ロナウドの発言の一件で試合の扱いは軽くなってしまったが、今朝のグラナダ戦を振り返る。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:ケディラ、シャビ・アロンソ;カジェホン、モドリッチ、ロナウド
FW:ベンゼマ
46分:カジェホン→ディマリア、58分:モドリッチ→エジル、64分:ロナウド→イグアイン
モドリッチが先発。トップ下での起用となった。モウリーニョの説明では、守備をするコンディションにないため、トップ下での起用となったとのこと。つまり、本来は3列目で使いたいということがはっきりした。
また、今節はベンゼマが先発。エッシェンはベンチ入りしなかった。
■グラナダの先発メンバー
GK:トーニョ
DF:ニョム、イニゴ・ロペス、ボルハ・ゴメス、シケイラ
MF:イリネイ、ミケル・リコ;ファンマ・オルティス、エルアラビ、オレジャナ
FW:フローロ・フローレス
62分:エルアラビ→マインス、69分:ファンマ・オルティス→トルジェ、74分:オレジャナ→ハイメ
グラナダもここまで未勝利。
■ピボーテの選手いろいろ
注目はやはりモドリッチ。トップ下で、当初期待していた役割より前でのプレー。ゴールに直結する仕事をする必要があった。
今節、彼に絡んでゴールは生まれなかったが、先を読んでディフェンスの裏をかくパスを何度も通していた。よく周囲を見て、相手が動く先や味方が欲しいところを考えながらパスを出している印象で、今後に期待が持てる出来だった。
上で触れたように、モウリーニョはピボーテの位置で彼を使うことを第一に考えている様子。シャビ・アロンソとの住み分けが上手くできれば、相手に長く脅威を与えられる組み立てと崩しが期待できる。
問題は、シャヒンが陥ったように、ボールを受けにいったらシャビ・アロンソが展開してしまうということ。
それさえなければ、特にボールを持てる相手に対しては有効な組み合わせになる。
その場合ポジション争いをすることになるケディラも、少しプレーを変えている。
エリアに侵入していく回数が明らかに増えていて、停滞気味の前線に動きを加えている。
彼のような身体能力の選手が一気に突っ込んでくるというのは、それだけで脅威になる。もちろん、細かな技術やシュートの精度は改善の余地が多く残っているが、彼の場合は思い切って突進できることが大事。
もともと守備だけの選手ではなく、こうしたプレーをすることが期待されていたので、この変化は良い兆候。
シャビ・アロンソは、少し問題あり。
もちろん、ロングパスの精度はさすがだが、出しどころに詰まるときがあり、その後の処理に手間取るシーンがちらほら見られた。
シンプルに出してもらいなおして良いようなところでこねて状況を悪くしている。彼の位置でこういうプレーをし、ボールを奪われるのは非常に怖い。
■動きの鈍いベンゼマ
シャビ・アロンソの問題については、受け手側の責任も当然ながらある。
ツイートしたとおり、シュートの面で今シーズンイグアインと大きな差があるベンゼマは、今節も存在感があまりなかった。
(程度の差こそあれ、いつものことではあるが)シュートは枠に飛ばないし、サイドで受けて基点を作る、チームを助ける動きが非常に少なかった。
ベンゼマの良さは、仕事の幅の広さや器用さだが、それが発揮されないならイグアインにゴール前で仕事をしてもらったほうが良いという判断になるのも、致し方ないところ。
コンディションがまだ整っていないのか、運動量が少ないのがまず一番大きな問題点だが、何度か良いところでもらっても、相手に当てたりシュートは枠に飛ばなかったりで、見せ場はつくれなかった。
イグアインのゴールをアシストはしたが、実際はオフサイド。前線で動きチームを助けるプレーは見られないままだった。
■精神的問題
結局のところ、モウリーニョが指摘するように、肉体的というよりも精神的な問題が大きいのだろう。
バルセロナ戦で出来ていたことが週末にはできなくなる。ダラダラと動きのない前線。些細なミスが積み重なる組み立て。
勝ちはしたが、まだまだ本調子までには時間がかかりそうだ。
新加入のモドリッチに希望を持てそうなのが救い。
■今後の予定
今週末は代表戦があるため、リーガはお休み。
来週はアウェイでのセビージャ戦。そのミッドウィークにはCLがスタートする。
■ロナウドについて少し
ロナウドの発言については、今のところ確たることは何もないので、しばらく様子を見守りたい。
不仲説は怪しいし、このタイミングでの移籍志願も考えづらい。そういう報道が大きくなったのには、開幕直後にリーガで結果が出なかったことも影響しているのだろう。
ちょっとした不調でこうした報道がされることに、スペインらしさを感じるが、ロナウドが不満を持っているのも確か。
クラブが適切に対応して、選手たちがピッチに集中できる状況になってもらいたい。