前半終了間際にイボーラがハンドでPK。
あと一歩のところまで迫りながら、なかなかその一歩を踏み出す方法を見つけられなかったマドリーにとっては幸運。ハンドはハンドだが、2枚目のイエローを出すのは酷なプレーだった。
ムヌアはキッカーから見て左を空ける心理戦を挑んだが、ロナウドは動じず。きちんと決めて前半のうちに追いついた。
■粘るレバンテ、最後はベンゼマ
後半、レバンテはコネをトップにした4-4-1で凌ぐことに。定石といっていいやり方。
だが、マドリーは早々に逆転する。
50分、イグアインが右サイドで粘ってクロスを上げ、中はロナウド。ディフェンダーの間に走りこんで、後は簡単なヘディングを決めるだけ。
57分には、左45度のエリア外から素晴らしい弾道のシュートを決めて、ロナウドはハットトリック。フリーキックはなかなかゴールになっていないが、たまにこういったゴラッソを見せてくれる。
だからといって遠くからどんどんシュートというのも考え物だが。
2点リード、1人多いという状況で、ほとんど安心してみていたが、レバンテの速攻からコネに決められて3-2。前述のレバンテの良い形が発揮された。この攻めなら、人数の少なさはあまり関係ない。この形を狙って、回数を増やせればレバンテはもっと良くなりそう。
マドリーにとっては、レバンテのやり方にはまったこの失点は残念。
その後、66分にベンゼマが決めて、ようやく試合の行方を決めることが出来た。
さて、後半は、ディフェンスラインの裏を狙うランニングが増えた印象。この形でゴールを奪うことは出来なかったが、退いて守る相手には大事な動き。得てして相手の前で、足元で受けてしまいがちなマドリーだが、オフザボールで走るように頑張ってくれるのはありがたい。
そういう動きが得意なカジェホンが入ると、さらに際立つ。サイドにいて、ディフェンスの様子を見てするすると裏へ走りこむ得意の形は、マドリーの他のスター選手も参考にして良い動き出し。
押し込んだ状態が続いて、前線の選手はさらなる追加点を狙ったが、結局スコアは4-2のまま試合終了。
■もろもろ
グラネロ、エジルといった選手が頑張っている。グラネロはシャビ・アロンソの前でパスを捌いているし、エジルは運動量が必要なサイドで徐々にらしさを出し始めた。
守備の軽さはまだ目をつぶらなければいけないだろうが、彼らがコンスタントに良いプレーを出来れば、そうそうボールを失うことはないだろう。
その分、期待されたシャヒンは辛い状況。今の段階から割ってはいるだけのポジションはない。負傷者が出れば出番はあるかもしれないが、今日の流れでケディラを優先した現状のチームでは難しいだろう。
左サイドにはマルセロの復帰が待たれる。
ロナウドとのコンビはさすがのものがあるし、ボールを運べる選手が左にもいるというのは重要。コエントランも大分落ち着いてきたが、ゲームメイクに参加できる点で、今のマドリーには左にマルセロがいてほしい。
■CL再開間近
次節もベルナベウ。ラシンを迎える。
そろそろCLの再開も近づいてきた。コンディションに注意して、2月下旬も頑張ってもらいたい。