レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第34節 vバジャドリー

バレンシア戦に続いての引き分け。2節を残し、リーガの優勝は極めて厳しくなった。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:ナチョ、ペペ、セルヒオ・ラモス、コエントラン

MF:シャビ・アロンソモドリッチ、イスコ

FW:ディマリア、ベンゼマロナウド

8分:ロナウド→モラタ、73分:イスコ→イジャラメンディ、77分:ベンゼマ→マルセロ

会見での発言通りカシージャスが先発。右サイドバックはナチョとなった。

バジャドリーの先発メンバー

GK:ハイメ

DF:ルカビナ、バリエンテ、ミトロビッチ、ペーニャ

MF:アルバロ・ルビオ、ビクトル;ジェフレン、オスカル、ベルディヒ

FW:ハビ・ゲラ

64分:オスカル→ラーション、73分:ジェフレン→オソーリオ、82分:ビクトル→バラハ

ギリギリの残留争いをしている4クラブのうちの1つ。ホームの後押しは素晴らしかった。

■同じ4-3-3でも

マドリーはディマリアをサイドに置いて、中央はイスコとモドリッチ。守備時はいつものように4-4-2に近くなるが、最近の試合の中では4-3-3に近く見える時間が長かった。

結果を出せていた時の4-3-3は、ディマリアがサイドではなく中央に入って、そこから左サイドに出て行くことに大きな特長があった。ディマリア、ロナウド、マルセロの3人が左サイドに出入りを繰り返すことで数的優位を作って相手のマークをずらしていく形。

中盤の人数が足りなくなるリスクはあるが、逆サイドの絞りと、ディマリアが驚異的な運動量でさぼらず戻ってくれることが期待できるので、左サイドの優位と守備の安定を絶妙なバランスで保っていた。

同じ4-3-3でもディマリアをサイドに出すとこの長所がなくなる。

中盤はパサーが並ぶことになり、ポジションをずらして変化をつけることが減り、流動的なのは前線の3人ばかりとなる傾向が高まってしまう。

もちろん、それ自体が問題なのではない。そうなった場合は、中盤と前線の距離を縮め、優秀なパサーから前線に効果的に数多くのボールを供給すれば良い。ベンゼマは楔を収める点については素晴らしいので、彼に当ててイスコが近い距離で絡むような形が作れれば、アタッキングサードでアイデアが生まれる。

だが、今日のマドリーにはその雰囲気はなく、プレーヤー同士の距離

がいつものまま。この4-3-3でその状況ではチームとしての形は多く作れない。

であれば、サイドの個人能力で何とかできるのがマドリーのようなクラブの強み。バジャドリーは勝ち点を求めていたし、スペースができそうな試合の状況ではあった。

ところが、不運にもベイルは不在で、ロナウドも8分に下がってしまい、自分で仕掛けられるのはディマリアだけに。ディマリアも1人でやれるプレーヤーだが、ロナウドのように自分でゴールに向かうのが得意なわけではなく、ゴールに直接繋がるような迫力には欠ける。

こうしたことからマドリーの攻撃は停滞。

どちらかと言えばイスコやモドリッチベンゼマの距離を近くして、ワンツーなどで守備を崩していくやり方を取りたかったが、そうした運動量はなく、淡々とやってしまった印象。

セルヒオ・ラモスのフリーキックで前半のうちに先制できたのは実際のところ幸運だった。

攻撃面では厳しい前半だったが、セットプレーでこのところ得点に繋がるプレーが続いていることは評価できる。

コーナーやフリーキックが直接的な脅威になればファールになることを恐れて流れの中の攻撃にも良い影響がある。セットプレーについてはこのまま改善していってもらいたい。

■不安な守備

マドリー相手とはいえ残留に向けて勝ち点が欲しいバジャドリーは後半から少しずつ前に出だした。

マドリーの守備に大きな破綻はなかったが、CLで見せた集中したプレーに比べればやはり数段落ちる内容といわざるを得ない。バイタルでかなり楽にボールを持たせ、前を向かれていたし、そこからサイドを使われる展開が特に後半は目立った。

守備時は4-4-2ではあったが、ディマリアが前に残ることもあり、モラタとイスコの両サイドになっていたことも影響しているだろう。上に書いたように、ディマリアではロナウドやベイルが残るのに比べると直接的なゴールの脅威は少ないのでバジャドリーは多少安心できて人数を割けるし、サイドの守備は両サイドともに不安。

バイエルンとの第1戦のように、イスコのサイドだけ使われるのであればそこから攻撃に転じることもできるのだけれど、両サイドが万全でないとなると話は変わってくる。

時間が経つにつれてスペースは出来ていくが、マドリーの攻撃陣はそれを生かせず。速攻の形は何度もできていて、ゴールに迫ってはいたのだがシュートに至らない回数も前線の守備貢献は大きくなかったので、終盤に守備陣を楽にする2点目を取って欲しかった。不安がある状態だったので尚のこと。

70分以降は攻め合いになり、バタバタと激しい展開になって、万全なマドリーならば試合を終わらせられたかもしれない。難しいやりくりを強いられる状況だったことは残念。

前線を交代でリフレッシュすることはほとんどできないので、守備的なプレーヤーを投入。、カウンターに向けたパスというよりただ跳ね返すばかりになってもなりふり構わず逃げ切りを図ったが、85分にオソーリオに同点ゴールを許す。

イジャラメンディに当たってカシージャスの届かないコースに飛んでしまったことは不運だが、クロスに対して前に入られたことがそもそもの問題。クロスしかない状況でこうした守備をしてしまうのは辛い。

マドリーは慣れないパワープレーで勝ち点3を狙うも実らず同点で試合終了。バジャドリーにとっては大きな勝ち点1を分け合うこととなった。

■リーガはほぼ終戦

試合後にアンチェロッティが試合に臨む精神的なエネルギーが不足していたと述べていたが、攻守にわたって停滞気味だったことは確か。CLで決勝に進出し、一時的な達成感もあって緩んだことがあるのかもしれず、タイミングとしては致し方ない点はあるだろう。

この試合については、それに加えて重要な負傷者が多く、本来なら何とかできるところでそうできなかったということがあって、悪い状況に追い討ちをかけた。

こうした難しい試合で勝ち切れなかったことは、残念ながらマドリーがリーガを制するに値しないことを象徴しているとも言える。

上位との対決に勝てず、下位相手の難しい状況での試合でも取りこぼしてしまうようでは、高いレベルのクラブと競り続けるリーガで優勝するのは難しい。どちらかで勝ち点3を確保できないと、こうした結果になってしまうという良い教訓だ。

リーガは残り2節。数字上は優勝の可能性は消えていないが、アトレティコの勢いを考えると連続しての取りこぼしはなさそう。

加えてバルセロナの取りこぼしも望まなければならず、それを期待するのは難しい。

こうなってしまった以上、まずはCL決勝に向けてコンディションを整えながら、モチベーションも高められる結果を残り試合で出していくことを考えた方が良い。

あと2週間をうまく利用していきたい。