少し遅くなったが、第8節のラシン戦を振り返る。
■両チームの先発メンバー
・マドリーの交代 63分:エジル→カナレス、66分:イグアイン→ベンゼマ、69分:マルセロ→ペドロ・レオン
・ラシンの交代 46分:トレホン→ナウエルパン、55分:ムニティス→アラナ、67分:コルサ→ラセン
マドリーは変わらないシステム、変わらないメンバー。
ラシンは5バック。ローセンベリを1トップにおいて、中盤は4人の5-4-1。割と両サイドを上げようという意識が見えたので、3-4-2-1のようにもなる。
■眠ったままのラシン、見逃さないマドリー
上にも書いたように、ラシンの5バック、3人のセンターバックと2人のサイドバックはいつでもフラットになっているわけではなかった。4-2で中盤の密度を上げて、ここを防波堤にするわけでもなく。
リトリートするのか、中盤をごちゃごちゃさせてマドリーの組み立てを邪魔するのか、はっきりしない守備だった。
ポルトゥガル監督が言ったように”眠ったまま”試合をし、中途半端なライン取りの裏をイグアインに突かれて、縦一本で先制されてからは、ラシンになす術はなく、マドリーは3バック状態のアキレス腱であるサイドをうまく使って前半のうちに3得点し、試合を決めた。
イグアインが流れたらセンターの位置にロナウド、という2点目は流れが素晴らしく、エジル→ロナウドの3点目もショートカウンターの見本という感じのゴールだった。
ラシンとしては、リトリートするならフラットな5バックを作り、そのすぐ前に4人並べて壁を作って攻撃はローセンベリに託すか、3-4-2-1で中盤勝負を挑むか、どちらかに賭ける思い切りが足りなかった。
ローセンベリを残しても、1人で何とかしてくれるタイプではないし、ケネディとムニティスを攻撃で生かしたいのはやまやまで、攻守のバランスの取り方で迷ったのかとも思う。
マドリーとしてはドン引きされたほうがやりづらかったが、10分に先制に成功してその後もラシンの方針が明確にならず、得点を出来たことが幸いした。
後半も3点を奪い、6-1で勝利。1失点は残念だったが、シュートがラシンの選手にあたって方向が変わるアンラッキーなゴールだったので、あんまり気にしないほうが良いだろう。
ずるずる下がってしまって、ディオプに良い位置に走りこませたのが問題ではあるが。
モウリーニョの明確なルール、「気を抜いたらアウト」が効いているのか、3-0からの後半、長い時間集中して試合を運んでいた。
最後はさすがに間延びしていたし、サイドバックにディマリアという、出したい選手を出すだけのおおざっぱ(失礼)采配もあったが、大勝でここのところの出来の良さがとにかく目立つ試合となった。
■控えのメンバーの真価を問う
これでリーガ3試合で16得点と、いきなり得点が量産されだしたマドリー。シュートに余裕が出てきて、周りを使う雰囲気になってきているのが大きい。ぼかすかシュートを放って、それでも点が取れなかった時にはない余裕が今のチームにはある。
継続して同じメンバーを使い続けている効果が出てきているが、当然、疲労が気になってくるところ。いままで控えだった選手たちがちょこちょこ入りだした時にどういう変化があるか。
それとも、継続して同じ力を発揮できるか。
まだまだ先は長いシーズンなので、そのあたりが非常に気になる。