レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第37節 vバレンシア

優勝争い、残留争いのため、今節から全試合同時キックオフ。マドリーとしては勝つ他ないので、あまり他の試合を気にする必要はない。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャ

DF:ダニーロ、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:クロース;ハメス・ロドリゲス、カゼミロ

FW:ルーカス・バスケスベンゼマロナウド

65分:ベンゼマコバチッチ、76分:ルーカス・バスケス→ヘセ、79分:ロナウドアルベロア

CL決勝も見据え、負傷者は軒並み休み。ベンゼマとカゼミロが先発で帰ってきたのは好材料

バレンシアの先発メンバー

GK:ジエゴ・アウベス

DF:バラガン、ムスタフィ、アブデヌール、シケイラ

MF:ハビ・フエゴ;パレホ、エンソ・ペレス

FW:カンセロ、パコ・アルカセル、ロドリゴ

46分:カンセロ→アンドレ・ゴメス、アブデヌール→サンティ・ミナ、86分:エンソ・ペレス→ピアッティ

監督交代で迷走していたバレンシア。中位にいるが、本来はヨーロッパの大会に出ておかしくないチームがある。来シーズンの復活を期待。

モドリッチを欠いて

当初は招集されていたものの、直前になってモドリッチが招集外となり、中盤はハメスとクロース、カゼミロとなった。

クロースが低い位置に入り、その前でカゼミロとハメスという形だが、このところのカゼミロの守備、底から自由となったクロースのボール運びがあるので、逆の方がいいのではないかとすぐに感じた。

モドリッチがいないので、後方に対しプレスがかかった時、誰に預ければ安全かがはっきりせず、蹴り出すことは少なくてもパス回しは不安定。そうなると、クロースは落ち着いて展開できず良さが出ないし、カゼミロのシンプルさも短所になり得る。

疲れもあったのか、セルヒオ・ラモスのプレーも落ち着きがなく、危険なボールロスとこそなかったが、攻撃を作るという意味では効果的とは言いがたかった。

ハメスは先発起用となったが、こうした周囲の問題もあったことから残念な状況に。

より高い位置を好む彼のインテリオールでのプレーはまだまだ洗練されていない。本来のポジションより慎重な判断とプレーが求められる中で技術を生かして攻撃を作ることが第一で、その次に前線に顔を出す仕事をすべきだが、どうしても判断が攻撃よりになってしまう。これは必要以上にこねてしまいがちなイスコと共通する課題で、そこで失敗すると味方も安心して預けられなくなる。

逆に言えば、囲まれてもドリブルとパスでかわす、高い精度のプレーこそがモドリッチの絶大な信頼感の源であり、イスコやハメスの技術をもってしても、そうそう真似できるものではない。

低い位置は低い位置なりの判断の仕方、周囲の使い方があり、それをポジション変更で身につけるまで時間はかかる。

その意味で、不慣れなポジションで不安な周囲も気にしつつプレーすることになったハメスは気の毒だった。

それでも先制はマドリー。

26分、ロナウドが中央でボールを持ち、ディフェンスをかわす右サイドへ流れて体勢は崩れながらも、シュートは左のサイドネットへ。シティ戦ではコンディションがまだまだと思われたのに、週末にはこんなシュートを決めてしまうのだから素晴らしい。

チームとしてはうまくいかない時に単独で何とかしてくれる、エースらしいゴールだった。

43分には追加点。

左サイドのロナウドからのクロスは跳ね返されるが、クロースが拾い、ボールがディフェンスに当たってゴール前へ。中央でクロスを受けようとしたベンゼマが残っていて、ジエゴ・アウベスを良く見てこれを蹴り込んだ。

最後のシュートに繋がるプレーは、相手に当たったボールなのでオンサイドという判断は分かるが、最初のクロスのタイミングではベンゼマは完全にオフサイド。これを見逃すというのは酷い。

バレンシア側が説明を求めるのは当然で、その際の主審の態度もはっきりしないように見受けられた。リーガでは良くある後継と言えばそうだが、荒れる元となるし、利益を得た側にしても気分のいいものではない。

