前節に続き、残留争いに関わりそうな順位のクラブと対戦。
■マドリーの先発メンバー
GK:ディエゴ・ロペス
DF:カルバハル、ペペ、セルヒオ・ラモス、マルセロ
MF:モドリッチ、シャビ・アロンソ;ベイル、イスコ、ディマリア
FW:ベンゼマ
74分:ベンゼマ→モラタ、ディマリア→ヘセ
アンチェロッティの発言どおり、ピボーテはアロンソとモドリッチの組み合わせ。ディマリアが左に入った。
■バジャドリーの先発メンバー
GK:マリーニョ
DF:アルカトラス、バリエンテ、ルエダ、ペーニャ
MF:サストレ;ルビオ、ロッシ
FW:ラーション、ハビ・ゲラ、ベルグディシュ
46分:ラーション→オマール、74分:ハビ・ゲラ→マヌーショ、85分:サストレ→オソーリオ
ここまで17位のバジャドリー。ただ、得点と失点の数は、中位のクラブと比べてもそれほど悪くない。
■ポイントを絞って簡単に
試合は4-0でマドリーが勝利。
ベイルがハットトリック(頭、右足、左足で決めた)とベンゼマへの素晴らしいクロスでのアシストとという大きな活躍をした。
得点力としては、大事を取って招集外となったロナウドの不在を感じさせないプレーを見せてくれたが、今回はピボーテの2人とディマリアに話を絞る。
■ドブレピボーテ
ドブレピボーテは、上で触れたようにシャビ・アロンソとモドリッチの組み合わせ。
ケディラの負傷以降、アルメリア戦ではアロンソとイジャラメンディ、ガラタサライ戦ではカゼミロとイジャラメンディを先発させている。ガラタサライ戦ではモドリッチが出場停止だったということもあるが、すべて違う組み合わせで臨んでいることになる。
この2人は、考えられる組み合わせのうち最もボールを持て、攻撃的に振舞える。
アルメリア戦の際に書いたように、アロンソとイジャラメンディでもかなりポゼッションはうまくいっていたのだが、モドリッチとの組み合わせはより攻撃的。アロンソとイジャラメンディとは違い、モドリッチが前に出て行って攻撃に絡むこともできるのがメリットと言える。
その分、守備の際にはチーム全体でカバーしなければならないが、この試合では攻守の切り替えが良く、前線でプレッシャーをうまくかけられた場面があった。さぼることなくやれていた点で印象は良い。
左サイドが守備も頑張ってくれるディマリアだったことも影響しているかもしれないが、これが続くのであれば、とりあえずリーガでは大きな問題は起こらないだろう。
単純にピボーテの守備能力だけを考えると、アロンソは元々守備も悪くなく、モドリッチはインターセプト数が多いというように、さほど悪いわけではない。
しかしながら、ベイル、イスコ、ロナウドという2列目になった時にこの試合と同じように守備を頑張ってくれるのかという疑問はあるし、そうなった時にピボーテだけで耐えうるかどうかはちょっと心許ない。特に現段階では、CLの決勝トーナメントでこの構成で守備の計算ができるかどうか、まだ不安。
アロンソとモドリッチのピボーテ、そしてペペと(不安なプレーが続いてはいるけれども)セルヒオ・ラモスのセンターバックの4人から前方でボールを奪えるだけのクラブというのは、CLレベルでもそうはない。
モウリーニョ期ならば、アロンソに複数でプレッシャーをかければ前に蹴り出してくれるという算段もあっただろうが、繋ぐ意識がある今のマドリー、そして隣に技術のあるモドリッチがいる状況だと相当難しい。適宜イスコも降りてきて加勢するので、ほとんどのクラブは前で追うことを断念せざるを得ないだろう。
だから、リーガではボールを持つことを前提に、アロンソと、モドリッチかイジャラメンディという選択をする方が望ましいと考える。
彼らを中心にしっかりとしたポゼッションと組み立てをしていけば、ボールを持たされる状況から本当に脱却できるゴールが見えてくる。
そこまでボールを持てなかったり、守備が問題となったりするようなクラブとの対戦の際は、体が大きくしっかり当たれ、早くボールを展開する特徴のカゼミロを使うというようにしていくのが現段階では良いだろう。
アロンソとモドリッチかイジャラメンディの併用がCLの準決勝くらいでも問題ないような完成度になってくれば良いので、その方向も模索していってもらいたい。
その一歩目として、まずはリーガでは彼らの併用が十分使えそうだという1つの目処が立ってきたのが、この試合の意義と言って良いだろう。
■ディマリア
ガラタサライ戦に引き続き先発出場したディマリア。ロナウドの負傷により、久々に継続して出番を得ている。
それ以前の先発出場となると、第12節のラージョ戦のトリボーテでの起用となり、本職での先発は第10節のバルセロナ戦まで遡る。
マドリーでは彼にとっての本職ではない右サイドでのプレーを続けてきたが、ロナウドの負傷ということでまさに本職である左サイドでプレーする機会を得た。
ガラタサライ戦ではセルヒオ・ラモスの退場があって、イレギュラーな状態ではあったものの、サイドを意識した後半にアシストとゴールを挙げた。
また、スペースができてきた終盤はドリブルが目立っていた。彼の場合、ボールを奪われないという安心感はないのだが、奪われても追い回してくれる点は信頼でき、ディフェンダーに取られた後再び取り返すような守備を見せてくれていた。
モウリーニョ期から一転して、ベイルの加入により控えとなる試合が多いディマリアだが、コンディション的には問題なさそうに見えて嬉しい。
ただ、ベイル加入間もないシーズン序盤に右サイドで先発していたコロと比べ、左ではプレーがやや淡白になっているのが懸念材料。
右サイドでは、左足に持ち変えてのクロスをあげるばかりだったモウリーニョ期とは打って変わって、サイドバックを使ったり中に細かく持ち込んで味方と絡んだりして、アンチェロッティの攻撃スタイルにかなり早くから順応してきていたのだが、左では単独で何とかしようとしている風にも見え、右でのプレーのような面白みに欠ける。
左サイドには攻撃では信頼できるマルセロがいるので、彼とうまく絡んで攻撃を作っていってもらいたい。
とはいえ、そろそろロナウドが復帰してくるので、またベンチからキックオフを見る試合が増えそうではある。
まずは、これまで通りコンディションを整えて準備してもらうのが大事かもしれない。
ただ、長いシーズンで彼に出番が回ってくることはまだまだあるはず。
その際には左右どちらでもプレーできる強みを生かして、両方で良いプレーを見せてもらえれば。
■今後の予定
バルセロナがアスレティックに敗れたため、首位との勝ち点差は3に。リーガはこのままついていって、チャンスを伺いたい。
今週末はコパ。2部Bグループ3に所属するシャティバとアウェイで対戦する。この段階のコパに、アンチェロッティは主力で臨むのか、休養を取らせるのだろうか。
リーガ次節は、来週末。
オサスナとアウェイで対戦する。