レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CL準々決勝第2戦 vドルトムント

一日遅れながら、ドルトムント戦を振り返る。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:カルバハル、ペペ、セルヒオ・ラモス、コエントラン

MF:シャビ・アロンソ;イジャラメンディ、モドリッチ

FW:ディマリア、ベンゼマ、ベイル

46分:イジャラメンディ→イスコ、73分:ディマリア→カゼミロ89分:ベンゼマ→バラン

ディマリアが前線に入り、中盤にはイジャラメンディが加わった。

ドルトムントの先発メンバー

DF:ピシュチェク、、フンメルス、ドゥルム

MF:キルヒ、ヨイッチ;グロスクロイツ、ロイス、ムヒタリアン

FW:レバンドフスキ

82分:ピシュチェクオーバメヤン

レバンドフスキが出場停止から復帰。ピボーテはケールが出場停止ということもあり、第1戦から2人とも変更。

■失敗の前半

マドリーは無得点でも2失点までなら勝ち抜け。ドルトムントを勢いづかせる早い時間の失点は避けたいと招集リストの記事でも書いたが、じっくりボールを持っていこうという意思が序盤からはっきりと見られた。

うまく時間をつぶしていたのは間違いないのだが、問題だったのは、高い位置にボールを運んで回すのではなく、最終ラインでのポゼッションばかりだったことと、それを改善しようという動きが全体としてなかったこと。

無理に縦にボールを入れる必要がなかったのは確かなのだが、マドリーのプレーヤーのプレー選択があまりにも保守的過ぎ、ドルトムントは後方の憂いなくプレスに出ることが出来ていた。後ろへ後ろへと下げられるボールを、ドルトムントの前線のプレーヤーは勢いよく奪いにきていた。

裏を狙う形を何度か作れば、ドルトムントの対応は変わったかもしれないし、仮に対応が変わらずリスクを負って点を取りにきたとしたら、マドリーは決定的なアウェイゴールを得るチャンスを作れていただろう。

得点が必要なドルトムント攻撃機会を減らすためにどういなすか、という点で、マドリーのやり方は非常にまずかった。

16分にPKを獲得したところで、勝ち抜けを決めるアウェイゴールを決められなかったのも痛かった。ディマリアのキックは滑ったこともあってバンデンフェラーには簡単なコースに。

これにより、図らずも試合が動くことになってしまった。試合が動くのであればもちろん先制したかったところで、それができなかったことで、ドルトムントの方に流れが傾いていく。

マドリーのボールの動かし方のまずさもあって、その流れを落ち着かせるような場面を作ることができないまま、前半を過ごすことになった。

1失点目は24分。

ペペがヘディングでカシージャスに下げようとしたボールが中途半端になり、狙っていたロイスが奪ってカシージャスをかわしそのままゴール。後ろ向きだった繋ぎを狙われた。

2失点目は37分。

最終ラインから入ったボールをイジャラメンディが落とそうとしたところ、パスが短くなりロイスに奪われ、レバンドフスキへパス。レバンドフスキのシュートはカシージャスが僅かに触ってポストを叩いたものの、リバウンドに先に反応したロイスが押し込んだ。

より問題が大きいのは2失点目。

後方でボールを持っている時に、それを前に運ぼうという形が全くないのに狭いところを通してピボーテに当てたことで、このレベルでやるならきっちり通落として欲しいところではあったが、イジャラメンディのプレーが難しくなったことは確か。

ショートパスを繋いで無理せずロングボールを使うか、できれば裏狙いを見せておきたかったのだが、中途半端に繋ごうとしたことで傷口を広げる結果となった。

初戦のリードを生かすために、そうした割り切り、普段とは違うやり方への対応を見せて欲しかったのだが、ちぐはぐなままにとりあえずボールを持っていることが露呈してしまった。

前半はサイドのベイル、ディマリアも独力でボールを持ち上がることもできず。組織としてうまくいかなくても、個人でどうにかしてしまえるのが彼らの値段の高さの所以であるはずだが、この試合では組織の悪さとともにどこかへ消えてしまっていた。

■修正の後半

前半良くなかったイジャラメンディを下げ、イスコを出場させた後半。

イスコがサイドに出て、ディマリアがいつもの中盤に戻ってきた。

これによって、後半の早い時間帯はいつものマドリーに近いボールの動かし方が見られた。高い位置に進出できるようになっただけで、前半とは雰囲気がまるで違う。

イスコは前半はなかった前線でのタメを作ったり、降りてきて組み立てに参加したりと幅広い仕事。全てが完璧とはいかないまでも、チームを動かそうとしていた印象。

中盤にディマリアが入ったことで、引っ掛けられる恐れは依然あるものの、前にボールを運ぶ形が復活。このあたりがイジャラメンディとのタイプの違い。逆に言えば、ポジションを維持するイジャラメンディは、少々難しくても後方でのパス回しを落ち着かせられるところを出して欲しく、その点でこの試合のミスは悔やまれる。しっかり学んでもらいたいところ。

ドルトムントはチャンスが出てきたことで、逆に慎重に試合を運ばなければならなくなった。前半より落ち着かざるを得ない場面が増え、マドリーにとってはやりやすくなった。

とは言え、チャンスの数はドルトムントが圧倒。ムヒタリアンカシージャスを抜いた場面で決められていれば、勝ち抜けの行方はいよいよわからなくなるところだったが、数多くのピンチを凌げた幸運はまだマドリーにあった。

カシージャスのプレーも特筆に値する。

試合間隔がありながらこの大きな試合でプレーする自体非常に難しいのだが、近い距離のシュートに対する反応は相変わらずで、ほとんど変わらないパフォーマンスを見せてくれた。これこそが”サン・イケル”たるプレーだ。

少なくとも今シーズンのうちに起用法が変わることはないだろうが、このままのレベルを維持してくれればと思う。

70分過ぎからはドルトムントもスペースを空けるようになったので、攻め合いの様相。

マドリーにもゴールチャンスはあったが、決めきれず。バルセロナ戦などリーガでの大きな試合では得点を決めたベンゼマには、ここでも期待したい(というよりせざるを得ない)状況だったが、淡白過ぎるほどに淡白だった。

終盤はカゼミロ、更にバランも入れて守備固めに専念。

カゼミロは波が激しかったが、全く試合に入れないという程ではなく、難しい時間帯に対応。良いプレーが続けば、と思わせるが、まだまだ今後に期待というところ。

最後のロングボール攻勢に耐え、何とか2失点で切り抜けて準決勝進出を決めた。

第1戦を無失点で終えたことがギリギリのところで効いた。

■準決勝へ

前半の出来は酷かったが、ハーフタイムによく立て直してくれた。結果を得るために、失敗を修正できたことは評価したい。

もちろん、前半のような失敗は今後は許されないので、しっかりしてもらわなければならない。

準決勝に勝ち上がったのは、マドリーの他にチェルシーバイエルン、そしてアトレティコ。リーガから2クラブがこのステージに上がれたことは素晴らしい結果。

組み合わせ抽選は金曜日に行われる。

ここまで来たら、そろそろベスト4も突破できるところを見せてもらいたい。