冷え込んでいるらしいスタッド・ドゥ・ジェルラン。半袖の選手がいるのにびっくり。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:シャビ・アロンソ、ディアラ;グラネロ、カカ
ラスは先発せず、ディアラが中盤に入った。4-2-2-2の構成。
■リヨンの先発メンバー
GK:ロリス
DF:レベイエール、クリス、ブームソン、シソコ
79分:ピャニッチ→シェルストローム、82分:リサンドロ・ロペス→ゴミス、89分:デルガド→バストス
リヨンではお馴染みの形、4-3-3。リサンドロ・ロペスに当ててからの両サイドの攻撃と、ピャニッチのセットプレーに注意。
■サイドの攻防、リヨンに軍配
ベンゼマだけでなく、ディアラも古巣との対決だが、彼が入ったことで中盤が2-2の形に。
リヨンのウイングが上がる両サイドにヘルプが行けるようにするためと、中盤同士のマッチアップで人数が減らないようにするためか。
立ち上がり、リヨンがボールキープ。というより、マドリーがセーフティにプレーして、とりあえず2トップとカカに攻撃を任せようというボールが多かった。
それに対して、リヨンはサイドを使いながらゆっくりした攻め。
早い時間帯で余計なリスクを負わない、堅実なスタートになった。
次第にマドリーがボールを持てるようになってくると、カカがピボーテのラインまで下がってボール運びを手伝うシーンがちらほら。
中盤で確実にマイボールにして、サイドの2トップへ、という流れでボールを前へ持っていく。
アウェイ用の縦へ速い攻めではない。
対するリヨンの守備は人の集散がとても良い。カカがドリブルしようとすると、2,3人集まって寄せ、パスが出たらさっとポジションを取る。仕掛けるところでは1対1が作れなかった。
前半の30分過ぎからリヨンの攻撃が良くなった。
両サイドバックがウイングを助け、サイドで優位に立って攻撃を展開。マドリーは波状攻撃を受けるが、原因は、こうした場面で繋いでいくプランがないから。蹴りだすしかないシーンが多く、ひやひやする時間が続いた。
ポストに当たったデルガドのボレーなど、危ないシーンもあったが、何とか前半をしのいだ。
サイドの守備を何とかしないと後半も面倒な事態になりそう。
ディアラとシャビ・アロンソのドブレピボーテの意味は出ているが、攻撃に転じる時が課題。
マルセロとシャビ・アロンソがイエローカードをもらい、第2戦出場停止。
■どう攻める?
後半のあたまからマルセロをガライに。セルヒオ・ラモス右、アルベロアが左の最終ラインとなった。サイドで主導権を取り返すべく、ゴブーにやられがちだった左サイドをアルベロアで塞ぐ意図。
最初こそパス回しでぎくしゃくしたが、サイドの守備はかなり改善された。
46分、繋げずに奪われたボールをマクーンが持ち込み、そのままミドルシュート。これが決まって0-1。
前半からの良くない流れがまだ残っているような時間帯で先制を許した。
その後もリヨンのペース。
出足が良いのがリヨンで、マドリーはそれを受けてしまっている。相手を上がらせておいてカウンターという感じでもなく、とにかく守るという感じ。
そこから攻撃への転換が前半の課題だったが、クリアするか、リヨンにとって危険のないパス回しかのどちらか。
守備では頑張っているディアラだが、攻撃面では無難という言葉がぴったり。グラネロも良いところで受けてはいたが、違いを生み出すことはできず。
カカがアタッカーとして振舞うので、中盤で変化がない。グティやファン・デル・ファールトの不在を痛感する。
61分にベンゼマが登場。リヨンの観客も拍手。
イグアインは悪くなかった。ただ、このまま変化なくずるずるは嫌だなということで、前線を替える。
70分過ぎから中盤にスペースが空きだした。
互いに攻め合う。リヨンがリサンドロ・ロペスのキープ力にかなり助けられた。ここに収まって両サイドという狙いが実行できていた。
マドリーは左に張り出したカカへのパス。右サイドに引きつけて左へという大きな展開がようやくでてきて、カカとレベイエールの1対1を何度か作った。
継続してチャンスを作れたのは、この試合これが初めてに近い。セカンドボールに対する出足も良くなりだしたが、時間帯が遅すぎる。
最後の10分はマドリーの時間だったが、良いシュートまでには至らず0-1で初戦を落とした。
■最後に
1対1を作らないように考えて守っているリヨンに対して、どう1対1を作るかというところで、解決したのが80分ごろ。
パス回しで崩そうともしたが、このレベルではスペースが狭い。確率的に言えば、論理的に1対1を作ることに尽力した方が良い。
さらに、そこに至るまでに繋げない問題が発生したのが残念。
第1戦なのでまず守備、という姿勢は正しいが、そこからの怖さがなかった。前線からのプレスではなく、ブロックを作って守った時に反転攻勢に出るやり方がなかったなという印象。
第2戦では、蹴りだすしかない場面が連発することは勘弁願いたい。
90分終わって0-1という結果は、許容範囲。
だが、最後の10分のようなやり方を第2戦の早い時間帯からできるようにしなければならない。
「いずれ1点は取れるだろう」という漫然としたやり方だと、時間がたつのが早い。前線からのプレスなど、積極的な守備も含め、良い形で攻められる方法を実行したい。