レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第38節 vエスパニョール

今シーズンのリーガもいよいよ最終節。とはいえマドリーは既に何もかかっていない状態。CL決勝に向けて嵐の前の静けさというような試合となった。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:カルバハル、セルヒオ・ラモス、バラン、マルセロ

MF:ディマリア、イジャラメンディ、ケディラ、イスコ

FW:モラタ、ベイル

46分:カルバハル→アルベロア、64分:ケディラモドリッチ、68分:ベンゼマ→モラタ

ロナウドは先発との報道だったが、直前のアップを切り上げてそのまま出てこず。代わりはイスコとなった。

エスパニョールの先発メンバー

GK:カシージャ

DF:ハビ・ロペス、コロット、エクトル・モレーノ、フエンテス

MF:ダビド・ロペス、ビクトル・サンチェス;セルヒオ・ガルシア、アブラハムゴンサレス、シモン

FW:ストゥアニ

63分:アブラハムゴンサレスコルドバ、66分:ビクトル・サンチェス→アレックス、69分:シモン→ピッツィ

残留も決まっておりこちらも何もかかっていないエスパニョール。

■緩い雰囲気の中頑張るマルセロ、イジャラメンディ

マドリーはリーガでは良くて2位というポジション(最終的には3位のまま)。開催時間が早かったこともあってベルナベウもガラガラで、そのことがまた試合の緊張感に影響したような雰囲気になった。

恐らく次の週末も先発が固い攻撃陣ベンゼマ、ベイル、ディマリアといった面々は、手を抜くわけではないにしろ怪我を避けようとするようなところもあり、相手との接触にはデリケートな感じ。

前半はボールは持つが、アタッキングサードでのプレーの精度を欠いてチャンスを多く作ることはできなかった。

そんな中、コエントランと今マドリーで最も激しい先発争いをしているマルセロは熱の入ったプレーを見せた。

再三左サイドの高い位置に進出し、良いクロスが何本か。ボールを持って何か起こそうという気迫が感じられ、印象は良かった。得点に直接繋がることはなかったが、こうしたモチベーションがあり、ピッチで見せられるということ自体が大事。

サイドバックアンチェロッティが最後まで悩むポジションになるだろう。

シャビ・アロンソの出場停止により出番が回ってくるだろうイジャラメンディも元気。

守備面で気の利いたポジショニングからボールを取り返すことが何度かあって、その面では成長を期待したい。

シャビ・アロンソとは違い、味方と近い距離感でプレーしたほうが持ち味が出る彼は、こうしたテンションの試合で、しかもメンバーもあまりない組み合わせとなっては、攻撃面では見せ場を作るのは難しく、それはやむを得ない。

中盤での切り替えを早くする必要があるだろうアトレティコとの対戦を考えると、守備面で同様のことができることを見せておくことの方が正しいかもしれない。

シャビ・アロンソの展開を恋しく思う時があるかもしれないが、イジャラメンディはイジャラメンディのスタイルで攻撃を作ってもらえれば。彼個人にとっては残念な夜となったドルトムントとの第2戦を経て、どこまで精神的に成長しているか。ああいった失点に直結するようなミスはもうなしにして、中盤をしめてもらいたい。

■先制後はドタバタ

マドリーの先制は64分。

裏にうまく抜け出したベイルが右足でシュート。利き足ではなかったが、ポストに当たって入る素晴らしいコースに飛んだ。

内容はともかく、弾みをつけるために勝ってリーガを終えたかったマドリーにとっては、遅くなったが重要な得点。

ただ、ここから試合は一気に大味に。

互いに中盤はなく、ゴール前を行ったりきたりする時間が続き、得点の雰囲気も出ては来たが失点の恐れも同じように出てきた。ゆるい試合で先制し、ベルナベウ全体としても何となく安全圏のような雰囲気に包まれていたが、まだ1点差。追いつかれでもすれば、そこから緊張感を高めていくのは非常に難しいと思われ、バレンシア戦以降勝利なしでリーガを終えてしまうことも考えられた。

以前も少し書いたが、こうした弛緩した状態から一週間で最高の試合に向けた緊張感を取り戻すことができるのかどうかが非常に不安。

優勝を決めてきていたバイエルンの例を出すまでもなく、一度下降した気持ちを再度上げるのはなかなか難しいもの。

肉体的なものであれば、休養すれば負傷は回復するし蓄積した疲労もなくなるのだが、精神的な部分は「ここまで休んで、その先で高める」ということは自然には難しく、それができる人とできない人がいる。

この1週間で取り組むべき一番大きなポイントは、全員がCL決勝でプレーするに足る適度な緊張感を持つよう、うまくコントロールすることだ。

エスパニョールもゴールに迫ったが、追加点はマドリー。

86分、ディマリアのグラウンダーのクロスにモラタが合わせた。

アディショナルタイムにピッツィに決められたことは残念だったが、とにかく良い教訓になってくれれば今はそれで良い。こんな内容でも勝ったことが大事。

最後は、ディマリアとモラタが抜け出し、ディマリアは欲を出さずにカシージャを外してモラタへパス。モラタはちょっとボールが足元に入りすぎたが、枠は外さず。シーズン8点目となるゴールを決めて3-1とし、試合を決めた。

■いざ!

結局出場しなかったロナウドは5~6日の離脱と発表されている。決勝には出場するという意味に捉えていいだろう。

その他負傷明けのメンバーでは、ディマリアとケディラは問題なさそう、後半からピッチに入ったアルベロアも大丈夫そうで、懸案はペペのみ。穴は大きくともバランに頑張ってもらうことになるかもしれない。

足の付け根を痛めたように見えたベンゼマだったが、今のところ大きな報道はない。アンチェロッティも決勝出場に問題はないと述べており、恐らくは大丈夫だろう。

このタイミングでシーズンが全て終了していないのは素晴らしい。早めに終わってしまったシーズンも何度か見てきただけに、最後の最後まで楽しめ、総括を一番最後にできるのは幸運なことだと強く感じる。

マドリーもアトレティコも負傷者が出ており、互いに万全とはいえない中での試合にはなるだろうが、まずは決勝にふさわしい試合を。その上で、マドリーが勝ってくれることを祈る。

12年。長い流浪ではあったが、今こそヨーロッパの王座に戻ってほしい。