レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第8節 vレバンテ

多数の負傷者を出しつつ、リーガ再開。CLも控えており日程は厳しいが、乗り切っていきたい。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:ダニーロ、バラン、ナチョ、マルセロ

MF:カゼミロ;クロース、コバチッチ

FW:イスコ、ロナウド、ベイル

46分:ベイル→ルーカス・バスケス、68分:イスコ→ヘセ、76分:コバチッチ→ジョレンテ

ダニーロが負傷から帰ってきて先発復帰。カルバハルを欠いたので、このタイミングで帰ってきてくれたのはありがたい。

ベンゼマのいない前線にはベイルが復帰した。守備時はイスコが下がって4-4-2、攻撃時も4-2-3-1に見えることもあったが、一応表記上は4-1-2-3としておく。

■レバンテの先発メンバー

GK:ルベン

DF:モラレス、シモン、フェダル、フアンフラン、トーニョ

MF:ホセ・マリ;ビクトル、カマラサ

FW:ロジェール、デイベルソン

52分:ロジェール→ギラス、61分:ホセ・マリ→レルマ、74分:デイベルソン→ルベン・ガルシア

残留争いに参加してしまいそうなレバンテ。アウェイ4試合で1得点。

■難しい試合展開

マドリーの陣容は非常に厳しい。

守備の信頼感はもちろん、組み立てでも貢献できるセルヒオ・ラモスを欠き、ダニーロも復帰直後で本調子とはいかず、最終ラインに不安が多く、攻撃を作る中心であるモドリッチベンゼマもいない状況。

彼ら2人がいなくなって、昨シーズン終盤戦を乗り切れずタイトルに手が届かずに終わったことは記憶に新しく、この状態が長く続くと今シーズンも同じようになるのではないか、と思ってしまう。

特にベンゼマは控え自体がおらず、彼自身には不満もあるだろうが、途中交代を多くし大事に起用を続けていた中での負傷離脱で、ショックも大きい。

こうした中で、格下との対戦ではいかに勝ち点を落とさずに試合をこなすかが今の課題。やりなれない組み合わせで素晴らしい内容は望めないので、タイトルを狙うからには最低限結果は繋いでいくことに徹する必要がある。

相手は当然しっかり下がってブロックを作り、数少ないカウンターに賭ける形が多くなるので、そうした相手からいかに先に点を取るか、ということが具体的な問題になる。

モドリッチを欠いた中盤は、カゼミロが低い位置に入り、その前にクロースとコバチッチ。彼らも適宜下がって組み立ては助けるが、クロースが高い位置まで進出することが多いので、以前とは組み合わせ方が違うのがわかる。

この形ではクロースのサイドチェンジがなくなる。同じくサイドチェンジができるセルヒオ・ラモスもいない状況では、大きな展開でスピードを上げることができないので、攻撃のペースを変えることが難しくなる。

この数試合、クロースを前で使い始めたばかりで、そのデメリットを上回るメリットは見えてきていないが、今後良さが出てくるだろうか。

この試合でもサイドチェンジは多くなく、攻撃はマルセロ、ロナウドがいる左サイドに偏っていた(MARCAによれば、右サイド30.6%に対し左サイドは46%)。

ここから展開できないならば、相手も逆サイドを気にすることなく寄ってくる。その狭いところを突破しなければならなくなり、マドリーにとっては苦手な形となる。

また、右サイドはダニーロがブレーキとなっていた。ボールタッチも精彩を欠いていたし、周囲との関係もいまいちで、攻撃に厚みを加えるというより、ボールを失うきっかけになっていた。

コンディションが戻ってくればもっとやれるだろうが、今後数試合はカルバハルがいないことに悩まされるかもしれない。

こうしたことから、マドリーの攻撃、特に遅攻は効果的にならず、チャンスを作れなかった。

まずい攻撃はまずい守備に繋がる。

マドリーは人数はいても後手に回ることが多く、空いたスペースを使われてボールを運ばれることがしばしばで、レバンテはさほど難しいプレーをせずサイドを攻略し、良いクロスを供給していた。

失点をせずに済んだのは、最後の場面でケイラー・ナバスのセーブがあったからと言うしかない。楽にシュートさせた場面でも素早く反応してボールを弾いていた。中盤の守備も、クロスに対する中央の守備もルーズで、チームとしての守備は緩かったが、その分ナバスのプレーの安定感が際立つ形となっていた。

