今節はカシージャス公式戦500試合出場記念。
試合前に、12日に亡くなったルイス・モロウニイ氏への黙とうがささげられた。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:シャビ・アロンソ;ラス、グラネロ;カカ
67分:イグアイン→ラウール、73分:シャビ・アロンソ→ディアラ、76分:カカ→ドレンテ
モスケラが招集メンバーから最終的にはずれた。ガライ、ラスが先発復帰。ロナウド&イグアインは久しぶり。
■ヘレスの先発メンバー
GK:レナン
MF:モレーノ、ケイタ;カルロス・カルボ、ビクトル・サンチェス、モモ
FW:マリオ・ベルメホ
74分:カルロス・カルボ→アベル、モレーノ→アルスティサ、81分:マリオ・ベルメホ→アントニート
4-2-3-1のヘレス。ベルメホを残してしっかり守る。
■雰囲気を察するのは誰か
この試合で言うべきことは、ボール運び以外にない。
前半とにかく上手くいかなかったのは、中盤3人のボール運びに加勢する選手がいなかったから。
2トップとカカはヘレスの最終ラインと勝負することに拘って、中盤に降りてくることがほとんどなかった。イグアインとロナウドの2トップの良いところは、それぞれ広くサイドに開いてボールを受け、攻撃の幅を広げられるところにあった。サイドで受けて仕掛けたり、パスを出したりという仕事で、ピッチを広く使い、2トップ以外の選手の攻撃参加を可能にしていたわけだ。
だがこの試合では、ゴール前での仕事をしようという姿勢が目立ち、ピッチ幅を有効利用できていなかった。
中盤にも降りてこないし、サイドでボールを受けないという前の3人のうち、1人でも中盤に加勢していたら、もっと楽に攻撃が進められたのだが。
ラウールの凄いところは、このあたりの流れを察知する能力の高さだ。
必要な時に、必要な場所で仕事をこなす。それによって、自由に自分の仕事をできる選手を増やす。地味だが、こういう仕事をしてくれる選手が、若手の中からも現れるとありがたい。
今日はピッチの悪さもあって、危ないボールロストが多く、よってヘレスの攻撃は高めの位置からスタート。良い形ができていた。
マドリーの解決策は、まず、センターバックのセルヒオ・ラモスが参加すること。センターバックとしての彼の良さがこういうところで出ている。
そして後半から前線の3人の役割分担をきっちりしたこと。
中央にいる選手、サイドに流れる選手、3人が順繰りに役割を果たすことで、中央のごちゃごちゃ感が解消された。
64分、修正が実ってようやく先制。
空いたスペースに入ってくるアルベロア得意の動きで右サイドを抜け出し、うまくディフェンダーの前に入ってゴール。
右サイドでの彼の良さが出た。両サイドで持ち味を出せる貴重な選手だ。
69分には、カカのセンタリングに対し、ニアでラウールがつぶれ、ファーのロナウドがヘッドで決めて2-0。
71分にも抜け出したカカからロナウドへと渡り、キーパーのいないゴールへ流し込んで3-0。
これで勝負が決まったので、シャビ・アロンソとカカを休ませることができた。
■リヨン戦へ
リヨン戦も、グティとファン・デル・ファールトの負傷、招集外が濃厚。
ボール運びをどうするか、という課題がまた出てくる危険がある。中盤で何とかできる選手がいなければ、フォワードが降りてくる、サイドに開くといったゴール前以外での仕事をこなさなければいけない。
これをできるかどうかで、ずいぶんと難易度の違う試合になるだろう。
幸いにも、今日予行演習は済んでいる。
ミッドウィークには、問題なく解決してくれることを期待したい。