レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第30節 vレバンテ

マドリーにとっては大きな意味を感じることが難しい試合。ポイントを絞って振り返っておく。

■マドリーの先発メンバー

GK:ディエゴ・ロペス

DF:アルベロア、ペペ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:モドリッチシャビ・アロンソカジェホン、カカ、ベンゼマ

FW:イグアイン

46分:カジェホンロナウド、57分:カカ→ディマリア、76分:ベンゼマエジル

出場させたくない選手を考えて消去法で組み合わせたであろう11人。キーパーはディエゴ・ロペスのまま。

■レバンテの先発メンバー

GK:ムヌア

DF:レル、バジェステロス、ビントラ、ファンフラン

MF:ディオプ、イボーラ;ペドロ・リオス、ミチェル、ルベン

FW:アクアフレスカ

68分:ペドロ・リオス→バルド、アクアフレスカエルザール、76分:ミチェル→バルケロ

一時期の勢いは少し失っているようだが、トップ10の位置は維持し続けているレバンテ。ヨーロッパの大会への出場もあり得る順位にはつけている。

モドリッチ

最初のポイントはモドリッチの位置。

シャビ・アロンソとの併用は、大きな意味があってそうしたものではなく、消去法の産物だろうが、彼らがどういうポジションでプレーするかは気になるところだった。

最初、彼らはおよそ同じ高さでプレーすることが多かった。

この場合、モドリッチの周囲には、彼とパス交換できる選手がおらず、後方へのパスかドリブルしか選択肢がない。そうなると、シャビ・アロンソが縦にパスを入れる機会が多くなる。

レバンテは4-4-2になって自陣にリトリートし、ボールを捨てたカウンター狙いを徹底していたことと、マドリーの2列目がいずれも使われるタイプの選手だったことで、モドリッチがもっと目立ってほしいというのが当初の印象だった。

序盤はドリブルでマークをかわしながらボールを持ち上がり、縦のパスコースを自分で作るしかなく、彼にとってはやりづらい環境だった。

前半途中からは、モドリッチシャビ・アロンソが縦の関係に近くなっていき、モドリッチが前線と近い位置にいるようになったことで、この点は改善された。

カカのプレーにキレがあり、仕掛けの成功回数は多かったので、チャンス自体は作れていたけれども、こういうボールを持たされる展開が予想される試合では、モドリッチがゲームを作れるような形をはっきりさせてもいいだろう。

■ディマリアを脅かして欲しいカジェホン

2つめはカジェホンのプレーについて。

マドリーの攻めは右からのものが多かった。

右サイドはカジェホンのポジションで、彼がボールを持つ機会はいつもよりずっと多かったのだが、ボールを持ち上がったり、持って仕掛けたりすることは不得手で、上手く行っていなかった。

もちろん、普段とは違う組み合わせのメンバーだったことはあるが、ボールを持ってできるプレーのバリエーションが少なすぎる。

何かできそうな可能性を感じるプレーはなく、ディマリアと同じようなやり方に終始した印象。

これでは、ボールを少なくとも持ち上がれるディマリアよりポジション争いで優位になることは難しい。

また、チームとしても、「これがあるからカジェホンを使う」という積極的な理由を見出しづらい。オフザボールの良さはあるけれど、それだけでは先発に割って入るためには不足。

ディマリアとの違いを出しながら、ボールを持った時のプレーを改善していってもらいたい。

例えば、サイドバックとの連携を強く意識する、右サイドをえぐるドリブルの精度を高める、といったことが考えられる。こうしたプレーはディマリアにはないもので、チームにとって助けになるもの。

こういったプラスアルファをもたらすことのできる選手になってもらいたい。

■マルセロの攻撃参加

3つ目はマルセロ。

CLなど、重要な試合ではコエントランが起用されることが続いており、ようやく板についてきた感があるけれど、攻撃面だけを考えれば、マルセロの組み立てへの参加は捨てがたいものがある。

まして、今後もボールを持たせることがマドリー対策の常套手段になっていくことを考えれば、彼のように変化をつけられる選手は重要。そのため、負傷からの回復具合は気になるところだ。

この試合では、先日よりは大分状態が良くなっているように見受けられた。

独特のドリブル(低い位置だとリスキーな場面もあるが)はあまりなかったが、アタッキングサードでパス交換しながら自由に動いていくプレーは何度か見られた。右足でも良いシュートが放てるので、中に入っていってゴールに向かうようなプレーができるのが彼の特長。

そのスペースを埋める作業があるので、守備的には難しくなってしまうが、彼の攻撃参加は、今のマドリーには大事な手段の一つ。

試合によってコエントランとうまく使い分けられるくらいの状態に早くなってもらいたい。

■試合の流れ

試合展開は、マドリーがボールを持って難しい時間を過ごしている間に、31分にレバンテの素晴らしいカウンターが決まった。4対3からミチェルがゴールし、レバンテが先制。最近のリーガでは珍しくない展開で、マドリーはビハインドを負った。

マドリーの反撃は36分から。

イグアインのゴラッソで追いつき、39分にはレバンテにとって不運な形でボールが跳ね返り、ハンドをとられてPK。カカが決めて4分ほどで逆転に成功した。

レバンテとしては、マドリー相手の定跡でうまく試合を運んでいたのだが、飛び道具的プレーでゴールを決められ、直後にPKと、非常に不運。

後半開始当初は、前半より高い位置での守備に出てきた印象で、能動的に追いつくためのプレーをしていたのだが、うまく引っ掛けられることはなく、10分ほどでその勢いはしぼませ、その後はリードした余裕もあって、押し込んで積極的にシュートを放っていった。

最後のところでうまくかみ合わない場面が続いていたが、85分にロナウド、87分と89分にエジルが決め、最終的には5-1。

前半の停滞を盛り返す何度も見た流れで、結果としては大勝した。

イスタンブール

ガラタサライ戦でも先発するであろうモドリッチはフル出場したが、その他はうまく控えを使って試合を終えることができた。今日出場のなかった、または時間の短かった選手がCLでは先発することになるだろう。

アウェイではあるが、3点のリードを持っており、落ち着いて試合を運べば大きな問題は起こらないはず。

うまくアウェイゴールを取れれば、ガラタサライは5点必要となるため、リスクを避けながら時間を使い、カウンターで1点を目指す形で良い。これはマドリーが得意とするところ。

大過なく準決勝進出を決めてもらいたい。