レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第10節 vサラゴサ

負傷者の問題の終わりがようやく見えてきた。少しずつ今までどおりのマドリーに戻ってきている。それは幸か、不幸か。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:セルヒオ・ラモス、ペペ、アルビオルアルベロア

MF:モドリッチエッシェン;ディマリア、エジルロナウド

FW:イグアイン

69分:イグアインベンゼマ、73分:ディマリア→カジェホン、82分:アルベロア→ナチョ

報道どおりアルベロアが復帰。左サイドバックの問題は、ひとまず片付いた。

今日のペペの相方はバランではなくアルビオル

サラゴサの先発メンバー

GK:ロベルト

DF:サプナル、ルーフェンス、アルバロ、アブラアム

MF:モビージャ、ホセ・マリ;ビクトル・ロドリゲス、アポーニョ、モンタニェス

FW:エウデル・ポスティガ

74分:ビクトル・ロドリゲス→ハビ・アラモ、79分:エウデル・ポスティガ→アランダ、87分:ホセ・マリ→ロマリッチ

懐かしいホセ・マリが先発。エウデル・ポスティガはここまで4ゴール。

ピボーテのボール運び

シャビ・アロンソケディラがいないピボーテには、モドリッチエッシェンが入った。

普段なら一飛びでアタッキングサードまでボールを運べるアロンソのパスがない構成で、どうボールを運ぶかというのが大きなポイントだった。

これまで見られたように、モドリッチはグラウンダーのショートパスを出し入れしながらリズムを作ってボールを運ぶスタイル。

アロンソがいなかったため、彼は中盤の底で主導的に動く権利を得てボールを受けに回ることができていた。いつもならアロンソが陣取るセンターバックの間も、今日は彼のためのスペースだった。

エジルとの位置関係は、ちょっと近すぎることもあったがそれほど悪くなく、彼やディマリアを中心にボールを当てながらそれなりにスムーズに攻撃できていたように感じる。

エッシェンケディラよりは縦パスに優れているところを何度か見せてくれた。

ケディラの攻撃参加は自分が駆け上がることのウェイトが大きいが、エッシェンは低い位置で縦にボールを入れられることが強み。

中盤が比較的良かったので、アルビオルが入った最終ラインの組み立てに関する役割は大きくならず、それもまた助かったポイント。

どうしてもアルビオルはパスに不安があり、最終ラインが主体ならば、ペペとセルヒオ・ラモスに偏りがちになってしまうが、中盤がよくボールを貰って前に運んでいたため、大きな問題にならず。ボールが右寄りになるのはある程度やむを得ないところ。

全員が自陣に戻ることもままあったサラゴサに対し、マドリーは前半、ある程度効果的にボールを運べていた。

あとはシュートというところで、あまり数は放ったわけではなかった。良いように言えば、無駄うちはしていなかったということになるが、シュートまで結びつけることができていなかった、とも言える。

そんな中で効果を発揮するのはセットプレー。

マドリーのセットプレーは、高さがある割にいつも合う予感がしないのだが、今日はコーナーにアルビオルがどんぴしゃで合わせ、ロベルトがセーブしたところにイグアインが詰めて先制。ロベルトは素晴らしい反応を見せたが、イグアインの位置取りがアルビオルのヘッドを無駄にしなかった。

アルビオルは久々の先発で、攻撃面で良い仕事をした。

2点目もすぐに入った。

中央下がり目でモドリッチからパスを受けたロナウドが相手の隙間を割ってドリブル。右のディマリアがパスを受けてクロス。相手に当たってこぼれたところをシュート、ロベルトのセーブを受けたボールをさらに合わせて押し込んだ。

強引ではあったが、最後のボレーはうまくけりこんだ。

速めの攻めで2点を連取し、マドリーは落ち着いて試合を運べるようになった。

■だらけたその後

この後のマドリーはCLを見据えてか、控えめに言っても落ち着いた内容に終始した。

ゴールを目指す意識は希薄で、かといって試合を終わらせるには時間が長く、目的のない時間を過ごすことになった。

サラゴサにしてみれば2点差であり、まだまだ時間も残っている中でマドリーがペースを落としたわけだが、ここで良い形を作らせなかったことで、試合がだらけることは決定的となった。

サラゴサはマドリーが先制する前の20分ごろに何度かあった速い攻めで上手くしとめたかったところだろう。

マドリーが元のメンバーに戻って一番問題なのは精神的な部分。

こういう時間帯でも、誰かガツガツしていればチームとしても気持ちが前がかりになるのだが、変わらぬメンバーで淡々とこなしているところが見受けられる。

確かにモドリッチエッシェンは新加入のコンビではあるが、リードしている状況で、ピボーテの位置で逸るほど愚かな選手たちではない。前線で”自分のために”頑張る選手がいるといい。

新加入はいないので、先発を目指す控えの選手、カスティージャ所属の選手が、前のポジションでゴールを狙ってくれると良いのだが。

だから、交代はイグアインベンゼマより、カジェホンやカカといった面々が先であるべきだった。彼らのモチベーションがチームに伝染してくれるような雰囲気になることを、今後も期待したい。

■終盤に2ゴール

終盤、スペースだらけとなった状況で、ピボーテの2人が嬉しい初ゴール。エッシェンは、カジェホンからエジル、こぼれたところをベンゼマが運ぶ速攻の流れに乗ってずっとフリーランニング。ベンゼマのラストパスを落ち着いて決めた。

さらに、モドリッチは、ゴール前の混戦からこぼれたボールをエリア少し外から左足で正確に隅に決めた。

上で書いたとおり、早い時間帯で前へと逸るほど落ち着きのない2人ではない。しかし、終盤に思い切りのいいところを見せたこと、そしてそれが結果につながったことは、チームにとって良い出来事だし、彼ら自身も後押しするもの。

結果4-0で試合を終え、だらけた時間を長く過ごしたにも拘らず、大量得点差による勝利という結果を得た。

■もろもろ

モウリーニョも言うように、サラゴサにとっては不本意な結果。マドリーが負けそうな要素は多くなかったが、2-1くらいで同点を狙う展開も十分ありえたはず。そうならなかったのは、序盤の失点を避けたことによるところが大きい。

ともかく、結果は得た。

後は精神的な問題で、勝つべき試合にきちんと勝てるよう、準備をしておきたい。それは、選手たち自身の問題でもあるが、モウリーニョの用兵の問題でもある。

今シーズン最初に見られたような問題がまた顕在化しつつあり、ほうっておくとつまらない取りこぼしをして、今度は完全にリーガを諦めることになってしまう。

次節はアウェイでレバンテと対戦。その前にCLがあり、今度はベルナベウにドルトムントを迎える。