レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第1節(延期分) vアスレティック

ストのため延期となっていた開幕カード。厳しいタイミングで厳しい相手。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:アルベロア、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:グラネロ、シャビ・アロンソエジル、カカ、ロナウド

FW:ベンゼマ

68分:ベンゼマイグアイン、73分:グラネロ→ラス、79分:カカ→カジェホン

グラネロが久々のリーガでの先発。エジルが右に入って、ボールを持って何か出来そうというメンバー。

アスレティックの先発メンバー

GK:イライソス

DF:イラオラ、ハビ・マルティネス、サン・ホセ、アモレビエタ

MF:イトゥラスペ;アンデル、デ・マルコス

FW:スサエタ、ジョレンテムニアイン

61分:ジョレンテ→トケーロ、アモレビエタ→イバイ、68分:スサエタ→イニゴ・ペレス

ビエルサが良いチームを作っているアスレティック。マルカでは3トップだが、ジョレンテ1トップのようにも見えた。それだけどんどん飛び出してくる印象。

アスレティックのやり方

アスレティックは、高い位置からプレス。ジョレンテが行くというより、彼は中を切っていて、デ・マルコス、スサエタ、ムニアインが追い回していく感じ。後ろもしっかり付いてきて、マドリーに窮屈なパス回しを強いる。

アスレティックが素晴らしかった点のひとつは、全員がコースを作るランニングをさぼらないこと。

先制の場面では、イライソスが勇気を持って飛び出してボールを抑えたところからするすると縦へボールが動いていった。マドリーが今シーズン何度か見せた、相手コーナーからのカウンターのようだった。

右サイドを走るハビ・マルティネスに出された時点で勝負あり。中はジョレンテに付くこともできなかった。

■マドリーのメンバーから考える

そういう出方を予想したのかどうかは定かではないが、マドリーは上述の通り足元がしっかりしているメンバーがずらり。

久しぶりの先発となったグラネロだが、ピボーテでわりと存在感を出せていた。攻撃の基点がシャビ・アロンソだけではないことを示す縦パスを通したり、アタッキングサードでシュートを放ったり。ケディラとは違うレベルの技術を見せてくれた。

プレッシャーで危ない時は、カカとエジルがもらいに行って助ける。そうしておいて、サイドで待っているロナウドベンゼマに出して、という攻撃の流れ。

だが、こういった構成だと守備は厳しい。ピボーテが高い位置にあって、バイタルが空くことが多かった。

ロナウドは何か変化があったと思われ、がむしゃらに走っているが、肝心な時にいないことも多々あった。あれだけパワーを使ってくれるなら、効果的にするようにすればもっとチームは助かる。

右にいることが多かったエジルは、縦パスのコースを切らないポジショニングで後ろに負担がかかっていた。

デ・マルコスがシュートを空振りした場面や、ジョレンテが枠を外した場面で得点されていたら、この布陣は大失敗になっていただろう。

逆に言えば、こうした布陣の方がチーム全体の守備に発破がかかるかもしれない。

攻撃のために後方でも力を割いた分、守備になった瞬間前の4人が置いていかれるのは許されない。アスレティックも良いカウンターを持っているので、一気に危ない場面を迎えるから、本来やるべき守備をやっているかやっていないかすぐにわかる。

ケディラで帳尻を合わせる分前はほとんど何もしない形と、今日のような形であれば、全員に守備のノルマがあるべき後者の方に可能性を感じる。

前者は、CLなどでバルセロナをはじめとする強豪とあたると、取っておいた前線にボールが届かない確率がぐっと高くなってしまう。

プレスで後方が窒息しそうな時に3、4人が残っていたり、攻守の切り替えが遅かったりするのを、ケディラの起用だったり、ペペも組み込んだトリボーテで何とかしてしまうのも一つの回答ではある。

が、コンパクトさを保って全員が守備をできるなら、シャビ・アロンソ依存は大分改善されるし、苦しい時に自分たちの時間を作って盛り返せるのではないか、とも考える。何度も言うが、その場合、攻撃陣の組織だった守備が絶対条件。

その点で、このやり方は磨く余地、伸びしろが非常に多く残っていると感じた。

■素晴らしいショーの前半、マドリー勝利も判定で後半は楽しさ半減

さて、試合は、撃ち合いの様相。

モウリーニョが、それでも何とかなると楽観視できていたかはわからない。だが、それでもこのメンバーをピッチに送ったということは、いずれ何とかなると踏んだ可能性が高い。

先に書いたように、アスレティックは非常に惜しい場面を2度、ミスした。これが入っていれば、試合はアスレティックのものになり、この良い試みもあまり長い時間続いていなかっただろう。

マドリーは、マルセロがたまに見せるリズムの良い上がりで、ベンゼマとのワンツーをし、落ち着いてゴールし同点。

48分にカカが得たPKをロナウド、68分にエジルが得たPKを再びロナウドが決めて3-1。エジルを倒したデ・マルコスが一発退場で、試合の行方は決まった。

前半の攻防はエンターテイメントとしても素晴らしかっただけに、残念な退場ではあったが、足は確かにかかっていた。

最後はイグアインのパスに抜け出したカジェホンがまたもゴールという結果を出し、4-1で勝利。

■今週の予定

前半の出来を考えると、アスレティックにとっては残念な結果。ビエルサのチームは、よく走り、球際ではクリーンな良いチームだった。マドリーも参考にすべきチームといって良い。

さて、ミッドウィークはバルセロナとのコパデルレイ第2戦。厳しい状況だが、頑張ってもらいたい。どうせ攻めなければいけない試合だけに、今日のやり方が参考になるかもしれない。

週末は、サラゴサをベルナベウに迎える。