グループ勝ち抜けのためには重要な一戦。
ところが試合前に、カンナバーロが急性胃腸炎のために欠場することが発表になった。
よって、センターバックはペペとメッツェルダーというほとんど使っていない組み合わせに。
その他はムルシア戦と変化なく、以下のメンバーでスタート。
GK:カシージャス
FW:ニステル、ラウール
ブレーメンはヂエゴが前節退場で不在、GKも前回対戦でいいセーブを見せたヴィーゼがおらず、ファンダーとなるなど、ベストではないメンバーだったことは確か。
それでも、アウェイ、かつセンターバックが急造コンビということで、落ち着いて試合に入りたいところだった。
それなのに開始早々の4分という最悪の時間帯にローゼンベリに先制点をマークされる。
左サイドからのセンタリングに対し、人数は足りているのにマークは曖昧で、ゴール前で局面としては1対2に。
ブレーメンは5分過ぎに、負傷したフリッツからトシッチへ交代。
だんだんとボールのポゼッションも増えてきた。
少しずつ盛り返して、14分にロビーニョが左サイドでパスを受けて持ちこみ、最終的には3人詰めてくる中、ゴールの逆サイドへ向かってうまいシュートを決め、同点。
同点にはしたものの、運動量では明らかにブレーメンが上回り、ミドルサードからアタッキングサードに効果的なボールを運べない。
それにボールの取り方と失い方が悪い。
数的に有利な局面でありながら、ポジショニングが悪くかわされがちでは、最終ラインでの勝負に持ち込まれるのは当たり前。
攻撃を始めようという時点で狙われ、対策がないのもここ数試合よく見る光景。
この試合もそれに終始した印象。
40分の勝ち越し点を許したのは後者の問題ではないかと思う。
ボールをマドリー左サイドから一気に持ち込まれる。ローゼンベリにガゴが並走するが追いつけず、迎えに行ったメッツェルダーもあっさり飛び込んでかわされる。
最終的にはペペに体を寄せられながらもうまくシュートを決めたサノゴを褒めるべきだが、プロセスが悪い。
後半開始して10分ほどはチャンスを作るものの、点にはならず。
逆に57分、イェンセンのパスをラインから抜け出したフントがうまいタッチで決めて3対1。
60分にガゴをイグアインに替える。
2点差となって、いつものんびり采配をふるうシュスターも攻撃のメッセージを伝える交替をしたということか。
70分に2点目を入れ1点差に。
この場面では、グティが余裕をもってボールを保持し、ニステルへスルーパスを出せた。
ディフェンダーに寄せられ一度は失敗するものの、ループシュートで決めた。
1点差となって勢いが出るも良い時間帯で点は入らなかった。
ブレーメンもしっかり守りに重点を置いてマドリーの攻撃を跳ね返した。
74分にロビーニョをロッベンに替えるが効果なく、そのまま試合終了。
第5節の結果、マドリーが入っているグループCは、全チームに勝ち抜けの可能性が残された。
マドリーの最終節はサンチャゴ・ベルナベウでらラツィオと対戦するが、自力で勝ち抜けるには当然勝たなければならず、プレッシャーがかかる試合となる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・キリトリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この試合での問題点は途中にも書いたように運動量のなさが第一。
ガゴやグティがボールを持った時に、ボールを受けにくる動きが少なすぎて、ただでさえ狙われている彼らには選択肢と、それを選ぶ時間が少なすぎる。
ラウールやニステルが下がってきて、一時的には預けられるものの、それでは解決にならない。
パスコースを作るなどの動きをすべき選手はほかにもいるだろう。
そうしないと、結局のところ唯一突破に期待できるロビーニョが孤軍奮闘さざるを得なくなる。
そしてもうひとつ気になったのは中盤での守備の仕方。
ディアラ、ガゴを使っている(使わざるを得ないともいえる)のに、そして数的優位を局面で作っているのに、ボールを取れないし、とりに行くチャレンジもしないことが目立った。
それぞれがパスコースを”なんとなく”切っているが、ボールへの寄せも弱く、ポジショニングも悪いので、人数が集まっている分だけ、かわされてピンチになるのは当然のこと。
例えばガゴが、相手の前を塞いでいる時に、前線から戻って挟むくらいのプレーは、いくら点を獲る役目の選手といっても期待したいのに、
そういう積極性が見られないのだから、彼も行きづらくなる一方だ。
にもかかわらず、極端に退くことはせず、中盤に人数ばかりはいるのだから、安定した守備は望めないだろう。
シュスターがどういう約束事を選手に与えているかはわからないが、
こうやって結局は最終ラインに任せてしまうような守備ならば、使える時にガゴをスナイデルに替えた方がましではないだろうか。
(さすがにディアラに替えて、とはいえない・・・)
スナイデルでもコースを切っていくことはできるのだから、そういうことだけさせて、打ち合いを挑まないと、今のままでは点を取られるが攻め手は少ないという状況は変わらない。
だが打ち合いにしても、最低限の守備ができなければ強いチームには負ける。
守備について、シュスターはしっかり考えた方がいい。
最後に監督の交代策について。
2点差がつけばバランスを崩してでも手を打とうとする姿勢はこの試合で見られたわけだが、
ピッチの悪さを考えればサビオラのように走ってくれる選手をニステルと替えてもよかったはず。
そもそも高さでは太刀打ちできないことは戦前からわかりきっていたので、二次元で勝負するならばサビオラは最適だっただろう。
それでも2トップはいじらないのだから、彼らに対する信頼というべきか、無策というべきか。
今のところ、試合中の采配に関しては不合格。
土曜日にはラシン戦が控える。
課題をどうクリアするのか、時間は短いが改善を期待したい。