レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第29節 vサラゴサ

CL前のリーガ。調整が必要な選手には出場してもらい、休みが必要な選手には休んでもらうことが出来る状況のため、うまくコンディションを作っていきたいところ。

■マドリーの先発メンバー

GK:ディエゴ・ロペス

DF:アルベロア、ペペ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:エッシェンモドリッチカジェホン、カカ、ロナウド

FW:イグアイン

61分:アルベロアエジルカジェホン→ディマリア、カカ→ケディラ

ペペとマルセロが先発出場。特にペペは、バランのコンディションが微妙なため、ここでしっかり出来ることを見せてもらいたい。

シャビ・アロンソケディラは休養することに。フル稼働しているシャビ・アロンソには大事なお休み。

サラゴサの先発メンバー

GK:ロベルト

DF:サプナル、ローフェンス、アルバロ、アブラアム

MF:オリオル、モビージャ;アポーニョ、モンタニェス、ロドリ

FW:ポスティガ

53分:アポーニョ→ロマリッチ、63分:ロドリ→ビクトル、82分:オリオル→ウィルチェス

残留争い真っ只中のサラゴサ。前節終了時点で25得点と、1試合1点取れていない攻撃面が課題のよう。

流動性はみられたものの

マドリーでCLでの先発が確約されているフィールドプレーヤーは、セルヒオ・ラモスアルベロアロナウドくらい。その他は、控えか、当落線上にある選手ということで、組み合わせとしてはあまりない構成になっていた。

その点で、いきなり呼吸の合ったプレーを随所に出して行くことは難しいのははっきりしていた。

そんな中で、マドリーの組み立てはモドリッチとカカが担っていた。課かは元のポジションはトップ下ながら、より低い位置にも頻繁に下りてきてボールを受けていて、モドリッチの負担を減らしていた。

また、カカがポジションを変えることで、モドリッチエッシェンが上がる、またロナウドが中央に進出するといった流動的なポジションチェンジが起こっていた。

こうした動きは、本当に悪い時は全く起こらず、スタートのポジションに居座り続ける選手ばかりになるので、それに比べればずっと良い動き。

ところが、6分にアクシデント。ロベルトのゴールキックからの流れでモドリッチがボールタッチをミスしたところを狙われ、競り合いのこぼれ球がロドリへのスルーパスとなり、落ち着いて決められて先制される。

きっかけはミスと、競り合いから良いボールが出てしまったことだが、ロドリのファーストタッチは見事だった。

これで、サラゴサは退いて守れることになり、ここ最近良く見られるように、ビハインドを負ったマドリーは苦しむことになった。

大きな要因は2つ。

1つめは、サイドの非力さ。

右サイドは、攻撃というより守備での貢献を期待したいアルベロアと、オフザボールでこそ輝くカジェホンの組み合わせで、彼らがボールを運ぶというのは無理がある。

左サイドは、マルセロとロナウド。マルセロはまだまだ万全ではなく、良い時のように単独でボールを運び、組み立てに参加するまでには至っていなかった。

そういった状況だったため、サイドでボールを運ぶのはロナウドに一任するようなことになってしまった。これではなかなか効率的にサイドから攻撃を作ることは出来ない。

マルセロについては、万全ではないながらも、中央への進出やエリアへの飛び込みといった動きはあり、ずっと試合出場ができなかったことを考えれば上々だったことは触れておきたい。

ただ、守備をある程度捨てても彼を使う理由は、もっと高いところにあるので、もう少し頑張って欲しいという印象。

もう1つの要因は、中央の連携不足。最初に書いたように、慣れないながらもポジションチェンジを繰り返すことで、ボールを動かしていたマドリーだったが、それ故に、ここぞという時に合わなかったり味方がいなかったりということが起こる。

このやり方が良く練られたチームであれば、流動的であってもいるべきところに選手がいて、上手く動いていくのだけれど、マドリーはそもそもそれをやっているチームではないし、しかもなかなか無い選手たちの組み合わせではこうなってしまう。

サラゴサは、バイタルに入るボールには厳しくチェックにいっており、受け手にとっての時間的余裕はあまりなかった。

オートマチックにやれる場面があれば良いのだが、上述の通りそうはいかず、ミスを狙われてカウンターを受ける場面が何度も。1点を負うマドリーは、両サイドバックも上がった2バック状態になっていることが多く、サラゴサの速い攻めには手を焼いていた。

■裏狙いで活路を見出す

マドリーが活路を見出したのは、裏へのロングボール。

カジェホンイグアインは、モドリッチやカカのショートパスでの組み立てには合わないが、裏を狙うことは手を抜かない選手だ。

ラインとの駆け引きを繰り返し、最終ラインのペペやセルヒオ・ラモスからの長いボールを何度も引き出していた。

今日のマドリーでは、中央に入ってきたロナウドも裏を突く動きを繰り返しており、サラゴサの最終ラインは、この3人の動きをケアする必要があった。

よく言われるように、このやり方は、何度オフサイドを取られようとも、1度抜け出して得点すれば良い。それを地で行くように、マドリーのオフサイドは非常に多かったが、38分、イグアインの抜け出しからボールを受けたロナウドが、難しい体勢からニアを抜いて同点。

イグアインは動き出しはばっちりだったが、パスはあまり受け手に優しくなかった。ロナウドがディフェンスと競り合い、前にこぼれてくれて幸運。

体が流れながらも逆足でニアを抜くシュートを放てるロナウドの技術は素晴らしい。

■決めきれず

前半も終わりに近づいたところで同点になり、後半は流れを掴めるように思われた。

後半の早い時間帯はマドリーの決定機が何度か。特にロナウドが抜け出した場面で、ロベルトのセーブと、マルセロのシュートがポストに阻まれたのは痛かった。

先程書いたように、ここにマルセロが入ってきている意味は、彼の状態を考える上で大きいのだが。

この時間帯にリードを奪えなかったことで、試合は徐々に落ち着いていってしまう。サラゴサの攻めは、速攻さえなければそれほど危なくはなかったが、マドリーも前半の難しい時間帯の攻めに逆戻り。

61分にモウリーニョは雰囲気を替えるべく3枚替えを行ったが、決め切れなかった代償は大きく、活性化には至らなかった。

ディマリアが入ったことで右サイドは多少良くなったものの、最後に待っているのはお馴染みの持ち替えからのクロス。

これでは、サイコロを振っているようなもの。合うか合わないかは確率でしかないようなボールが送られるだけだった。

ピッチの選手たちは勝利を目指して急いでいたが、このままスコアは動かず、1-1で終了。

■無事試合を終われて

バルセロナが引き分けてからの試合だったこともあるし、ピッチでプレーする選手たちはもちろん勝利を求めていただろう。だが、CLを控えた日程の中では、終盤のドタバタで負傷といったことが一番怖い。

既にリーガは調整のための試合と割り切られているので、見ている側としては、プレーしている選手には無理な注文ではあるけれども、無難に試合を閉じてしまっても良いと感じてはいた。

結果として、大きな負傷もなくガラタサライ戦を迎えられるのはありがたい。負傷明けの選手たちも、内容はともかく体調はそれなりに良さそうだ。

特に、ペペが問題なく守備をこなせていたのは好材料だ。バランの状態が回復しないなら、ペペは十分起用できるだろう。

ガラタサライ戦ではまず失点は避けたいので、今日のようなことの起こる確率を可能な限り減らせるよう、慎重に試合に入っていきたい。