レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第23節 vエスパニョール

今週もミッドウィークに試合がある。ローテーション必須の過密日程をうまく乗り切れるか。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャ

DF:カルバハル、ペペ、バラン、ナチョ

MF:クロース;イスコ、コバチッチ

FW:ルーカス・バスケス、モラタ、ロナウド

61分:コバチッチ→カゼミロ、71分:モラタ→ベイル、81分:ナチョ→マルセロ

ナポリ戦から続けて先発となったのは、カルバハル、バラン、クロース、ロナウドのみ。ジダンは先発を大幅に入れ替えた。

エスパニョールの先発メンバー

GK:ディエゴ・ロペス

DF:ディエゴ・レジェス、ダビド・ロペス、ドゥアルテ、アーロン

MF:ディオプ、ハビ・フエゴ;レジェス、フラド、ピアッティ

FW:ジェラール・モレノ

46分:レジェスエルナン・ペレス、82分:フラド→アルバロ・バスケス

中位につけるエスパニョール。アウェイで勝ち点15は立派。

■攻撃にはまずさがあるも・・・

ローテーションを行った試合ではままあることだが、攻撃はスムーズさを欠いた。

最終ラインの前で受けに入る者がおらず、楔が入らないので、中央から崩す形を作れなかったことが大きな原因。中央を意識させられないままにサイドにボールを動かしても、相手の守備が収縮しておらず崩すのは難しくなる。

1対1か1対2で確実に突破出来ることが条件になってしまうと、いくらマドリーでも厳しい。

本来ならモラタが積極的に降りてきて関与すべきだっただろう。

だが、彼が高い位置に張り付いていたことにも同情の余地はある。久々の先発出場でアピールを狙うには、まず目指すのはゴールなのだ。組み立てに関わるべく下がってくれば、そのスペースに誰かが飛び込むかもしれないが、それが彼自身である可能性は下がる。数字に残る結果を積み上げるためにプレーしたくなるのも仕方のない状況だった。

それでも、そのモラタを含めCLで控えだった面々の守備への切り替えの早さ、ボールへの執着心は見事だった。

よく追っていたし、ギリギリまで足を出すことで、エスパニョールの攻撃を早い段階で潰せていた。こういうプレーは後方を楽にする。攻撃では思うようにチャンスを作ることはできなかったが、守備の強さは先発組以上のものを見せてくれた。

粘り強いプレーで試合は締まる。愚直にボールを追う姿に指笛は吹かれないものだ。チャンスは少なくとも、ベルナベウはさほど焦れることがなかった。

モラタが報われたのは33分。右サイドからのイスコのクロスを頭で合わせた。

イスコのボールの精度が高く、モラタも良いタイミングで動き出した。数少ないシュートチャンスをきっちりものにするのは、今のベンゼマには感じられない長所だ。守備の頑張りもあって、かなり良い印象を残した。

■守備の強さは保って

後半もエスパニョールの堅守は変わらず。

マドリーの切り替えも衰えなかったので、奪われて危ないシーンはほとんどなかったが、攻め手が少ないことも同じ。

パスは前に入らないのは前述の通りで、コバチッチ、イスコのところで持ち上がれなかったのも痛い。危ないところはディオプやハビ・フエゴがしっかり潰していて、中盤の独力での解決をさせてくれなかった。

61分にコバチッチに替えてカゼミロを投入した時点で、ジダンとしては1-0の逃げ切りを念頭においていたのではないだろうか。

攻めてはいたものの決定的な場面は少なく、かといって無理に攻めに出る必要もないということで、残り30分の守備に保険をかけるような交代だった。

マドリーの守備は、ピアッティ、レジェス、後半から出てきたエルナン・ペレスと、サイドで突破できるプレーヤーにずっと楽をさせなかった。ここにスペースを与えると面倒になる、というプレーヤーを、前線も含めて丁寧に消し、悪く言えば攻めあぐね、かなり押し込んでいた状態でもカウンターの糸口を与えず、ボールを回収し続けていた。

リーガでこれほど集中した守備を続けられる試合はそう多くはない。アトレティコバルセロナとの大きな試合を除けば、1シーズンにあといくつあるだろうかという程度。

控え組主体でコンディションがある程度整っていたということがあるにしても、守備を最後まで保っていたことは高い評価に値する。

71分、遂にベイルが復帰。ベルナベウのマドリディスタも大きな歓声で迎えた。

彼のコンディションは、まだまだこれからかなというところ。CLを見据える形でフル出場に耐えられるよう調整して行くことになるだろう。それでも、チームに引っ張られるかのように守備に戻っていたし、スピードは健在だったので何より。

復帰戦でゴールを決めてしまうのだから、言うべきことはなくなってしまう。

84分、カウンターに出るところを一度は引っ掛けられたものの、ロナウドからイスコに改めて展開。ベイルはスルーパスを受け、左サイドから中へ。角度がなく、左足でファーを狙うと枠から逃げていく軌道になるところから、ポストに当たる精度の高いシュートを決めた。

自陣からずっと走ってきて、最初のタッチ、シュートと乱れることがなかった。こういうプレーに登場して、決めきってしまうのが彼の凄さだ。

この場面では、ベイルだけでなく、ロナウドが落ち着いて展開し、イスコも短くなりがちなラストパスを良いところに出してゴールに結びついた。

ロナウドはシュートチャンスこそ少なかったものの、ドリブルからのチャンスメイクなど、周りがよく見えている印象。こういう落ち着き、視野の広さは調子の良さの現われだろう。

イスコはモラタのゴールに続いてアシスト。彼も中盤で思うように行かないところもありつつ、良い場面に顔を出せていた。

終盤はナチョが負傷交代のアクシデント。僅かな時間ではあったがマルセロを使うことに。負傷自体は深刻なものではなかったようで、一安心。

この試合でもナチョは左サイドで攻守に良い働きをしてくれていた。コエントランのめどが立たず、ダニーロの不安も消えない状況では、ナチョに頼りたいことは多い。彼に離脱されると3人くらい抜けたような打撃になってしまうところだった。

結局エスパニョールのシュートは3本。枠内シュートは1本に抑え、2-0で勝利。カシージャにアピールの機会がなさ過ぎたのが気の毒と言えるほどの守備の安定感だった。

■最後に

ベイルの復帰とゴールは嬉しい。彼がいるだけで相手はスピードを警戒せざるを得なくなるし、今はロナウドも走れる状態。ルーカス・バスケスがばて気味だったところに入れ替わる形で、サイドの攻撃のレベルを高めてくれるとありがたい。

大胆なローテーションをしての勝利。チームにとっても、個々のプレーヤーにとっても得るものは大きかった。

これから3月中旬までは毎週ミッドウィークに試合がある。もちろん控えとなっているプレーヤーにもチャンスはまだあるだろう。身体的は健康とともにモチベーションを維持していってほしい。

次節は水曜日にアウェイでバレンシア戦。週末はビジャレアルとアウェイでの試合。