レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第26節 vアトレティコ

ビセンテカルデロンでのデルビー。大きなリードを持っていけたコパとはまったく別の試合となった。

■マドリーの先発メンバー

GK:ディエゴ・ロペス

DF:アルベロア、ペペ、セルヒオ・ラモス、コエントラン

MF:シャビ・アロンソモドリッチ、ディマリア

FW:ベイル、ベンゼマロナウド

58分:コエントラン→マルセロ、71分:アルベロア→カルバハル、72分:ディマリア→イスコ

サイドバックを入れ替えたのは意外。アンチェロッティはコエントランを先発起用する大胆な選択をした。

アトレティコの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:ファンフラン、ゴディン、ミランダ、フィリペ・ルイス

MF:コケ、ガビ、スアレスアルダ・トゥランラウール・ガルシア

FW:ジエゴ・コスタ

83分:アルダ→ロドリゲス

ビジャはベンチ。4-4-1-1とし、ジエゴ・コスタの下にラウール・ガルシアが入った。

■先制するも・・・

マドリーは3分に先制。

ショートコーナーからのディマリアのクロスにベンゼマオフサイドギリギリで合わせた。

ディマリアのクロスの精度はもちろん良かったが、ベンゼマがポジションを微調整していたのが奏功。一時期のベンゼマオフサイドにかかることが普通とさえ言えるような状態だったが、要所で改善されてきている。

早い時間にリードしたものの、最初に触れたように、マドリーが大きくリードして乗り込んだコパとはアトレティコの集中力が違った。

マドリーが早々にリードしたこともあって、アトレティコはものすごいペースでプレス。普段なら低い位置のサイドに出ればある程度時間があるモドリッチとディマリアが早いプレーを迫られ続け、マドリーの攻撃はいつも通りに機能せず。

彼らを中心に前線にグラウンダーの縦パスを入れてボールを届けるのがマドリーのやり方なのだが、ロングボールで逃げざるを得ない時間帯が長く続き、落ち着いてボールを保持できなかった。

また、アトレティコが前線や中盤の高い位置で激しいコンタクトを繰り返してきたことも、ボールを繋ぎたいマドリーにとっては難しかった。

今のアトレティコがそういう当たりを全員ができる強さを持ったチームだと分かっていたはずなのだが、コパでは2戦ともそこまで厳しい当たりが多くなかったことも、マドリーの判断を悪くしたように感じる。

前半、マドリーがいつも通りボールを持ち、相手を押し込んだ印象だったのは20分過ぎの数分間。

この間は高い位置で追って相手にロングボールを蹴らせることができていたが、継続できずにアトレティコのペースに戻されてしまった。

アトレティコは28分にコケのゴールで同点。

アルダが中央に持ち込み、ターンしてフリーのコケへ。シュートがファーのサイドネットへ決まった。

シュートのコースは素晴らしかったが、その前にコケをフリーにしていたことが悔やまれる。ディマリアがつくか、アルダに2人ついていったのだからそこで止めるべきだったが、スローインからの流れでちょっとルーズになってしまった。

スタジアムの後押しも素晴らしく、アトレティコは勢いを保って試合を進める。マドリーは受け身のまま前半を過ごすほかなかった。

前半ロスタイムにはガビがミドルシュートを決めてアトレティコが勝ち越し。せめて同点で仕切り直したかったのに、もったいない失点。セットプレーで密集していたため、ディエゴ・ロペスはコースが見えず反応が遅れた。

先制は素晴らしかったが、速い時間帯から試合が動いたことで、アトレティコは勢いを得、マドリーはそれに飲まれる格好になってしまった。

■70分過ぎにようやく

後半になって、マドリーは落ち着きを取り戻すかと思ったが、状況はあまり変わらず。アトレティコのプレスの速さも衰えず、前半と同様厳しい時間が長く続いた。

シャルケ戦では良い距離感でやれていた前線の3人も、こうした状況なので遠い位置にいることが多く、コンビで崩すような形は見られなかった。

特にベイルは以前の姿に逆戻り。ボールに触ることも少なく、苦しい組み立てを助けると言うよりは前線に居残ることが多かった。こういう試合でこそ、良い時の推進力を見せて欲しいのだが、今のところはチームを助けるところまで至っておらず、チームが良ければ自分も乗っていけるというくらいでしかない。

マドリーに来て最初のシーズンで、遺跡金の額から来る期待は大きいが、実際のところはまだまだこれからなので、このムラをなくすことを課題にしてもらいたい。

マドリーが主導権を握ったのは70分過ぎから。

交代で入った両サイドバックが高い位置を取り、イスコも技術を生かして相手の間を抜けるドリブルを見せて、相手陣内でプレーできる時間を増やしていった。

マドリーが交代で攻撃的になったこともそうだが、アトレティコがこの時間からジエゴ・コスタを残してゴール前を固める選択をしたことも、マドリーが勢いを得た大きな要因。

アトレティコがプレスの維持のために運動量を回復させようと思えば、交代枠を使い切っていたはずで、1人しか替えずにリトリートしたのは、主体的な判断だろう。

シメオネは、試合のリズムとは違うプレーヤーを入れることは難しいと思ったという趣旨のことを試合後に語っているが、あのように守ることを選択した場合、80分頃からいきなり集中して試合に入っていくのは難しい。

マドリーは、最後の頑張りが報われ、82分にロナウドが同点ゴール。右サイドで一度ボールを奪われたが、コントロールミスをカルバハルが見逃さず、えぐって中央へ。ベイルのトラップはうまく行かなかったが、ロナウドがきっちりコースに決めた。

サイドバックが攻撃的に振舞ったことが、このゴールにつながったと言える。マルセロのような神出鬼没、奔放な感じはカルバハルにはないが、アルベロアとの違いははっきり見せてくれている。

最後は早い攻めの応酬。

どちらかといえば、追いついたマドリーの方が人数をかけており、攻撃にも迫力があったので、できれば勝ち越したかったところだが、突き放されることなく終えられたことも重要。2-2のまま試合を終えた。

■最後に少し

倒れさえすれば笛を吹くようなレフェリーが多いリーガにあっては珍しく、ファールを取らないで流す傾向が強い主審だったが、早い時間帯でカードを出さなかったことで、試合の流れが悪くなったことは確か。

どちらかが判定による優位を得たと言うことはなく、双方に対してまずい対応が多々あったように思う。結果として、カードを出させようとするようなダイブや、ペペの演技のようなプレーでさえない下らない行為がなされる試合となってしまったことは残念。互いにまず主審を見てプレーするような試合は、決して良くない。

マドリーとしては、ベルナベウで敗れていることから、勝ち点差が僅かなこともあり、できれば勝ちたかった。

とは言え、70分頃までの出来を考えると、引き分けられて良かったと言う試合であるという印象の方が強い。アウェイの試合を何とか乗り切ったというところだ。

バルセロナとのベルナベウでの試合が残っているが、こちらは是非勝って、勝ち点差を広げ、直接対決の成績も並んでおきたい。

次節のリーガはベルナベウでレバンテと対戦。