リーガももう30節、今節を含めて残り9試合となった。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:ディアラ、ガゴ;グラネロ、ファン・デル・ファールト
61分:グラネロ→グティ、73分:ファン・デル・ファールト→ラウール、89分:イグアイン→マルコス・アロンソ
アルビオルの相棒はメッツェルダー、ガゴの相棒はディアラ。最近多用している4-2-2-2で臨む。
■ラシンの先発メンバー
GK:コルトルティ
DF:ピニジョス、トレホン、モラトン、クリスティアン
MF:コルサ、ディオプ;ムニティス、カナレス、アラーナ
FW:チテ
67分:チテ→イバン・ボラード、ムニティス→セラーノ、82分:アラーナ→ラセン
ホームでの成績が悪いラシン。残留争いに参加してしまっている。バルセロナからレンタル移籍中のエンリケが負傷で今シーズン絶望と、厳しい状況。
マドリーと契約したカナレスは”3”の真ん中で先発出場。
■組み立てができない
アルビオルとメッツェルダーのセンターバック。そしてディアラとガゴのピボーテ。
守備面では彼らに特に問題はない。メッツェルダーとディアラが入れば、放り込みに対しての対応が良くなることが期待できるし、接触で相手に負けない強さは皆十分にある。
一方、問題は組み立ての能力にある。
アルビオルの足元に不安があるのはこれまで何度も見られたことだし、彼自身もわかっているからクリアが増える。メッツェルダーもパスが上手いとは言えない選手。
ディアラも同様にパスには期待できないし、ガゴはチャレンジするパスは得意だが、攻撃の形を作る黒子のパスを継続して出すことには長けてはいない。
無難にパスを回すことはできても、効果的な攻めにはつながらない。
よって、支配率は上がっていくが、アタッキングサードで相手に脅威を与え続けるには程遠い展開に終始した。
ラシンもその弱点をよく把握して、前から追いかけまわしていた。これでさらにパス出しが怪しくなって、攻撃ができない状態に。
ラシンとしては、狙いが的中したと言っていいだろう。欲を言えば、もっと高い位置で奪って素早く攻めたかったところだろうが。
上手くいっているのはラシンだったが、22分、ラシンがボールの処理を誤ったところからロナウドが一気に持ち込み、モラトンを翻弄してPK獲得。自分で決めてマドリーが先制。
ラシン有利の流れに関係なく得点を決められるのが、彼らの値段のゆえん。
注目のカナレスは、バイタルでうまく受けることが何度かできていた。そこからチテを狙ったり、サイドに捌いたり。
ムニティスがかなり頑張っていたので、ラシンの右サイドで絡むことが多かった。
一度カシージャスが出たところで放ったループは、かなり惜しいシュートだったが、ゴール左へ。
■グティの出番
マドリーが組み立てができない状況を打開するには、選手を替えるしかない。
ピボーテでそういう仕事ができるのは、今節の招集メンバーの中ではグティ1択。先発で使わなかったのは、アウェイでもあるし、まずはリスクを回避するという判断だろう。
61分にグティが入る時も、既に先制しているので、ディアラやガゴとは替えず、グラネロと交代。
ただ、より低い位置で受けてパスを出す意識が出てくるので、これでもこの段階では十分な効果。
73分にラウールが入り、イグアインが1トップ気味に。
チームに変化を与え、相手に脅威を与えられるラウールは、まだまだ良いところで使われている。これが点差がついてからの交代となると、ちょっと切ないが、今のところは期待されての起用と見て間違いない。
76分、イグアインが相手最終ラインをうまく抜け出し、グティのパスを受ける。コルトルティとの1対1を制して決め、2-0。
完璧にラインとの駆け引きに勝ったイグアインに、素晴らしいパスを送ったグティ。良いゴールが決まって、展開としてはこれで勝負あり。
ラシンは67分に攻撃的に交代を行っていただけに、がっくりくる失点になった。
マドリーは、最後に僅かながらマルコス・アロンソをデビューさせ、2-0のまま試合終了。
■バルセロナ戦へ
組み立てができない状態を見ると、シャビ・アロンソの存在の大きさを思い知らされる。(彼でなくても、そうしたタイプの選手と、それを支える選手という役割分担ができていれば、ある程度解決する問題だが、久しぶりすぎる組み合わせが災いした)
パスを捌き続けて、黒子に徹することができる選手と、それを支える守備の人。そうした選手がうまくピッチで噛み合わないと、試合を難しくしてしまうということ。
さて、次節はリーガの行方を決めると言っても過言ではない、バルセロナ戦。カカとベンゼマはチームに復帰はできても、万全な状態とはいかないようで、ベンチスタート、または招集外になりそう。
ファン・デル・ファールトの奮起を期待しよう。