レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CLグループステージ第6節 vマルメ

マドリーにとっては消化試合の第6節。ベルナベウの観客の入りも少なく、親善試合のような雰囲気。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャ

DF:ダニーロ、ペペ、ナチョ、アルベロア

MF:カゼミロ;コバチッチ、ハメス・ロドリゲス

FW:イスコ、ベンゼマロナウド

52分:ペペ→マルセロ、64分:ハメス・ロドリゲス→へセ、75分:コバチッチ→チェリシェフ

アルベロアは久々の出場。意外と主力組の多い11人となった。

■マルメの先発メンバー

GK:ビラン

DF:ティンネルホルム、アルナソン、カルバーリョ、ヨトゥン

MF:ラキップ、レビツキ、アドゥ、サナ

FW:ベルゲ、ジュルディッチ

46分:ジュルディッチ→ロディッチ、63分:サナ→メフメティ、76分:ラキップ→クルーン

3位となりELへ行く可能性を残してはいるマルメ。アウェイながら彼らにとっては勝ち点が欲しい試合。

アンチェロッティとの違いは

マドリーはカゼミロを底に置いた4-3-3。守備時にはイスコが中盤に組み込まれて4-4-2となる。

先週末のヘタフェ戦同様、アンチェロッティ期の形に戻っている。昨シーズンを知るプレーヤーはやりやすそうな印象で、連動して動けていることが多かった。

以前もこの4-3-3を採用したことはあるが、いろいろな形を使いながらアンチェロッティ期の形に戻りつつあるというのは興味深く、先述としてはベニテスの独自色を出すより、前任者の遺産を活用した方がいいという判断かもしれない。そうなれば、プレーヤーの起用法で色を出していく、ということになるのだろう。

注目はカゼミロ。

前回のマルメ戦あたりから重用され始め、当たり負けしない守備と精度が高くシンプルな捌きを両立してできており、中盤の低い位置で重要な役割を担っていたが、守備が大切なはずのバルセロナ戦ではベンチとなり、以降それまでのようなプレー時間は与えられていなかった。

この試合では守備面で存在感が強く、広い範囲をカバー。マルメがボールを運ぼうとした時、まず彼が立ちはだかっていた。特に、ボールを奪うプレーの正確さが光る。遅らせるだけでなく、奪いに行って早めにマイボールにしてしまう彼のプレーによって、マルメの攻めの芽の多くを摘み、マドリーが長い時間攻めることが可能になっていた。

この試合で先発したコバチッチ、ハメス、出場のなかった他の中盤のプレーヤーと比較してもその守備力は抜きんでている。攻撃的なプレーヤーが多い構成となりがちなマドリーにあって、彼のような存在は貴重。

また、ただ守れるだけでなく、パスも一定水準の精度をクリアしているのもポイントで、ケディラのように味方からパスが出てこないプレーヤーと違い、守備のために彼を使っても攻撃の質を落とさずに済む。

最初に書いたプレーヤーの起用法という点で言えば、クロースに底の全てを任せていたアンチェロッティとの違いを出すことができるのが、カゼミロだと言える。彼をうまく使うことが、ベニテスの4-3-3の特色になって行くかもしれない。

■久々のフィエス

マドリーはやり慣れた形でマルメを圧倒。アタッキングサードでの崩しは、停滞することもあるがかなり効果的。マルメの守備を細かいパスで突破する場面が何度かあった。

奪われた後の対応も速く、3、4人がすぐに取り囲んでボールを奪う。マルメが完全に下がっていたこともあって、ペペも相手陣まで顔を出してプレスの人数を確保していた。

こうしてほとんどマルメ側のハーフから出ることなくボールを持って攻撃を継続。いかに不調といえども、マドリーがそこまで押し込めば決定的なチャンスは多く生まれる。

11分のベンゼマのゴールを皮切りに、23分にベンゼマ、38分にはロナウドフリーキックで得点を挙げた。

マルメは結果が欲しかった試合で、マドリーとは違い消化試合ではなかったのだが、そうであるがゆえに、立て続けの失点でパニックになったかもしれない。

攻撃は全く脅威とならず、守備も人数はいるものの後手を踏むことが多く、マドリーは余裕を持ってボールを動かしていた。

ヘタフェ戦は前半4点の後、全く緊張感のない後半を過ごしたが、この試合では後半もどんどんゴール前へ。

46分、49分と立て続けにロナウドがゴール、58分にも得点し4点。GSでのゴール数を11とし、新記録を作った。

69分にはコバチッチがマドリーでの初ゴール。

前半2得点のベンゼマも73分に追加点を挙げてハットトリックポストプレーで相変わらず攻撃の基点となりながら、自らも得点。コンディションが上がってきているようで、頼もしい。

守備では数度シュートチャンスを作られたものの、それだけ。マルメに決定機は与えず、ピッチの半分で好きなだけボールを回しチャンスを作り、得点を挙げた。久々にすっきりする内容のフィエスタでGSを締めた。

■今後に繋がれば

既に首位通過を決めており、実質的にこの勝利が意味するものはないのだが、セビージャ、バルセロナと連敗し、ピッチ内外で暗い話題の多いマドリーにとって、こうした大勝は雰囲気を改善するために大事にしたいもの。

ベニテスがかなり主力を投入したことで、後につながる結果を得られたとも言える。先々を考え、コンディション維持のため無理をしないのがベニテスの哲学だったはずだが、その点でも少し変化があったのかもしれない。

観客は少なめだったとはいえ、相手に何もさせず大量得点を挙げる試合をしたことで、ベルナベウの雰囲気も変わるかもしれない。

ホームスタジアムでブーイングが日常というのは、事情はどうあれやはり切ない。要求は高くあるべきだが、プレーヤーが後押しを感じられるスタジアムになってくれれば。

週末はベルナベウを離れ、アウェイでビジャレアルと対戦する。