大変遅ればせながら、ベティス戦を簡単に振り返る。
■マドリーの先発メンバー
GK:ケイラー・ナバス
DF:ダニーロ、ペペ、バラン、マルセロ
MF:モドリッチ、クロース;イスコ
64分:ダニーロ→カルバハル、80分:ハメス・ロドリゲス→へセ
ダニーロとハメスが先発。
■ベティスの先発メンバー
GK:アダン
DF:モリネーロ、ペッツェーラ、ブルーノ・ゴンサレス、バルガス
MF:ペトロス、エンディアイエ;カディル、ルイス、セフード
FW:ルベン・カストロ
52分:ルイス→セバージョス、58分:カディル→ホアキン、76分:セフード→ポルティージョ
ホームでここまで9試合を戦い勝ち点6、得点も6。アウェイで勝ち点15を得ているのに、もったいない状況である。
■簡単に
ジダン体制3試合目のマドリー。
デポルティーボとスポルティングはベルナベウでの試合で、様子を見ながら戦わざるを得ない部分もあり、まずはブロックを作ろうという入り方だった。そして結果としては、序盤からマドリーが安定してボールを持ち、攻撃陣がアタッキングサードで躍動することとなった。
ベティスはこの2試合の相手とは異なり、高い位置で追い回すスタイル。球際も激しく、奪えなくても攻撃を寸断しようという気迫のあるディフェンスを展開した。
ボールを持つ強いチームへの対応としてはリトリートが定番ではあるが、今のマドリーのようにまだまだオートマチックとはいかない状態のチームであれば、追い回して最低でも流れを止めて帰陣することを徹底すれば、攻撃を停滞させることができる可能性はある。
そうしたベティスに対し、マドリーにも問題があった。
過去2戦は相手があまり出てこなかったこともあって、後方でのポゼッションはあまり心配なかった。前線の運動量が復活したこともあり、ボールを失った後の取り返しも早く、前に出てプレーする傾向になっていた。
ボールを持てている時にモドリッチとクロースが高い位置に出て行くのは当然なのだが、その判断が甘くなると後方で苦しいポゼッションを強いられることとなる。
この試合ではベティスが高い位置で頑張っていたのに対し、マドリーが後方でのポゼッションを安定させられるだけの人数を割かなかったことで、クリア気味のロングボールが増え、自陣に逼塞させられることになってしまった。
また、前に出てボールを奪おうとする姿勢で失敗すると、数的不利な状態で一気に攻め込まれることになる。
失点の場面が象徴的で、ペペが降りていった相手についていったところワンタッチで外されスピードに乗って攻められることに。さらに悪いことに、カバーに回ったバランもあっさりかわされたことで致命的な場面となった。
一度はナバスがセーブして、その跳ね返りからの二次攻撃で素晴らしいボレーが決まったので、失点の直接的な場面ではないのだが、出て行ってかわされるとこれほど守りが大変になるということを再認識できる場面だった。
全体のバランスは30分頃から徐々に修正され始める。モドリッチとクロースが下がって組み立てを助けるようになり、ベティスの当たりにも対処できるようになってきた。
思い通りにいかない展開でも途中で修正できるようになったこと自体、前半戦とは大きく違う。結果はともかく内容的には低空飛行を続けていたことを考えると、試合中に改善できるようになったことには期待が持てる。
結果としては1-1でドローと、本来やれるレベルを前々節、前節と見ることができた今となっては残念なものではある。しかし、序盤の苦戦、失点から良い内容に持ち込めたことは評価に値する。
チームとして90分をどう戦うのかは、まだまだ定まっていない部分もあるだろう。序盤のポイントは今後の改善に期待。