■ミスを逃さず

マドリーは自ら苦しい試合運びをするような格好となり、チームとしてはうまく行っていたとは言いがたい。

だが、レバンテが大きなミスを犯す。27分、中盤右サイドの低い位置でボールを受けたモラレスにマルセロがプレス。ボールを奪って持ち込むと、ロナウドとのワンツー。ディフェンスも寄せていたが、体を当ててコースを作りシュートを決めた。

レバンテは低い位置での不用意なプレーで、速攻を許した。マドリーは遅攻で苦しむ中、願ってもない速攻の機会をもらい、そのチャンスをものに。何しろ、枠内シュートはこれが最初だった。

さらに29分。レバンテのコーナーをマドリーが跳ね返し、カマラサがそのボールを確保。フアンフランに戻し、作り直すところにクロースが出て行ってプレスをかけた。

カマラサに戻したところにロナウドが寄っていって、中のロジェールに出したなんでもないパスが少し足元から遠くなり、コーナーの守備からポジションを戻して来ていたベイルとクロースに挟まれて奪われる。

クロースはシュートに直結するパスを出せず、左を走ったロナウドに預けることとなったが、ロナウドが中へ動きながらシュート。少し巻いたボールがキーパーの届かないところに決まった。

レバンテの立て続けのミスを逃さず3分で2点。良くないながらも相手のミスを生かすことでリードを得ることができた。

また、1点で終わらず、2点取ったのが大きかった。守備は不安定だったので、1点では心もとない。2点リードとなったことで、チームにも余裕ができたように見受けられた。

■余裕を持って

後半のマドリーは、リードを得て理想どおりの試合運び。

負傷明けのベイルに無理をさせずルーカス・バスケスと交代。モドリッチを欠いた中盤のやり繰りも考え、イスコも70分を待たずヘセと代えた。ヘセの出場時間を作る意味合いもあっただろう。

こうした交代で、プレーそのものは落ち着いていくし、それは悪く言えば面白みに欠けるということでもあるのだが、今のチーム状況と今後を考えればやむを得ない。無理をする試合ではないので、リードを守って省エネで後半を過ごせばいい。

交代では、3人呼んでいたカスティージャのプレーヤーのうち、ジョレンテコバチッチと代えて起用。マジョラルとラインハルトの出場機会はまた今度ということに。ジョレンテは76分の登場ということもあって目立ったプレーはなかったが、落ち着いて試合に入っていた。

こうした交代もして、先発組のコンディション調整と控えの出場機会を作れたのだから、改めて前半の2得点は貴重。1点差ならここまで余裕は出せなかっただろう。

何も起こらず、観客としてはつまらない後半、となるところだったが80分にヘセがゴール。フェイントでディフェンダーを完全に崩して抜き、ニアの天井に突き刺すシュート。この出場機会にゴールという結果を出した。

負傷から復帰した昨シーズンは、チーム自体の調子も落ち込む中で何もできずに終わり、今シーズンもここまではあまり時間をもらえていないヘセ。出た時にこうして目に見える結果を出したのは嬉しい。

あとはこれが続くかどうか。単発のゴールではポジション争いに食い込んでいくのは難しい。また、ゴールという結果だけでなく、彼の得意な斜めの動き出しや、ラインの裏を取るプレーも継続して出てこないと、彼の良さが完全に戻ったとは言えない。

止まった状態で足元にボールをもらって何かするプレーヤーではないので、周囲との関係で良い動き出しと良いパスが見られれば。

結局、マドリーは失点を許さず、3-0で勝利。

先述したとおり、失点しなかったことはチームの守備というよりナバスによるところが大きく、慣れない組み合わせで不安定さは露呈していたが、レバンテのミスにつけこんで立て続けに2点を挙げ、それを生かした試合運びができたことは良かった。

■PSGとの連戦へ

最初に書いた通り、今は結果をつなげて行くことが大事。主力が揃っていてこの内容ならいただけないが、相手のミスをついてゴールに結びつけ、後半無理しないで済んだ展開は、現状ではこれ以上望みようがないもの。

ミッドウィークにCLを控えており、日程的にもコンディションを整えておきたい週末にこうした試合ができたことは今後に繋がるだろう。

そのCLはグループ1位を争うことになるだろうPSGとの連戦。まずはアウェイでの試合となる。リーガも次節は首位を争うセルタとのアウェイゲームであり、気が抜けない。

今よりはメンバーが揃うであろうベルナベウで勝つつもりで、現状パリから勝ち点1を持って帰ってくれば御の字。