レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第37節 vエスパニョール

一応は優勝の可能性を残していたため、ビセンテカルデロンでのアトレティコバルセロナの試合と同時開催。バルセロナが勝利し、今節で優勝が決定した。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、ペペ、バラン、マルセロ

MF:クロース;ハメス・ロドリゲス、イスコ

FW:ベイル、ベンゼマロナウド

62分:ベンゼマチチャリート、72分:イスコ→イジャラメンディ、80分:カルバハル→ナチョ

セルヒオ・ラモスユベントス戦で負傷し、一足先に今シーズンを終えている。GKはローテーションでケイラー。

エスパニョールの先発メンバー

GK:カシージャ

DF:アルバロ、コロット、モレーノ、

MF:アルビージャ、ビクトル・サンチェス、ハビ・ロペス、ビクトル・アルバレス;アブラアム

FW:カイセド、セルヒオ・ガルシア

63分:カイセド→ストゥアニ、83分:コロット→モンタニェス、アブラアム→マッティオーニ

エスパニョールはEL出場圏までは届かず。具体的に賭けるものはほとんどない試合。

■内容は悪くとも

マドリーはCL敗退後最初の試合。開始時点ではリーガの可能性も残しており、敗退のダメージから少しでも立ち直った姿を見せ、結果を出して欲しい試合だった。

内容的には雑な展開で、中盤でプレスに行ってはかわされ、最終ラインが晒されることの連続。

ベイルが意識してかなり低い位置まで戻っているように見え、中盤の前にベンゼマがいて最前線にロナウドが残るので、守備時は4-4-1-1のようになっていたが、カイセドを前線に置くエスパニョールの中盤に対し数的には同数か不利。そこへ散発のプレスをかけてもなかなか引っかからない。

イスコ、ハメスが突出するならまだしも、クロースまで出て行ってかわされては後方が苦しくなるのは当然で、カイセドをはじめエスパニョールのアタッキングサードでのプレー精度が低かったことに助けられていた。エスパニョールは中盤では小気味良いパス交換でボールを運べていたものの、ゴール前ではアイデアを欠いていた。

プレーとしてはうまくいかなかったものの、肉体的には疲労がピーク、敗退で精神的にも苦しいであろうタイミングの試合で、それなりにハードワークできていたことは評価したい。

特にイスコとハメスは、中盤で守備に奔走しながらボール運びも担う働きぶり。大きな負担が彼らにのしかかっていたが、攻守でチームを成り立たせるプレーをしていた。

マドリーの攻撃は左サイドが中心。

イスコとマルセロがボールを前に進め、エリア付近でロナウドと絡む形を狙っていた。今シーズンはお粗末なボールが多かったマルセロのクロスもまずまずで、サイドの深い位置を意識させつつエリアの幅の中で何か起こそうということができていた。

一方の右サイドは惨憺たる状況。

ユベントス戦ではゴールを狙える位置にはおり、それなりのプレーではあったベイルだが、この試合では判断の悪さを露呈。無理な仕掛け、せっかく下がった後方では詰まってパスミスと、悪い意味で相変わらずなプレーを続けてしまっていた。

自分で狙いにいってはことごとく決められなかった時期、安易な選択ばかりする時期を超えて、ユベントスとの第2戦でようやくある程度のところまで回復したかに思えたが、やりたいことと求められていることの中からプレーを選択する判断が悪すぎる。それではいかに技術があろうと良い結果は望めない。

右サイドに開いた位置では、左足に持ち変えた後何もできない症状も変わっておらず、攻撃が停滞してしまう。上がってフォローするカルバハルも低調で、打開するには至らず、2人で手詰まりを起こしていた。

ベイルは一度良いミドルを放った程度。こうしたゴラッソはシーズンのうちに何度か決めることができ、それ自体は素晴らしいことだし、昨シーズンは2回の決勝でチームに勝利をもたらしたが、マドリーで当たり前に求められることを当たり前にできないと厳しい。

そんなベイルを尻目に、ロナウドハットトリックを達成し、マルセロへのアシストも決めた。

59分にペペがロングボールをカットしたところからスタートしたカウンターから左足で決め、1点目。

追いつかれた後の78分にはマルセロとのワンツーでアシスト。

82分にはチチャリートの抜け出しからこぼれたボールにつめて2点目。

89分にハメスのクロスを頭で決めて3点目を決め、今シーズンリーガ45ゴールとした。

どれもチャンスの場面でいるべきところにいて、正確なパスを出し、シュートを放っていた。しかるべき時にしかるべきポジションにいること、そこからゴールを決めるために良い判断をすること、ベイルがもがくその両方の要素をいとも簡単に達成してしまう。

CL敗退を契機に、守備への貢献の低さを指摘する報道もあるが、そもそもそれを前提にバランスを取っているチームだし、ここまで効果的にゴールに至るプレーができれば何の問題もない。

久々の出場となったケイラー・ナバスは、良いセーブを見せたものの失点に直接絡む大きなミスで印象を悪くした。

この失点でタイトルを逃した、などということになれば悔やんでも悔やみきれないプレーとなっていた。結果として大勢に影響はなかったが、試合勘のなさを印象付ける場面となってしまった。

彼にとっては、コパを早いうちに失い、プレー機会がきわめて限られてしまったのは残念。来シーズンのGK事情は混沌としており、現時点で陣容がどうなるかは全く分からないが、実力的にハリーが屈指だけに今シーズンより良いプレーを見せてくれることを期待したい。

■最後まで

最初に書いたように、バルセロナアトレティコを下し自力で優勝を決めた。

バルセロナは、序盤こそローテーションが過ぎると批判されたが、負傷者の少なさで終盤の勝負どころをきっちりものにしていた。来シーズンこそマドリーが一番上にいられるように願いつつ、バルセロナにはおめでとうと言いたい。

リーガのタイトルはバルセロナのものとなったが、CL敗退の後、ともすればシーズンを全て諦めてしまうような状況の中何とかチームとして立て直し勝利を挙げたことは嬉しかった。

今シーズンも次節で最後。ヘタフェをベルナベウに迎える。ベルナベウでも誇りを持てる結果を出し、今シーズンを締めくくって欲しい。