レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第31節 vバルセロナ

満員のサンチャゴ・ベルナベウ。素晴らしいムードの中の試合。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:セルヒオ・ラモスアルビオル、ガライ、アルベロア

MF:ガゴ、シャビ・アロンソ、マルセロ;ファン・デル・ファールト

FW:イグアインロナウド

58分:マルセロ→グティ、69分:ファン・デル・ファールト→ラウール、80分:イグアインベンゼマ

グラネロが18人の枠から漏れた。

4-3-1-2に近い。ガゴが入ってシャビ・アロンソ、マルセロという中盤。

バルセロナの先発メンバー

GK:バルデス

DF:プジョル、ピケ、ミリート、マクスウェル

MF:ブスケツ、ケイタ、シャビ

FW:アウベス、メッシ、ペドロ

63分;マクスウェル→イニエスタ、81分:ミリートマルケス

アビダルイブラヒモビッチが欠場している。メッシが中央の3トップに、プジョルの右サイドバック。アウベスが3トップの右に入っている。

■システム確認

・マドリー

マドリーは3センターにトップ下のファン・デル・ファールトロナウドイグアインの2トップという構成。

ロナウドが主に左サイドに張ることが多いため、イグアインの1トップのよう。そしてマルセロも左にいるので、左に寄った、歪なシステムだった。

狙いは、3トップのバルセロナのサイドを突くこと。4-2-3-1の右サイドに、相手に脅威となれる選手が置ければ良いが、現実にはいないので、左を中心に攻めようという意図。

中盤の3人はまず守備に運動量を割いてきっちり、あわよくば攻撃も、という構えで、マルセロの中盤起用となった。

バルセロナ

バルセロナの特徴は3トップの右に入ったアウベス。アンリを使えるところを使わず、右サイドバックにもプジョルを持ってきたのは、ロナウド対策。

アウベス、プジョル、ピケの3人が常にマドリー左サイドの攻撃を見る。

右が守備をメインにしている構成。よって攻撃は左から。メッシが流れ、ペドロがいる左サイドにシャビがボールを供給することで攻めようという構成。

というわけで、互いに左で攻め、右は守る意図だった。がっちりかみ合った状態になっている。

■守

バルセロナのポゼッションを重視する攻め方は基本的には変わらない。よって、マドリーの選手たちはまず相手のボールを奪うために走る必要が出てくる。

その点、選手たち、特に中盤より後ろはかなり頑張った。バルセロナの右サイドの脅威がない分、左サイドとそこへ供給されるパスの出所に対してきっちり寄せることができていたと言っていい。

シャビ・アロンソとガゴが攻撃の持ち味を捨ててまで守備に奔走していた。

セルヒオ・ラモスアルビオルもペドロとメッシに仕事をさせまいと、良い守備をしていた。攻撃に魅力のあるセルヒオ・ラモスが上がることなくサイドを埋める仕事に徹した。

ただ、倒れるたびにふっと気が緩む瞬間が何度もあったのが残念。

ファール”だろう”という動作が先に立って、相手を見たり、ボールを追ったりすることをやめてしまうのは、こういう試合では致命傷になり得る。

実際、メッシの先制点の場面のきっかけはそういう些細な緩みだった。

当たり前のことだが、ファール”だろう”とか、ファールで”あってくれ”というプレーで得るものはない。

ファール”ではないかもしれない”と思って走る、プレーし続けなければ、相手に勝るかもしれない一瞬を失う。

素人でもわかっていることを、彼らがわかっていないはずはないのだが、実際に見られたものは、そうしたプレーではなかった。

皆守備を意識していたし、それがある程度うまくいっていただけに残念なところだった。

■攻

先制されるまで、守備はうまくできていたし、試合全体としてみても、それなりに成功を収めていると言っても良いだろう。が、そこから点を取る、もっと言えば先制するためにはどうするか、という問題が解決されなかった。

互いにコンパクトさを保って拮抗する試合で、いかにして相手より先に点を取るか、という課題は、1年生チームのマドリーにとっては重いものだった。

ロナウドの左サイドからの攻撃が一番期待できるところだが、バルセロナのアウベス、プジョルのサイド起用による対応で難しくなっていた。

そうなると、ゴールから遠い低い位置のサイドでしかボールを受けられない状態はもったいない。

相手最終ラインと勝負できる、センターフォワード的な役割をもっとやってほしかったが、サイドから中央へという狙いを変えず、対応をされたままの厳しい状態でプレーをし続けることとなってしまった。

先発メンバーで言うと、ファン・デル・ファールトが決定的なパスを出す役割を担うことになるが、これは使われる側にも回ることで能力を発揮する彼にはちょっと酷だった。

能力的にはグティが望ましいところだが、守備面での貢献に不安が残るため、ファン・デル・ファールトの起用だったと思われるが。

グティの途中起用は既定路線だったろうが、彼が入ってから縦に入るパスが増えたこと、またバルセロナにおけるシャビの存在を見ても、パサーの重要性を考えざるを得ない。そうした存在は、マドリーにはベテランのグティしかいないのだ。

そして、1トップのイグアインは、高いレベルの相手では、まだ通用しない段階と考えた方が良いだろう。

楔を受けたりするプレーの幅がないので、得点に直結するプレーをしてもらいたいが、うまいディフェンダーの前では良いプレーができない。また、画面に映っていないのでわからないが、裏を取ることができていない以上、ラインとの駆け引きでも負けていると考えていい。

そういう状況なので、ロナウドと2人で助け合って最前線でプレーしてもらいたかった。いきなりコンビネーションというわけにはいかなくても、2人いることで、相手のラインに選択を強いることができたはずだった。

コンパクトな試合において現状では解決していない問題が多い。

強力なアタッカー陣を生かせる選手の不在。また、彼らを守備の負担から(完全にではなくとも)解放できる守備組織の構築。こうしたことを今後クリアしないといけない。

(また、例えばマドリーの攻撃を右サイドから作ることで、バルセロナと右サイドで攻め合ったとしても、出し手と受け手が確立されているバルセロナに優ることができたかどうかは覚束ない。)

■そのほか

バルセロナのチームとしての完成度の前に、挑戦を退けられたマドリー。リーガは終わっていないので、気を取り直して頑張ってもらいたいが、こうした試合での勝ち方を身につけないと、強豪に対して論理的に勝つことはできないだろう。

CL仕様でカウンターを使うのも一つの解法だが、それはそれでやはりアタッカー陣を支える守備の構築が欠かせない。

いずれにしてもまだまだ時間が必要だということがはっきりした試合となった。

さて、次節は平日開催。木曜日にアルメリアとアウェイで対戦する。