とにもかくにも、2点のリードを得て後半へ。

バレンシアが流れを掴むも、終盤の判定で興ざめ

後半は、前半と打って変わってバレンシアが積極的なプレーで主導権を握った。マドリーはボール運びがうまくいかず、次第に自陣エリア付近に逼塞することとなって、バレンシアの攻撃を受け続ける時間ができてきた。

こうした展開にもかかわらず、久々の出場となったカシージャは安定したプレー。良いセーブを何度もしてチームを救ってくれた。コパがなくなって彼にとっては残念なシーズンだったが、彼が控えてくれていることの安心感は大きい。今後に向けて良いアピールをする場となった。

バレンシアアンドレ・ゴメス、パレホ、エンソ・ペレスが良い出来。プレーの精度が高く、高い位置で攻撃に変化を付けられる。彼らを捕まえられず、ずるずる下がらざるを得なかったマドリーは、何とか凌ぐも攻撃の糸口は完全に失ってしまった。

55分、クリアボールが短くなったところに走りこんだロドリゴが冷静にコースを突くシュートを決めてバレンシアが1点を返す。

セットプレーなどではなく、試合の流れを掴んでのゴールで、バレンシアは俄然勢いを得てプレー。後半は、ゴタゴタがあったとはいえ本来の実力はあるところを存分に見せられることとなった。

59分、高いラインの裏をつくハメスのスルーパスからロナウドが決めて3-1。早めに突き放せたのは良かった。ただ、欲を言えば、ここで流れを押し留めて、ホームらしく磐石の試合運びに持っていって欲しかった。この後もバレンシアが盛り上がる試合展開は変わらず、せっかくの追加点も流れを取り戻すには至らなかったのが残念。

その一方で、負傷明けのベンゼマを下げコバチッチ、膝を負傷した様子だったルーカス・バスケスに代えてヘセと、交代はリードを得て万全にプレーしている時と変わらない流れ。

ベンゼマのプレー時間は60分程度と決まっていたと思われ、CLを考えれば妥当。とはいえ、この試合展開でこの判断はなかなか勇気がある。

81分にアンドレ・ゴメスのゴラッソで1点差となった後は、冷や冷やしながら時間経過を待つしかないプレーぶりで、勝ち点を落とせば短慮と言われても仕方のない交代だった。

もちろん、動かなさ過ぎるのも問題だし、常に適切なタイミングで交代という大きなカードを切ることはほとんど不可能だ。ジダンは動きが遅かったアンチェロッティの元でベンチにいたが、それを反面教師として早め早めに判断しているように見受けられ、それはそれで1つの解。

結局追いつかれなかったことも含め、ジダンはそうした運を持っていると言えるのかも知れない。

バレンシアは最終盤、マドリーを完全に押し込んで1点を取りに行っていたのに、ロドリゴが一発退場。前半のマドリーの2点目の件もあり、彼らにしてみれば不信感が募る判定。ラインズマンへの暴言があったようで、事実であれば判定自体はやむを得ないとも思うが、その下され方、その後の対応という点でまずく、主審はコントロールする気がないようにさえ見えた。

バレンシアは最後まで必死にボールを送り続けたが、主審によってこの息詰まる攻防にもケチがついたのはもったいなかった。ミッドウィークよりもはるかに緊張感のある終盤。これが11人同士なら、もっと何か起こっていたかもしれないと思ってしまう。

判定の問題はありつつ、プレーとしては最後はさすがにマドリーもやらせず。3-2で勝利し、リーガの望みを最終節に繋いだ。

また、終盤には今シーズン終了後の退団を明らかにしたアルベロアも出場。勝利という形で、彼を送り出すことができた。

■最終節へ

バルセロナエスパニョールに5-0と大勝。一方アトレティコは最下位レバンテにまさかの敗戦。

これにより、マドリーは2位。リーガ優勝争いからアトレティコが脱落し、バルセロナとマドリーが最終節まで争うこととなった。

今年1月の状況を考えれば、CLを残し、リーガのタイトルも最後まで争えていること自体驚き。

リーガはバルセロナ次第で、普通に行けば彼らが優勝を勝ち取るだろうが、仮にそうなったとしても、こうした状況でシーズンの最後を楽しめていることを嬉しく思う。

最終節、バルセロナグラナダとアウェイで、マドリーはデポルティーボと同じくアウェイで対戦する。