レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第7節 vアトレティコ

遅ればせながら、アトレティコ戦を振り返る。

■マドリーの先発メンバー

GK:ディエゴ・ロペス

DF:アルベロア、ペペ、セルヒオ・ラモス、コエントラン

MF:ケディラ、イジャラメンディ;ディマリア、イスコ

FW:ロナウドベンゼマ

46分:イジャラメンディ→モドリッチ、ディマリア→ベイル、73分:イスコ→モラタ

イジャラメンディが先発。ベイルはベンチスタートとなった。

アトレティコの先発メンバー

GK:クルトゥワ

DF:フアンフラン、ゴディン、ミランダ、フィリペ・ルイス

MF:ティアゴ、ガビ;コケ、アルダ・トゥラン

FW:ビジャ、ジエゴ・コスタ

84分:ジエゴ・コスタ→レオ、86分:ビジャ→ラウール・ガルシア、88分:アルダ・トゥランクリスティアン・ロドリゲス

ファルカオは失ったがビジャとの契約に成功したアトレティコ。素晴らしい能力のある2トップの形を維持し、シメオネ体制も磐石とあって、結果が出ている。

■攻撃は機能せず

マドリーの攻撃は、アトレティコを相手に全く機能しなかった。

アトレティコの2ラインに対し、マドリーは中にボールを入れることがほとんどできず。縦パスが入らないので、イスコが中央で前を向く機会は訪れず、アトレティコの守備に存在を消されてしまった。

マドリーとしては、バイタルにボールを入れて、2列目に前を向いてプレさせたかったところなのだが、そういった縦パスがなかなか入らないところに今の難しさがある。

縦パスが出ないことについては、受け手と出し手の両方の問題がある。

受け手は、まず前提としてもらう動きが少ない。立っていてボールが入るのならば良いのだが、そう易々とはやらせてもらえないので、動いてボールを貰いにいく必要がある。

確かにポジションチェンジはしながらやっている。だが、縦に入るボールに対するものというよりは、後で触れるサイドで貰うような形のためになっていることが多く、より危険な位置にボールが入っていかない。

また、9番で先発するベンゼマは、相手を背負ってボールを受けるといったことは苦手だ。上手いが故にキープしてタメを作るようなことができず、あっさりと奪われることが目立つ。こうしたことでは、2列目に落とすようなことは全く期待できない。

もちろん、ベンゼマ個人の問題だけではなく、彼を向かない9番で使い続けなければならないこと自体が大きな問題なのだが、それは以前も触れているし、再度ここで書くことはしない。

しかし、現状彼が9番として使われ続ける以上、きれいなプレーだけで良いというわけにはいかない。エレガントではなくとも収めるようなプレーをすることも求められる。少しでもそうした改善が見られないと、彼の使いどころはどんどん限られていくことになってしまう。

一方、出し手の問題は手間をかけないこと。

ケディラモドリッチかイジャラメンディと組むことが多いが、このポジションから良いボールを継続して供給する必要があるのに、簡単にサイドに任せてしまうことが多い。ケディラがパートナーのサポートにいくことも少なく、困ってサイドということがしばしばあるのが残念だ。

本来であれば、最終ラインやこの2人を中心にボールを動かしながら、中央への楔を入れるチャンスをじっくり伺うべきなのだが、ロングボールに頼ったりサイドに渡したきりにしてしまったりしている場面が目立つ。

これでは、バイタルで危険なプレーを何度も見せることは出来ない。

サイドにボールを渡すと、特に上手くいっていない時はどうしてもモウリーニョ時代のやり方に戻ってしまいがちだ。

この試合でも、ロナウドが3人ほどを相手にサイドでボール運びを強いられていることがあった。今はそうした状態にならないようサポートをしっかりしていかなければならないのだが、彼らに任せてしまうかつてのやり方は、なかなか抜けそうもない。

以前のように速い攻めを中心に考えていないので、サイドのスペースも限られており、突破に成功する確率はぐっと落ちているのだが、攻撃を何度も何度も作り直すような手間のかけ方を90分続けるまでには全く至っていない状態。

こうしたことから、マドリーの攻撃はアトレティコの守備陣の周りを撫でるだけに終わっていた。完成度では完全に劣っていたと言う他ない。

だが、だからと言ってやり慣れたスタイルに戻ることは考えるべきではない。

奪ってシャビ・アロンソからサイドへ、というシンプルな攻撃から考えると、多くの選手が絡むことが多くかなり複雑になっているので、時間はかかるだろうが、結果を気にして逆戻りすることは、長期的にはチームのためにならない。

ここで以前のスタイルに戻るということは、マドリーにとってしばらくの間大きな課題だったアタッキングサードでの崩しを、またも放棄することとなる。

イスコという才能を手に入れて、ようやく出口が見えそうになっている中、短期的な結果のために目標を見失うべきではない。

時間はかかるだろうし、その間勝ち点を落とすこともあるだろうが、試合の中で良い時間帯が作れてきているのも事実。

今はそうした内容を90分継続できるよう、努力を続けていくべきタイミングだ。

■悪循環

攻撃が発展途上なのは仕方ないが、守備や判断はモウリーニョ時代からきちんと引き継がなければならないもの。もっと言えば、攻撃が難しい時期だからこそ、そうしたことを大事にしていかなければならない。

それにも関わらず、この試合で失点したような場面を作ってしまっていることは非常に残念。ディマリアが低い位置で時間をかけ、アトレティコの寄せにボールを失ってしまった。

攻撃がうまくいっていないと、どうしても悪循環は生まれる。

何かしなければいけないという思いはピッチにいれば出てくるものだし、それ自体は良いのだが、そうした思いは焦りにつながってしまいがちだ。

ディマリアは、ベイルがコンディション不良のため連戦先発を続けており、彼のコンディションの低下も判断力低下のひとつの要因かもしれない。疲れると思考が鈍るので、うまく選手層を生かしていってもらいたいところ。

コンディションの低下が原因なのか、新体制初の大きな試合だからなのかはわからないが、このレベルでは当たり前にやってほしいようなパスでミスが目立ったのも気になるところ。

少しずつずれて繋がらない場面が多く、全体のリズムを悪くしてしまっていた。

これほどパスミスする試合はそうそうないので、先々まで心配する必要はないだろうが、これまで何とか結果も残してやってきた形が、そうした些細なことが原因で終わってしまうようなことがあっては悔やみきれない。

この試合はこの試合として、切り替えて悪循環を断ち切ってしまいたい。

■次へ

デルビーということで、負けられないムードはある程度あったが、蓋を開けて見れば、アトレティコの方がチームの出来は完全に勝っていた。

点差以上の差があったが、手っ取り早い方法に戻るような声が大きくならないことを祈っている。すっきり割り切って次節を迎えたいところ。

CLコペンハーゲン戦をはさみ、次節はレバンテとアウェイで対戦する。