招集リスト発表時点では、マルセロとトーレスを替えるか、という程度の予想だったが、それは大きく裏切られ、下でコルッカさんがコメントくださったように、ガゴに替えて今季初先発のバティスタを起用、4-3-3の布陣を採用した。
この布陣に関しての話はあとにして、まずは試合から。
GK:カシージャス
堅守と言われたラシンだったが、4-3-3という形に戸惑ったか、中盤からのマークがそれほど厳しくない。
3分、ロビーニョ、バティスタ、ニステルと左サイドでつなぎ、相手を5人も集める。
この間にラウールが最終ラインと単独で駆け引きをできた。
こうなるとラウールはさすがで、相手2人のギャップをついて抜け出し、ニステルのパスもうまく通って先制に成功。
さらに9分、ラシンのコーナーキックをキャッチしたカシージャスのスローから、マルセロ、ロビーニョ、バティスタとパスを回して逆サイドをフリーで駆け上がったスナイデルにパス。
一対一を一度はキーパーに止められるも、こぼれ球を再びキック、これを戻ってきたセルヒオ・サンチェスが押し込んでしまう形で追加点。
ブレーメン戦よりも各選手が良く走っていた。(開始早々の2点で落ち着いたという面もあったかもしれないが・・・)
バティスタとスナイデルが攻撃にもよく参加し厚みを持たせ、守備にもよく戻っていたので、前の試合のようにグティが徹底マークされてズルズル、という沈滞ムードはなし。
ラシンも4-3-3の構造上薄くなるサイドを崩す展開を何度か見せたが、お互い点は決められず前半終了。
後半も前半半ば以降と同様、互いのチャンスを決めきれない状態が続いたが、69分にバティスタが得たフリーキックをラウールが決めて3-0。
壁の穴に正確に蹴ったラウールも素晴らしかったが、その穴をあけたバティスタとペペの動きも隠れたナイスプレイ。
70分にディアラに替えてガゴ。
ラシンも72分にスモラレクに替えてチチ。
この直後マドリー右サイドを崩され、チチのセンタリングを無二ティスが決めて3-1に。
最近、無失点のままではなかなか終われない。それにしても3点目を取っておいて良かった。
このあと、裏に抜け出したラウールがヘディングで落としたところをニステルがボレー、という決定的チャンスを作るも、枠外。
ピッチの影響があったとはいえ、ブレーメン戦でもフリーのシュートを外しており、今後が少し心配になる場面だった。
マドリーは74分にロビーニョからロッベン、83分にけがをしたらしいスナイデルをサビオラに替えた。
サビオラのプレー時間はあまりにも短かったが、ロッベンに関しては以前より良くなってきている印象。
彼は3トップの一角が収まりが良いようだ。
試合は3-1で終了。
前半の2点で落ち着いたマドリーが勝ち点3をキープした、という感じ。
うまく点が取れたので、試合運びも楽だったといえるだろう。
タフな試合で4-3-3がどう機能するのかという展開は見られなかった(もちろん楽な試合の方がいいけれど・・・)が、
いくつか書いておこうと思う。
まず、攻撃面。
突破力に期待するロビーニョが低い位置に下がる必要がなくなり、高い位置でボールを受けられるようになっているので、そこからチャンスはうまれやすい。
高い位置で彼がボールを持てば、ラウールとニステルのオフ・ザ・ボールの動きも生きるだろう。
良くも悪くもパサーのグティと違い、体を張ってでも前に出られるバティスタの攻撃参加も効果的だった。
ロッベンを使う場合もこの形の方が、彼にはやりやすいだろうと思う。
そして守備面。
ロビーニョを中盤に入れないことで、中央の3人がまず守る、ということの役割が明確になっていた。
今までは中盤にも関わらず実質的に守備はしないロビーニョやグティがいることで、あいまいだった部分があった。
それを、最初から中盤が3人、トップが3人、中盤はしっかり守ること、という風にしたことで、曖昧さがなくなっていた。
ディアラが左右サイドの守備に参加しなければならないことにはなるが、彼に関してはそういう役割を与えて守備をしっかりさせた方が生きるだろう。
それに、ラモスとマルセロというサイドバックであれば、マルセロをケアすることに比重が置いていいので(ラモスにはある程度守備を任せられるので)、無理のある広さをカバーさせることにはならないだろう。
中盤の3人の運動量が落ちなければ、最終ラインは今までも何とか持ちこたえられていたメンバーなので、守備に関しても改善する可能性は十分にある。
次節はアウェイでアスレティック・ビルバオと対戦。
13節終了時点で3勝5敗5分、12得点16失点という成績のビルバオだが、完全アウェイのサン・マメスでの試合は大変だろう。
メンバーと布陣にも注目しながら見てみたいと思う。