レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第2節 vバレンシア

良い雰囲気のベルナベウ。新シーズン最初のリーガの試合とあって盛り上がっていた。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、カゼミロ、ナチョ、マルセロ

MF:クロース;モドリッチ、イスコ

FW:ベイル、ベンゼマ、アセンシオ

46分:イスコ→コバチッチ、74分:ベイル→ルーカス・バスケス、84分:クロース→マジョラル

センターバックがナチョしか招集されていなかった最終ラインにはカゼミロ。クロースがピボーテに入り、イスコが先発となった。

バレンシアの先発メンバー

GK:ネト

DF:モントーヤ、ベーゾ、ムリージョ、ラト

MF:パレホ、コンドグビア;ソレール、ガヤ

FW:ロドリゴ、ザザ

75分:モントーヤ→ナチョ・ビダル、83分:ラト→ナチョ・ヒル、88分:ロドリゴ→サンティ・ミナ

マルセリーノ監督の下再び強いバレンシアが帰ってくるか。

■機能不全

ベイルの扱いが難しくなってきていることは前節の記事で書いた。

それでも、前節は中央に入って得点を挙げたことで、今後に繋がる一応の成果はあったと考えていた。フォワードの位置にいる以上、とにかくゴールが大事で、「問題はゴールが解決する」というのはままあることだからだ。

しかし、今節は前節以上に何も出来ず。サイドで相手を剥がせる期待もないし、中央での待ち方も凡庸で、クロスから決定機を作れる感じがなかった。

前線で組むベンゼマとアセンシオが自由に動き回るので、それに合わせる形でベイルもポジションを変えるが、どこに行っても目立たないプレーしかできなかった。

こうも悪い動きの原因は精神的なもののように思われる。

本来の位置であるサイドでは苦しいからどうするかという課題から、中央での仕事に徹すると割り切れればいいのにそうできず、プレーの選択が中途半端になってしまっている。

その点、サイドでのプレーを切り捨て、中央でストライカーとしての仕事に完全にシフトしたロナウドはやはり偉大だ。もう抜けないと揶揄されても、サイドではさほど労力を割かず、周りを使ってある程度の形を作る程度に留めるのは、簡単そうでいてなかなかできるものではない。

ベイルも、現状においてはサイドでエネルギーを使わず、中央で勝負するように割り切ってしまえば、すっきりするのではないだろうか。

そんな状態で前線がいまいちうまくいかないし、後に吐き気があったと判明、前半で交代する結果となったイスコも動きが悪く、前線を補う中盤とはならなかった。これで攻撃が機能することを期待することに無理がある。

結局は、こうしたメンバーを選んだジダンの責任だろう。

ベイルについては、少なくとも当面は先発に値しないし、少しプレーの整理が必要で、ルーカス・バスケスを活用すべき。イスコは体調不良をおす形になったが、万全なコバチッチやセバージョスで代替すべきだった。

前半を機能しない構成で半ば無駄にしたことで、試合が難しくなってしまった感は否めない。こうした判断に至った理由はわからないが、結果として人選ミスとなってしまったことは残念だった。

そんな中でも得点を挙げたアセンシオの勢いは素晴らしい。

相手のパスミスを奪って、エリア少し外からのミドル。バルセロナ戦こ続き、この距離をあっさり決められるのは普通ではない。ロナウドが復帰すれば、”ABC”の並びを基本として何の問題もないと改めて示すことになった。

バレンシアは順調

せっかくのリードを18分のソレールのゴールで失うと、試合は膠着状態に。

ポゼッションはあるものの、バレンシアのしっかりしたブロックでゴールに迫れない時間が続いた。そんな時の頼みのセットプレーも、コーナーは10回以上ありながらゴールには繋がらず。

バレンシアはベルナベウで守備によりうまく試合をコントロールしたといえるだろう。

ボールを持った時はパレホとコンドグビアのコンビが優秀。運べるし、パスで捌くこともできるので、回数が少ないながらもボールを前に効率よく進めていた。

徐々に間延びしていくと、不安が多いのはマドリー。センターバックはカゼミロとナチョという不慣れな組み合わせで、ラインコントロールや連携しながらの守りはどうなのか、気になってしまう。

ただ、カゼミロは対人の守備は見事。強さで相手とのコンタクトプレーは多く制していた。緊急起用だから、それで満足しておくべきか。

ジダンはベイルを74分で諦め、ルーカス・バスケスを投入。これでエンジンをかけ直せればというところ。ルーカス・バスケスも昨シーズンは攻撃の芽を摘んでしまうことが多かった。彼もサイドで精度とバリエーションを増やしていかないといけない立場。

この試合では、残り時間が少ないながら、まずまずのプレーだった。ベイルが厳しい状況であるので、彼にもチャンスがあればと思う。

前半のつけを取り返そうと交代していったマドリーだったが、勝ち越しはバレンシア

77分、左サイドをえぐってロドリゴポストプレー、落としたところにコンドグビアが走りこんできて冷静に隅に蹴り込んだ。

発端はコミュニケーションミスからのボールロスト。リトリートが間に合わず、ラインが下がったところで良いポストプレーで基点を作られた。

コンドグビアはここまで攻守に貢献してきたご褒美。移籍後早速のゴールとなった。リーガの水が合っているのかもしれない。

■追いついたが、そこまで

ビハインドとなったところを救ったのはまたもアセンシオ。83分、エリア少し外のフリーキックを直接決めた。

ネトが壁側に動いたところをファーへのキック。さらに評価を高めるゴールで2-2とした。

終盤はアセンシオが多くボールに触っていた。それは周囲からどんどん預けられていたことを意味する。はっきりと信頼を得て、らしいプレーを多く出来ていた。今シーズン彼がどれほどの高みに至るのか、楽しみになる。

そのアセンシオを中心にアディショナルタイムまで攻め立てるもゴールが遠かった。バレンシアも速攻でいい場面を何度も作れていたので、互いにゴールにボールが入らなかったのはそういう試合だったと割り切るしかない。

ベンゼマが外しまくったことで悪い意味で目立ってしまったが、長いシーズンの中でそういうこともあると、あまり考えない方が良い。

もちろん、彼の技術を考えれば、終盤の何回かのチャンスを決め切れなかったのは惜しい。アセンシオのシュートのこぼれ球を拾ったところなど、枠外では話にならないと感じてしまうのも、見ている側の気持ちとしては確かにある。

だが、ここで単純なプレーの失敗をあれこれ考えてしまっては、返って良くないように思う。ベンゼマの場合は何度か得点に見放される時期があるのだから、そういうものとドライに捉えてしまいたい。

■このバレンシア相手なら妥当

バレンシアは良いチームになりそうな予感。マドリーの悪さを差し引いても、守備をさぼらずやってパレホとコンドグビアが攻撃を作る形はレベルが高かった。サイドで勝負できるプレーヤーもいるし、この試合ではベルナベウということもあり支配率は高くなかったが、ボールを持って攻撃を作ることもできるだろう。

今後、CL争いには十分に加わっていけそうな印象を持った。

そのバレンシアに対し、前半を棒に振った割には何とか勝ち点1で終えられたとも言える。勝ち点を2落としたとも言えるが、このバレンシア相手なら、総じて妥当な結果だったといえるのではないだろうか。

今週末は代表戦のためリーガはお休み。次節は9月9日にレバンテと対戦する。