レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CL決勝トーナメント1回戦第2戦 vCSKAモスクワ

1日遅れのCSKA戦レビュー。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:アルベロア、ペペ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:ケディラシャビ・アロンソエジル、カカ、ロナウド

FW:イグアイン

69分:ベンゼマイグアイン、75分:カカ→グラネロ、88分:エジル→ラス

フォワードの先発はイグアインとなった。中盤の構成もそうだが、継続性を持たせる傾向にあるといえる。

CSKAモスクワの先発メンバー

GK:チェプチュゴフ

DF:アレクセイ・ベレズスキ、ワシリー・ベレズツキイグナシェビッチ、シェンニコフ

MF:オルドニン、バーンブローム;ムサ、ジャゴエフ、トシッチ

FW:ドゥンビア

46分:オルドニン→ママエフ、59分:ムサ→オリセー、80分:トシッチ→ネチド

本田はベンチ外。先発メンバーは前回対戦と変わらなかった。

■序盤はCSKA、その後はマドリー

第1戦は1-1。アウェイゴールを奪っての引き分けということで、CSKAは得点が必要な状況。いつアクセルを踏むのか、というところがポイントだったが、CSKAは最初から攻めの姿勢を見せた。15分までは勢いのあるCSKAが攻勢。

そこで、CSKAはどう攻めたいのか、ということが問題になる。

第1戦では、マドリーは寒いモスクワの地で動きが悪かった。パスコースを作れず、守備面でもチームとしてのプレスがなかった。CSKAは、それでも高めの位置取りをするマドリー守備陣とドゥンビア、ムサを当てて良い場面を何度か作りかけていた。

押し込んでジャゴエフのパスで、というよりも、ドゥンビアとムサにスペースがある状態で仕掛けさせた方が可能性があり、特にムサ対マルセロのところは、CSKAにとってはチャンスを作れるマッチアップ。そういうところで素早く勝負できていたのが15分まで。

以降、マドリーの守備陣形が整ってからの攻撃が多くなり、前線の身体能力を生かす場面は減った。

第1戦の終盤では、本田が中盤に入ることでボールを落ち着かせ、攻めることが出来ていた。

だが、この試合ではそれが出来る選手がいない。だから、ゆっくり攻めてチャンスを作っていくのは望み薄なのだが、マドリーの守備が落ち着いたこともあって、時間がかかっていた。トシッチのサイドからムサのサイドへ展開して勝負できればという雰囲気はあったが、うまくいかず。

対するマドリーは、パス回しの点で前回対戦から学んだところを見せた。

前回はバーンブルームに厳しくあたられてボールを失うかリズムを失うかしていたのだが、今回はパスをリズム良く回していく場面が目立った。序盤のCSKAの攻勢を凌いだことで、無理に攻めなくても良くなったこともあり、またCSKAも高い位置でプレスという雰囲気がなかったため、カカが降りる必要なく、後方の人数は足りていた。

マドリーが気をつければよかったのは、CSKAの一発の攻め。前述の通り、しっかり作ったものより、前線の能力で勝負される方がよほど怖く、それさえさせなければ基本ペースを握っていたのはマドリーだった。そしてイグアインが25分に先制点。これで、マドリーはさらに楽になった。

この得点の基点がケディラというのが面白い。逆サイドのスペースへ浮き球でパスという、普段の彼のパスからすれば、段違いに難しいことを成功させたわけだが、これ以外でも彼のパスは非常に良かった。

カカの低い位置でのプレー同様、ケディラの高い位置でのプレーも、今後これくらいの質を継続してくれれば良いのだが。今後のプレーは期待を込めて注目しておこう。

後半は、CSKAがオルドニンをママエフに代えてスタート。2点が必要ということで、中盤からてこ入れを図ったのだが、55分にキーパーのチェプチュゴフのミスで勝負の行方が決まってしまう。

ロナウドのミドルがワンバウンドしたところを取りそこない、そらしたボールがそのままゴールへ。落ちたシュートを処理しようとしたが、キャッチしに行くには体の正面でボールを捉えられていなかった。

後半頭から、切り替えて攻めに出ようとしていたCSKAにとって、精神的にも一番堪える失点の仕方。

その後、前回も途中出場し、ムサよりてこずったオリセーが登場したが、CSKAは難しい状況に追い込まれていて、前回のようなインパクトはほとんどなし。

逆に69分に出場したベンゼマが1分後にゴールを決めたマドリーは、完全に波に乗っていた。

トシッチが素晴らしいシュートで1点を返すも、焼け石に水。最後にロナウドもゴールを挙げて4-1。合計5-2で勝ち抜けを決めた。

■簡単にまとめと今後に向けて

CSKAは序盤に得点できなかったのが悔やまれる。また、その後前線を生かすことができなかったのも、マドリーとしては幸いだった。最近の傾向からして、攻勢に出られるとドタバタしがちなので、エレガントではない攻め方でこられたら、もっと危なかっただろう。

一方でマドリーは、当然ながらホームで前回よりパスは改善され、脅威だったバーンブルームを中心とした守備をかわすことに成功した。

アウェイゴールのリードを考えれば、これほど理想的なやりかたはない。しかも得点も前半のうちに奪えたことで、やりやすかっただろう。

その分、守備が後半特に疎かになったことは注意が必要。

モウリーニョは、失点の場面で不満をペットボトルにぶつけていたが、こういう試合でもCLで気を抜くのは危険。そういう緩みが出るのは、今後に向けての不安材料だ。

不安材料という点では、シャビ・アロンソの出場停止も非常に大きい。

これまで、シャビ・アロンソの相方問題は常にマドリーの目の前にあったのだが、次の試合ではそもそもシャビ・アロンソがいない。彼と同じ仕事が出来る選手はいない。グラネロが入れば多少いいかもしれないが、大きな展開という点ではだいぶ劣るだろう。よって、シャビ・アロンソ以外のピボーテの組み合わせで、別の戦い方を考えなければならない。

もしかしたら、リーガで短い時間でもそういうことを試す兆候があるかもしれないので、気にしながら見ておくといいだろう。

そのリーガは、今週末ベルナベウでマラガと対戦。